司法試験のおすすめ勉強法!科目ごとの勉強ポイントについて解説!

「司法試験に合格するために有効な勉強法は?」「勉強の仕方がわからないから始められない」

そう悩んでいませんか?

この記事を読めば、司法試験対策でおすすめの勉強法について知ることができます。

司法試験は難易度が高い試験であり、膨大な勉強時間が必要になります。

ただ勉強時間を確保すれば合格できる試験ではなく、効率的に身につく勉強法を実践する必要があります。

また、これをやれば確実に合格できるという方法は存在しないということも心得ておきましょう。

この記事では、司法試験の勉強法や科目ごとの攻略ポイントについて解説しています。

勉強方法に悩んでいる人や効率的な攻略方法を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

司法試験の内容・構成

司法試験の内容・構成

司法試験は、裁判官や検察官、弁護士になろうとする者に、必要な学識・応用能力を備えているかどうかを判定するための国家資格です。

司法試験は誰でも受けられるわけではなく、受験資格を獲得しなくてはなりません。

受験資格は以下の通りです。

  • 法科大学院を修了する
  • 法科大学院に通っている間に条件を満たす
  • 予備試験に合格する

上記のいずれかの受験資格を得てから5年間で5回受験することができます。

司法試験は4日間かけて実施されます。

以下の表は、令和5年度の司法試験の日程について表しています。

日程 試験内容 科目
7/12 論文式試験 選択科目(3時間)・公民系科目第1問(2時間)・公法系科目第2問(2時間)
7/13 民事系科目第1問(2時間)・民事系科目第2問(2時間)・民事系科目第3問(2時間)
7/15 刑事系科目第1問(2時間)・刑事系科目第2問(2時間)
7/16 短答式試験 憲法(50分)・民法(75分)・刑法(50分)

引用:令和5年度司法試験実施予定表

令和5年司法試験は7月中旬に実施されますが、例年5月中旬に日程が組まれています。

イレギュラーな事態にも対応できるよう、早めに日程の確認をしておくと良いでしょう。

短答式試験について

短答式試験では以下の3科目が出題されます。

  • 憲法
  • 民法
  • 刑法

出題科目は少ないですが、その分出題内容の難易度が高いとされています。

また、各科目ごとと総合点にそれぞれ足切り点数が存在しており、どれか1つでも足切りラインにみたないと論文式試験の答案の採点を受けることができません。

司法試験の短答式試験の配点や試験時間などを表にしてまとめました。

科目 問題数 配点 試験時間
憲法 20問〜25問 50点満点 50分
民法 30問〜38問 75点満点 75分
刑法 20問〜25問 50点満点 50分

論文式試験について

論文式試験の試験科目は以下の7つです。

  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法
  • 民事訴訟法
  • 刑法
  • 刑事訴訟法
  • 選択科目

なお、選択科目は以下の8つから選んで受験することになります。

  • 倒産法
  • 租税法
  • 経済法
  • 知的財産法
  • 労働法
  • 環境法
  • 国際関係法(公法系)
  • 国際関係法(私法系)

論文式試験では白紙に回答を書かなくてはならず、何をどれくらい書くのか、どこから書き始めるのかなど全てを自分で決めなくてはなりません。

論文の力は短期間で身につくものではないため、早い段階から論文の思考や書き方などを学ぶ必要があります。

後回しにせずに早い時期から対策に取り組みましょう。

論文式試験の配点や試験時間については以下のとおりです。

科目 配点 試験時間
公法系科目(憲法・行政法) 200点満点 1問につき2時間ずつ
民事系科目(民法・商法・民事訴訟法) 300点満点 1問につき2時間ずつ
刑事系科目(刑法・刑事訴訟法) 200点満点 1問につき2時間ずつ
選択科目 100点満点 3時間

論文式試験にも足切りラインが存在し、満点の25%に満たない科目がある場合は、その時点で不合格になります。

また、最終的な合否の判定は、以下の算式で算出した総合得点を元に行われます。

【総合得点の算式】
短答式試験の得点+(論文式試験の得点×1400/800)

これで算出した総合得点が合格点以上であれば、合格となります。

ただ、合格ラインは毎年異なるので、なるべく多くの点数を獲得できるように対策しておきましょう。

司法試験合格にまつわる基本情報

司法試験合格にまつわる基本情報

司法試験に合格するためには、短答式試験で6割程度、論文式試験で5割程度の得点が必要になります。

先述した通り、足切りラインも存在するので、苦手な科目を作らずに合格点を満たさなくてはなりません。

ここからは、合格ラインや目安となる勉強時間について解説していきます。

合格ラインについて

司法試験は相対評価といわれているので、明確な合格ラインが設けられているわけではありません。

その年の難易度は、受験者全体の得点と問題との相性で決まると言って良いでしょう。

以下の表は、2011年から2021年までの司法試験の合格率についてまとめたものです。

実施年度 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
合格率 23.5% 25.1% 26.8% 22.6% 23.1% 22.9% 25.9% 29.1% 33.6% 39.2% 41.5%

引用:弁護士白書2021年版「司法試験の合格状況」

年々合格率が上昇していることがわかります。

その理由としては、政府の方針として法曹人口を増加させるという方針をとっているからでしょう。

近年難易度は低下していますが、変わらず難しい試験であると考えておきましょう。

勉強時間について

司法試験合格までに必要とされる勉強時間は、おおよそ3,000時間〜8,000時間かかるとされています。

中には、10,000時間かかったという人もいるそうです。

時間に幅があるのは、学習経験や環境に差があるからでしょう。

また、この勉強時間を満たしたから合格できるというわけでもありません。

あくまで目安として考えておき、膨大な時間がかかると心得ておきましょう。

司法試験の勉強に取り掛かる前にやるべきこと5つ

司法試験の勉強に取り掛かる前にやるべきこと5つ

司法試験や予備試験は対策すべき科目数が多く難易度の高い試験であるため、膨大な勉強時間が必要になります。

ここからは司法試験の勉強に取り掛かる前にやるべき準備について解説していきます。

司法試験の勉強をどこから始めたら良いかわからないと悩んでいる人は、まずはここから始めてみましょう。

1.勉強時間を確保する

先述した通り、司法試験は膨大な勉強時間が必要になる試験です。

まずは自分のライフスタイルを見直して、勉強時間を十分に確保できるようにしておきましょう。

通勤や通学にかかる時間や休憩時間などを含めて、1日に何時間くらい勉強できそうかチェックしてみてください。

司法試験や予備試験に合格した人の平均的な学習時間は合計3,000時間〜10,000時間といわれており、週に15時間〜30時間の勉強時間を確保している傾向にあります。

また、何年にもわたって勉強している人が多いので、継続して勉強できそうかどうかも確認しましょう。

初めの1週間だけ確保しても意味がないので、継続して週に15時間〜30時間程度確保できるよう調整してみてください。

2.勉強できる環境を整える

勉強できる時間を十分に確保できたら、集中できる環境を整えてください。

自宅で勉強できる人は家の環境を整えれば良いですが、そうでない場合は学習できる場所を確保しなくてはなりません。

例えば図書館やコワーキングスペース、大学生であれば自習室などを活用すると良いでしょう。

また、予備校に通う場合は自習室が開放されている可能性もあります。

ロッカーや荷物置き場が用意されている場合もあるので、荷物の運搬が難しい場合はそういった施設の有無も確認しておきましょう。

3.六法を準備する

法律の勉強をする人の基本書である六法を準備しましょう。

まずは手軽に購入できるポケット六法など小型のものを購入してみてください。

法律は日々アップデートされているので、情報を追うのはもちろん、毎年新しいものに買い換えるようにしましょう。

4.基本書を準備する

司法試験の勉強法では、法律知識のインプットを行います。

そのため、基本的な情報や知識をチェックできる基本書となるテキストを購入しましょう。

入門書や論証集など、法律の基本知識について網羅的に把握できる内容がおすすめです。

予備校や通信講座を利用する場合は、用意してもらえることが多いので闇雲に購入するのは控えておくと良いでしょう。

5.問題集や過去問を準備する

司法試験の勉強をするならインプットだけでなくアウトプットも重要です。

アウトプットができる問題集や過去問を準備しましょう。

過去問を解くのは有効な勉強法なので、複数年の過去問が掲載されたテキストがおすすめです。

また、過去問の解説が詳しくわかりやすいものが好ましいです。

問題集や過去問に関しても、予備校や通信講座を利用する場合は用意してもらえることが多い傾向にあります。

司法試験に合格するための5つの勉強法

司法試験に合格するための5つの勉強法

司法試験の勉強を始める準備ができたら、実際に勉強を始めていきましょう。

ここからは、司法試験に合格するためにおすすめな勉強法について解説していきます。

勉強法に悩んでいる人や初めて司法試験の勉強をする人はぜひ参考にしてみてください。

1.隙間時間を活用して勉強する

先ほども述べましたが、司法試験の勉強には膨大な時間がかかります。

まとまった時間の確保ができる人は良いですが、学生や社会人の場合は思ったように時間を確保できないかもしれません。

そういった環境でも多くの勉強時間を確保するために、隙間時間を上手く活用しましょう。

例えば、通学や通勤にかかる時間やお昼の休み時間、朝準備して出かけるまでの時間などを活用してみてください。

ただ、短時間での勉強になるので、暗記や知識系の問題、短答式試験を一問一答形式でやってみるなどの勉強法が良いでしょう。

隙間時間を活用して繰り返し反復することで、記憶の定着も期待できます。

しかし、隙間時間だけでなく休日などでまとまった時間を確保することも忘れないでください。

論文式試験の対策や模試などは、まとまった時間で行うのがおすすめです。

2.情報を一元化する

司法試験は試験範囲が広く、勉強だけでなく復習にも膨大な時間がかかってしまいます。

何回も繰り返して記憶を定着させることが大事ですが、そのために必要な回転数を回せないこともあるでしょう。

そこで、各科目ごとに情報を一元化するという勉強法を取り入れてみてください。

例えば、間違えやすいポイントやつまづきがちな問題形式、覚えておきたい解き方や考え方などを1つのテキストやメモにまとめてみましょう。

各科目ごとに情報を一元化しておくことで、短時間で復習することができます。

このテキストやメモを持っておけば、試験前の見直しにも役立つでしょう。

3.条文に立ち返る癖をつける

司法試験の勉強をするのであれば、条文に立ち返る癖をつけましょう。

条文は法律家の共通言語と考えられます。

そのため、他の法律家に自分の主張を通したり相手の主張を噛み砕いたりするために必要不可欠な情報です。

間違えた問題があった場合は、解説を読むだけでなく該当する条文もチェックしましょう。

条文に紐づけて知識や思考、論証を整理しておくことで、問題に対して事実関係のねじれがないアウトプットができることでしょう。

短答式試験だけでなく論文式試験にも役立つ思考力が身につきます。

4.過去問は反復する

司法試験を攻略するためには過去問を反復して解くことが大事です。

過去問を解いて、参考書や条文に立ち返るという勉強のサイクルを繰り返して行いましょう。

これは短答式・論文式にかかわらず有効な勉強法です。

どちらの形式の試験対策でも、ある程度知識のインプットを行なったら、問題をたくさんこなして慣れていきましょう。

5.答案の添削を受ける

論文式試験の有効な勉強法は、プロや合格者に添削してもらうことです。

論文を書くのに慣れていない人は、論文の解き方がわからない上に自分で直せない文章の癖がつく可能性があります。

プロや合格者の添削が有効なのは、司法試験合格において有効な文章の構成や論述の言葉遣い、展開のさせ方などを知っているからです。

合格に近づく論文を書くためにも、答案ができたら必ず添削を受けるようにしましょう。

【科目別】司法試験の勉強法・攻略のコツ

【科目別】司法試験の勉強法・攻略のコツ

司法試験の勉強をするときは効率的に進めることを重視しましょう。

攻略する科目が多いので間違えやすい情報を一元化しておくことや、論文式の添削を受けることなどを意識してみてください。

ここからは、科目別の勉強法や攻略のコツについて解説します。

それぞれ効率的な勉強法を把握し、何周も勉強できるように対策しましょう。

憲法の勉強法

憲法は国の最高法規で、あらゆる法分野の上位に位置する規範です。

内容は主に人権分野と統治分野に分かれています。

憲法の試験対策には300時間程度の勉強時間が必要とされており、条文や判例に関連する問題だけでなく学説の知識問題も出題されます。

そのため、メジャーな問題や知識だけでなく、深い知識や細かい論点までチェックしなくてはなりません。

判例を把握するだけでは得点できない問題も多く出題されるので、問題ごとに論点を把握して理解できるようにしておきましょう。

ただ、憲法の規定は抽象的である傾向にあるので、憲法以外の科目の理解が深まってから勉強するのがおすすめです。

民法の勉強法

法的思考や知識を身につけるためにも、初めて法律の勉強をする人は、民法から学ぶと良いでしょう。

民法は日々の生活とも密接に関係しているのでイメージしやすいでしょう。

ただ、民法は条文が多く出題される問題数も多いことから、必要な勉強時間は500時間以上とされています。

重要な論点や判例を押さえ、メリハリをつけて勉強を進めていきましょう。

また、一度で民法を攻略するのは無理だと心得ておくことも大事です。

一度で覚えようとせず、コツコツインプットとアウトプットを繰り返し、徐々に知識やスキルを身につけていきましょう。

民法の勉強は膨大な時間が必要になるので挫折する人も少なくありません。
気分転換やストレス発散をしながら、時間をかけて攻略していきましょう。

刑法の勉強法

刑法の勉強時間の目安は300時間程度とされています。

刑法は論理的な要素が強い科目ですが、犯罪という身近な内容も多いので興味関心を持ちやすい科目でもあります。

イメージしやすいことから、初心者でも勉強しやすく合格者が多い科目です。
刑法の論文の書き方は以下のような流れであることが多く、書きやすい傾向にあります。

  1. 構成要件該当性
  2. 違法性阻却事由
  3. 責任阻却事由

また、機械的にこなせる問題も多いので、問題集や過去問による演習を重ねて出題傾向に慣れておきましょう。

民事訴訟法の勉強法

民事訴訟法は民法を学んだ後に学習するのがおすすめです。

合格に必要とされる勉強時間は300時間程度で、難易度は中程度といわれています。

民事訴訟法は手続法なので、興味を持ちづらいことが多く面白みがないと感じる受験生が多いそうです。

ただ、民事訴訟法は民法など他の実体法の理解を深めることにもつながるので、他の勉強につながると思ってコツコツ勉強を進めていきましょう。

刑事訴訟法の勉強法

刑事訴訟法は刑法を学んだ後に学習するのがおすすめです。

合格のためには300時間程度の勉強時間が必要とされており、難易度は民事訴訟法と同じ程度だと考えてよいでしょう。

こちらも手続法なので、操作開始から判決言い渡しまで流れを意識しながら勉強を進めていくのがおすすめです。

民事訴訟法と同じく他の実体法への理解が深まるため、丁寧に勉強を進めていきましょう。

商法の勉強法

商法は以下の3分野から出題され、合格に必要な勉強時間は300時間程度といわれています。

  • 商法総則・商行為
  • 手形法
  • 会社法

司法試験では会社法を中心に出題される傾向にあるので、まずは会社法から勉強すると良いでしょう。

ただ、普段の生活との関係性が薄くイメージが湧きにくい法律であるため、難しさを感じる受験生が多いようです。

論文式試験の対策としては、必要とされる条文と結びつける力を蓄えると良いでしょう。

論文の勉強法

論文式試験の対策をするときは法的三段論法を意識して思考するようにしましょう。

三段論法とは大前提と小前提から結論を導き出す推論方法です。

これを法的判断に応用したものが法的三段論法で、以下のように構成されます。

  1. 大前提:要件→効果(法命題)
  2. 小前提:事実→要件(事実へのあてはめ)
  3. 結論:事実→効果(具体的な価値判断)

この思考方法を身につけておくと、表現するときはもちろんインプット時にも役立ちます。

また、以下の4つのサイクルを意識して過去問や問題集を繰り返しとくのもおすすめの勉強法です。

  1. 全体像を把握する
  2. 論文を書いてみる
  3. 細かい知識をインプットする
  4. 正解筋を把握して再度論文を書いてみる

大まかな知識を得てから論文を書き、細かい知識を得てから再度論文を書くことで、初めに書けなかった部分が見えてくるはずです。

正解の思考回路に迫っていくことで、事実分析の力や条文から知識や論証を導き出す力などを習得していきましょう。

先述した通り、論文を書いたらプロや合格者に添削してもらうのも重要です。

【選択科目別】司法試験の選択科目の勉強法

【選択科目別】司法試験の選択科目の勉強法

司法試験の論文式試験では、以下の科目の中から1科目を選択することになります。

  • 労働法
  • 倒産法
  • 知的財産法
  • 経済法
  • 租税法
  • 環境法
  • 国際関係法(私法系)
  • 国際関係法(公法系)

令和2年司法試験の選択科目別の合格者とその割合を以下の表でまとめました。

科目 合格者数 合格率
倒産法 204人 14.07%
租税法 97人 6.69%
経済法 269人 18.55%
知的財産法 200人 13.79%
労働法 481人 33.17%
環境法 46人 3.17%
国際関係法(公法系) 13人 0.90%
国際関係法(私法系) 140人 9.66%

引用:令和2年司法試験の採点結果「合格者に関する情報 」

科目の難易度はそれぞれ異なるので、得意科目や得点が取れる科目を選んで受験しましょう。

ここからは、選択科目別の司法試験合格のための勉強法について解説していきます。

労働法の勉強法

労働法は司法試験受験生の約3割が選択する科目で、最も人気がある科目です。

民法や憲法、行政法と関わりがある科目であり、日常生活に関係する労働にまつわる法令なので、イメージがしやすいのでしょう。

ただ、学習範囲が多く暗記量も膨大な傾向にあります。

早い段階から勉強を始め、範囲を網羅できることはもちろん、重要判例へ詳しい知識を身につけておきましょう。

また、法改正が多いため、常に新しい情報を手に入れておきましょう。

倒産法の勉強法

倒産法は、労働法に次いで人気がある科目です。

試験問題のレベルは高めですが、知識を身につければ合格できない問題でもありません。

破産法と民事再生法が主な学習範囲で、民法や民事訴訟法の知識も必要になります。

他の科目と比べて勉強時間の確保が必要ですが、基本民事科目との親和性が高いので、効率良く勉強しやすい傾向にあります。

知的財産法の勉強法

知的財産法は、労働法、倒産法の次に選択されやすい科目で、勉強量が多い傾向にあります。

受験生のレベルの高さも特徴的なので、とにかく多く得点する必要があります。

理論的な理解が必要とされるので、頻出される判例を把握しておきましょう。

頻出問題は年々変化しているため、常にアップデートする必要があります。

過去数年分の過去問を解いて、どんな問題にも理論的に対応できるよう準備しておきましょう。

経済法の勉強法

経済法は4番目に人気がある科目で、独占禁止法からの出題がメインです。

出題範囲が比較的狭く、事実分析や答案作成の型があらかじめ決められています。

学習時間やポイントを絞って行えるので、コスパが良い科目ともされています。

ただ、選択者が増加傾向にあるため、網羅性と専門性を高めておくと良いでしょう。

型に慣れておくことや過去問を繰り返しておくことがおすすめです。

租税法の勉強法

租税法の受験生は少なく、税金に関しての問題が多く出題されます。

頻出問題の判例を正確に理解しておくことが合格につながる勉強法です。

専門的な会計知識は出題範囲外なので、専門性よりも網羅性が必要になるでしょう。

繰り返して勉強できるよう時間を確保して臨むと良いでしょう。

環境法の勉強法

環境法も租税法と同じく受験生が少ない科目です。

ただ、受験生が少ない分高得点を獲得できれば、合格に近づきやすいでしょう。

教材や選択者が少なく、学習量もそこまで多くないと考えられています。

民法や行政法との関係性が高いため、基本科目の知識が試される問題が出題されます。

環境法の過去問対策を行うのはもちろん、基本科目の知識を深めておくのも重要です。

国際関係法(私法系)

出題範囲が狭く出題パターンもある程度限られていることから、比較的効率良く勉強できる科目です。

出題パターンに慣れ、頻出問題への理解を深めていきましょう。

民法や民事訴訟法との関連も高いため、民事系科目にも力を入れましょう。

国際関係法(公法系)

選択者が最も少ない科目で、マイナーな科目として知られています。

ただ、難易度が高すぎるわけではなく勉強量も一般的な量です。

条約や国際判例の解釈が中心に出題されます。

覚える量はそこまで多くありませんが、深い理解や解釈が必要になります。

過去問を繰り返して解き、思考や論証を学びましょう。

司法試験は何から勉強する?勉強順について

最後に司法試験は何から勉強したら良いのか、勉強順について解説します。

年単位のスケジュール例も紹介します。

何から勉強したら良いのか悩んでいる人や計画を立てる際に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

科目ごとの勉強順について

司法試験の勉強を始める際は以下の流れで勉強を進めていくのがおすすめです。

  1. 民法・商法・民事訴訟法
  2. 刑法・刑事訴訟法
  3. 憲法・行政法
  4. 選択科目

民法は範囲が広く生活に密着している科目であることから、初心者でも対策しやすいでしょう。

あらゆる私法のベースにもなるため、法的思考を身につけるのにも役立ちます。

商法や民事訴訟法は民法の理解が前提となるため、民法を学んでから手をつけるようにしましょう。

次にイメージが湧きやすい刑法を学ぶと良いでしょう。

刑法の答案はパターン化されていることが多いため、比較的対策しやすい科目です。

刑事訴訟法には刑法の知識が必要になるので、刑法の対策がある程度進んでから勉強するのがおすすめです。

次に憲法や行政法の勉強に取り掛かりましょう。

憲法はあらゆる法分野の上位に位置する法律ですが、イメージがつきにくい傾向にあります。

初めて法律の勉強をする人は苦戦する科目であるため、法律関係の知識がある程度ついてから勉強すると良いでしょう。

最後に選択科目の対策を行いましょう。

この時点である程度法的思考や知識は身についているので、ゼロからの学習にはなりません。

また、基本科目と関係性が深い法律もあるため、片方を勉強することで相乗効果が期待できます。

年単位の勉強スケジュール例について

ここでは1年間の対策スケジュールを例に挙げて紹介します。

時期 勉強内容
7月〜9月 憲法・民法・刑法のインプット/論文式試験対策
9月〜12月 憲法・民法・刑法の短答式試験対策/論文式試験対策
12月〜3月 民事訴訟法・刑事訴訟法のインプット
3月〜6月 行政法のインプット/論文式試験対策
7月 模試などを行う
8月〜10月 復習や過去問で対策する
10月〜12月 模試を行う/過去問対策
12月〜試験まで 過去問や模試などを繰り返す/インプットとアウトプットを繰り返す

全ての範囲を1度で網羅すると思うのではなく、何周もして合格ラインに近づく意識で勉強しましょう。

そのため、まだ完璧にインプットできていないから問題を解かないというのはNGです。

ある程度知識がついたら過去問や問題演習などでアウトプットを行い、間違えたところを再度インプットするという流れで勉強してみましょう。

司法試験の勉強法を押さえて最短で合格を目指そう

司法試験の難易度は年々下がってきていますが、国内トップクラスの難関資格であることは間違いありません。

合格するためには効率的な勉強法を実践し、地道に知識やスキルを身につけていくことが大事です。

条文やテキストを活用しながら、インプットとアウトプットを繰り返すのがおすすめです。

科目や苦手分野に合わせた勉強法を見つけ、司法試験合格を勝ち取ってください。

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