司法試験の合格率は低い?社会人が働きながら勉強して合格できるのか紹介

司法試験は数ある試験のなかでも、最難関試験といわれています。

しかし、裁判官・検察官・弁護士になるにあたって、司法試験は避けられないものです。

そんな司法試験ですが、令和4年度の合格率は40%台となっており、数値だけ見ると高いと感じる方が多いでしょう。

ですが、司法試験合格までには膨大な時間と労力がかかります。

取得すれば人生は大きく変わるため難易度が高いながらも挑戦する方が多いでしょう。

そこでこの記事では、司法試験の合格率から社会人が働きながら勉強して合格できるのか、合格できるポイントなどを紹介します。

2022年の司法試験の合格率

2022年の司法試験の合格率

2022年に行われた司法試験の最終合格者は1403人、合格率は45.52%です。

そのうち最も割合が多いのは予備試験合格者となっており、410名の出願者に対して最終合格者は395名、合格率は97.53%と高い数値となりました。

一方の京都大法科大学院、東京大法学部大学院などの法科大学院ルートの合格率は最も低いところで26.61%、高くて68%と予備試験との間に大きな差があります。

そして予備試験合格者の職業は395名のうち38名は会社員、公務員は21名との結果になりました。

法科大学院在学中の方も含まれているためアドバンテージとなっている部分はあるものの、会社員でも司法試験に合格するのは可能なことが分かります。

2020年〜2022年までの司法試験合格率

2020年〜2022年までの司法試験合格率

年数 受験者数 合格者 合格率
2020年 3,703名 1,450名 39.2%
2021年 3,424名 1,421名 41.5%
2022年 3,082名 1,403名 45.52%

 

参照:2020年司法試験合格者の状況
参照:2021年司法試験合格者の状況
参照:2022年司法試験合格者の状況

2020年から2020年までの司法試験合格率をさかのぼってみると、合格率は年々上昇しています。

司法試験に対してとても難しいイメージがあるため、合格率は非常に低いと思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし司法試験の合格率は例年30%から40%となっており、行政書士や社労士に比べて非常に高い数値なのです。

とはいっても、司法試験が簡単なわけではありません。

次の項目では、司法試験に合格するための勉強時間や難易度についてみていきましょう。

司法試験に合格するための勉強時間と難易度

司法試験に合格するための勉強時間と難易度

ここでは司法試験に合格するにあたって、基本情報ともいえる次の2つのことを紹介します。

具体的にどのぐらい勉強したら良いのかわからない、合格率の数値が高いため簡単なのかな?と思う方に向けて、司法試験に必要な勉強時間や難易度を紹介します。

必要な勉強時間

司法試験に必要な勉強時間は3000から8000時間といわれています。

しかし人によっては10000時間要する場合もあり、一概に何時間とはいえません。

その人の能力や環境によっても大きく異なってくるからです。

とはいっても、実際に合格する人の多くは年単位での勉強をしているのが現実です。

社会人の場合は勉強時間を十分にとれないことを考えると、人によっては5年以上かかる可能性もあります。

司法試験の難易度

司法試験の合格率は30%から40%前後と高い数値であるものの、難易度は非常に高いものです。

例えば司法書士試験や社労士試験などがありますが、これらは1000時間から3000時間の勉強時間が必要といわれています。

難しいといわれている行政書士でも600時間、これに対して司法試験の勉強時間は行政書士のおよそ5倍〜10倍以上、どのくらい難しいものなのか想像がつくでしょう。

司法試験の難易度を大学の偏差値で例えると東京大学、京都大学のレベルになります。

大学と司法試験では科目や試験制度が全く異なるものの、司法試験は日本トップの大学ぐらい難しい試験だということです。

社会人でも司法試験に合格できる?

社会人でも司法試験に合格できる?

結論から言うと社会人でも司法試験に合格はできます。

「2012年の司法試験の合格率」でも紹介したように、合格者395名のうち38名は会社員です。

そして21名は公務員です。そのため、社会人でも司法書士に合格はできます。

とはいっても、司法試験を突破するには膨大な時間が必要です。独学での勉強はあまりにも長い年月がかかるうえ、合格も期待できません。

しかし社会人でお金があるからこそ、予備校に通ったり、相性がいい講師探しが可能です。

独学ではない方法で勉強をして、通勤中、退勤後も司法試験に向けて欠かさず学習していきましょう。

司法試験に強い予備校

司法試験に強い予備校

司法試験に強い予備校は次の3つです。

すでに予備校について調べている方であれば、聞いたことのある予備校もあるのではないでしょうか。

司法試験を合格するためには予備校へ通いましょう。それぞれの予備校の特徴を紹介します。

伊藤塾

伊藤塾は高い合格実績を維持している予備校で、司法試験合格を目指している方ならば聞いたことがあるのではないでしょうか。

実際、2022年に行われた司法試験では、10人のうち9人以上が伊藤塾受講生とのデータがあります。

法律知識がゼロだとしても、短期・上位合格を可能にするカリキュラムとなっており、時間が限られている社会人にとって魅力的です。

さらに伊藤塾の講師は弁護士の方ばかりで、質の高い講義を受けられます。

参照:講師紹介 -司法書士試験- | 伊藤塾
参照:伊藤塾が選ばれる理由 -司法試験-|伊藤塾

資格スクエア

資格スクエアは「ゼロから始める司法試験」として、勉強時間をあまり取れない方や勉強に自信がない方でも、取り組めるカリキュラムになっています。

実際、講義の満足度は驚異の97.7%、オンライン機能は96%の満足度、カリキュラムは91%といずれも非常に高い数値です。

勉強でわからない部分があったとしても、優秀な合格者が相談に乗ってくれるため心配不要です。

社会人でも1年未満の学習期間で合格する方も出ているため、社会人にもおすすめできます。

参照:司法試験予備試験のオンライン予備校 | 資格スクエア

アガルートアカデミー

司法試験の合格者のうち47.8%がアガルートアカデミー講座を利用、3年間で受講者数は6.9倍にも跳ね上がっており、注目を浴びている予備校です。

講座は予備試験ルートから法科大学院ルート、司法試験の3つから選べられるうえ、学習経験の有無に合わせて柔軟に選択できます。

初学者から中上級者に最適なカリキュラムが用意されているため、幅広い方におすすめできる予備校です。

フルカラーのオリジナルテキストでネットからでも学習可能と、勉強に取り組みやすいのもポイントです。

参照:司法試験|予備試験最短合格カリキュラム | アガルートアカデミー

社会人が司法試験に合格するためのポイント

社会人が司法試験に合格するためのポイント

司法試験に合格するためのポイントとして、次の3つが挙げられます。

司法試験は出題される問題が多いうえ、幅広いため膨大な勉強時間が必要です。

効率を重視してしまいがちですが、とにかく勉強をすることが重要です。

実際、司法試験に合格している弁護士の方は、効率よく勉強するよりも、毎日欠かさず勉強していたとのことです。

ここでは、司法試験に合格するためのポイントをさらに詳しくみていきましょう。

とにかく勉強する

司法試験に合格するために必要な勉強時間は、3000から8000時間といわれています。

個人の能力や環境によっても必要な勉強時間は大きく変わってくるため、正確な数値はありません。

とはいっても、必ずといっていいほど年単位の勉強時間になります。

効率よく勉強しようと試行錯誤するよりも、毎日コツコツ勉強するのが一番の近道です。

実際、YouTubeやブログ活動も行っている弁護士の多くは、ひたすら勉強したと述べている人がほとんどです。

社会人が時間を確保するのは難しいものの、司法試験合格には通勤時間や職場の休憩時間、帰宅後の時間に勉強していく必要があります。

独学で勉強しない

社会人で司法試験合格を目指す場合、多くの方が予備試験ルートを選ぶでしょう。

また、予備試験ルートは法科大学院ルートよりも合格率が圧倒的に高いのです。

しかし合格率が高いといっても、難易度が高いことに変わりありません。

予備試験に合格する方の多くは予備校に通っており、それを独学で勉強して合格するのはほぼ不可能です。

とくに社会人ともなると時間が限られており、キャリアのことを考えて20代のうちに合格できるのが理想です。

司法試験はとにかく勉強に取り組むのが重要ですが、独学では時間がかかりすぎるため予備校に通うことをおすすめします。

諦めないこと

司法試験はその難易度の高さから不合格は当然であり、複数回受験する人は多くいます。

法務省が公表しているデータでは合格者のうちの12%は2回目の受験、6.27%は3回目と受験回数が多いのは珍しいことではありません。

出典:法務省HP「令和4年司法試験の採点結果」

20代で合格できれば可能性は広がるため、一度不合格になったからといって諦めないようにしましょう。

司法試験に合格すれば高年収が期待でき、将来性も抜群なため、根気強く取り組むことをおすすめします。

司法試験の難易度は圧倒的に高い!しかし合格すれば人生逆転が可能

もう試験の難易度は圧倒的に高く、簡単に合格できるものではありません。

しかし合格すれば弁護士、検察官、裁判官への道が拓けます。

どれも高年収な職業であり、将来性も抜群です。

安定もしているため、職業に困ることもないでしょう。

社会人ともなれば時間は限られているため、司法試験の合格はより一層難しくなりますが、1日も早く取り組めば可能性は広がります。

今の仕事では年収が低い、将来が不安などの場合は挫折せずに司法試験に向けて勉強しましょう。

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