簿記3級の資格は、資格取得を初めて志す人にも挑戦しやすい資格です。
今回は、簿記3級試験の難易度や合格率について解説します。
また、合格を目指す人がどのように勉強すればよいかについてもご紹介します。
これから、簿記の勉強を始める方は参考にしてください。
この記事の目次
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簿記3級における合格率の平均は40%~50%
簿記3級の合格率は、平均40%〜50%です。
お金に関するほかの資格の合格率は、税理士が18.8%、公認会計士が9.6%です。
簿記3級は、それほど難易度の高い試験でないことが分かります。
2021年の受験者データを確認します。
回・日付 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
159(2021年11月21日) | 58,025 | 49,095 | 13,296 | 27,1% |
158(2021年6月13日) | 58,070 | 49,313 | 14,252 | 28,9% |
157(2021年2月28日) | 70,064 | 59,747 | 40,129 | 67.2% |
(※)引用:簿記3級受験者データ|商工会議所の検定試験
受験者数がとても多く人気の資格であることが分かります。
また、一年間で数回試験が行われているため、受験者が自分の予定に合う日程を見つけやすい点も人気の理由のひとつでしょう。
2021年度以降、試験時間が60分と短くなりました。
今後の合格率にも注目です。
簿記3級における合格率は年々上昇傾向
簿記3級の合格率は、年々上昇傾向にあります。
2016年以降の年度別の合格者率を、表でご覧ください。
(※)引用:簿記3級受験者データ|商工会議所の検定試験
回によって合格率が急激に下がっている年もありますが、平均値は徐々に上がっています。
それに反して受験者数は、年々減っています。
しかし、就職活動を控える学生や転職を考える人からの支持は高いため、受験者はしっかり勉強して試験に挑戦する必要があります。
簿記3級は辞退率が20%~30%
簿記試験には、「受験者数」と「実受験者数」があります。
これは、「受験者数」が簿記試験の申し込みをした人数、「実受験者数」が当日試験を受けた人数です。
受験者数の内、10人に2〜3人は受験していません。
その理由はさまざまです。
勉強が間に合わなかった方や、その他の理由で受験しなかった人数がいつの試験でも10,000人程度います。
しっかり準備をして、試験に挑めば合格の可能性はとても高いと分かります。
簿記3級の難易度
簿記3級の難易度や試験の詳細について解説します。
出題範囲や合格に必要な点数、配点の割合について詳しく解説していますので、是非ご確認ください。
簿記3級の難易度や試験の詳細
難易度は比較的低い
合格率を考えると、難易度は他の資格と比べて低いことが分かります。
簿記3級で出題される内容は、簿記の基本概念や会社の財務に関する基本的な内容がほとんどです。
問題の傾向としては、暗記問題もありますが、正確に計算ができるかどうかを問われることが多いです。
使う数式は、足し算・引き算・掛け算・割り算のため、簡単に解けます。
また、電卓を使用することができるので計算に自信がない方でも安心です。
ただし、難易度が低いという認識が先行して、勉強を怠る人がいます。
合格するためには、事前にしっかり勉強してから受検する必要があります。
簿記3級の試験内容について
簿記3級は、「商業簿記」から出題され、試験内容と配点は傾向が決まっています。
試験内容は、大きく分けて3つの分野が出題されます。
第1問 | 仕訳問題 |
第2問 | 帳簿記入・勘定記入・会計用語記入 |
第3問 | 精算書作成・財務諸表 |
それぞれの項目に、複数個の問題が構成されています。
合格するためにカギとなる項目は、「仕訳問題」や「精算書作成・財務諸表」です。
その場で、仕訳・表を作成する力が必要なため、事前に勉強していないと試験当日に慌ててしまうでしょう。
そのほかの項目は、単語を覚えて解答する問題もあります。
基本知識を活かせば解ける問題も多いため、バランスよく取り組んでください。
簿記3級試験の配点
簿記3級の試験は、100点満点で作成されています。
その内訳は、こちらです。
第1問 | 45点 |
第2問 | 25点 |
第3問 | 35点 |
2021年の試験以降、問題の形式や、配点が大きく変わりました。
第1問「仕訳問題」の配点が大きくなり、より正確な判断が求められます。
第1問と第3問の配点を合わせると80点あり、70点以上という合格ラインに到達するため、この部分に集中して勉強する受験生もいます。
しかし、試験の内容やそれぞれの項目の難易度は毎年変化するため、バランスよく全体を勉強することがおすすめです。
簿記3級の合格点は70%、配点は仕訳問題が半数である
簿記3級の合格点は、70%と決まっています。
受験者数や年度によって合格率が変動することはありません。
100点満点のテストで、70点を取れば合格です。
数字だけで考えるとハードルが高いように感じます。
しかし、試験内容のほとんどが基礎知識を問う問題です。
きちんと勉強して挑めば合格を目指せます。
また、試験の約半分が「仕訳」の問題です。
「仕訳」とは、業務で発生した取引を、「勘定科目」を使って記録する作業です。
取引を帳簿に記録することを簿記、仕訳を記録する帳簿は仕訳帳と呼ばれます。
この「仕訳」問題が解けるようになると、合格の可能性が高まります。
丸暗記だけでなく仕組みを理解する必要がある
簿記試験の勉強は、単語の暗記だけではなく仕組みを理解する必要があります。
「仕訳」や「勘定科目」の仕組みを理解してください。
仕訳 | 業務の際に発生した取引を、「勘定科目」を使って記録する作業 |
勘定科目 | 取引の内容を示す名前。「売上・光熱費」など。 |
簿記3級の試験は、暗記した内容をもとに解く分野と仕組みを理解して解く分野に分かれます。
ひっかけ問題や、よく読まないと分からない問題が多く出されるため、十分な理解が必要です。
仕組みを理解できていれば、難しく書かれているように見えても、本質を見抜き正しい回答を導き出せます。
簿記3級はあくまで入門
簿記検定は、1級・2級・3級に分かれており、3級は簿記の入門です。
各級の合格率を見ると、級が上がるごとに内容は難しくなり、合格率は下がっています。
級 | 合格率 |
1級 | 10%前後 |
2級 | 15%〜30% |
3級 | 40%〜50% |
(※)商工会議所の検定試験を参考に算出
この表を見ると、簿記3級は決して難易度の高い試験でないことが分かります。
ただし、まったく勉強せずに合格できる検定ではありません。
どのようなスタイルで簿記3級を勉強するとよいか
資格を取るための勉強スタイルはさまざまです。
では、簿記3級に合格するためにはどのような勉強スタイルがあるか、ご紹介します。
簿記3級の勉強スタイル
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それぞれ、どのような人にオススメか、説明します。
独学がおすすめの人
独学は、以下のような人におすすめです。
独学がおすすめの人
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・会計の知識がある程度ある人
・学習のモチベーションを保つことができる人 ・効率良く学習できる人 ・コストを抑えて挑戦したい人 |
独学で勉強する一番のメリットは、学習費用を安く抑えることが出来ることでしょう。
ただし、独学だと質問できる人がいないため学習の効率が下がってしまったり、モチベーションを保つことができなくなったりします。
それらを自分で解決できる人には最も合ったスタイルです。
・講師に質問できない
・メリハリがつかない
・最新の情報が入ってこない
独学で勉強する人は、その欠点を認識して勉強を進めてください。
一緒に資格取得を目指す友達が欲しい人は、SNSでの交流もおすすめです。
通学講座がおすすめの人
対面で質問したい、2級・3級の受験を目指したい方は、通学講座がおすすめです。
人と一緒に頑張る環境にいるため、モチベーションが維持できます。
・独学と比べて費用がかかる
・時間の拘束がある
・講師との相性が合わない可能性もある
通学講座に通えば、常に最新の情報を手に入れられたり、わからないことがあれば質問できたりと多くのメリットを受けられます。
しかし、上記のようなデメリットもあるため、時間とお金をかけて資格取得を目指せる方におすすめのスタイルです。
独学で簿記3級の合格率を上げるポイント
独学で勉強して簿記3級の合格を目指す人は、どのようなことに気をつければよいか解説します。
1人で勉強する時は、ポイントを抑えて効率よく仕組みを理解してください。
お金の流れをイメージする
テキストの文字だけを追わず、お金の流れを細かくイメージしてください。
簿記の基礎知識をインプットして「仕訳」ができるようになるまで、何度も繰り返す必要があります。
自分の生活に置き換えて、お金の動きをイメージすることが大切です。
スマートフォンの電卓を使わない
試験にスマートフォンを持ち込むことはできません。
他の電子機器も同様です。
そのため、普段からスマートフォンの電卓アプリではなく、通常の電卓を使用するようにしてください。
試験は、制限時間があるため、正確で速い計算が必要です。
メーカーによってボタンの配置が違うこともあるので使い慣れた電卓を持ち込むようにしましょう。
最初は速さより正確重視で
最初から速さを気にして問題を解くと、見落としやケアレスミスにつながる可能性があります。
はじめは、試験問題の流れや設問のクセに慣れて、正確に解答できるよう心がけてください。
問題に慣れてきてから、スピードを上げる方法がおすすめです。
一度に全てをこなそうとせずに、順番に取り組むことが大切です。
簿記3級の合格率を上げる勉強の手順
簿記3級に合格するには、100時間前後の時間が必要とされています。
合格率を上げるためのおすすめ勉強法をご紹介します。
効率のよい勉強の手順
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1冊の参考書で全体像をつかむ
効率良く学習するには、会計の全体像を理解する必要があります。
たくさんの参考書を購入して、行ったり来たりする方法はおすすめしません。
1冊の参考書を何度も読み返して、基礎を覚えることが大切です。
また、何度も読み返すことで、内容の全体が頭に入ってくるため理解がより深まります。
問題集や過去問で不明点を洗い出す
参考書の内容が頭に入った後は、問題集や過去問を解いて実践形式で学びます。
参考書を読むだけではなく、答えを導き出す力が必要です。
問題を解いた後は、間違えた箇所を復習し解決してください。
それでもわからない部分があれば参考書を使って理解することが大事です。
不明点は参考書を使って見直す
苦手な部分や、不明点は参考書を見直して解決してください。
苦手な分野を認識することと、苦手な分野をなくすことが大事です。
得意分野で自信をつけて、苦手な部分は時間をかけて取り組んでください。
簿記3級の基礎知識
幅広い年齢層の方が挑戦できる簿記3級。
資格を持つメリットや簿記3級の基本情報をご紹介します。
簿記3級の基礎知識
簿記3級の基本情報
日商簿記検定3級
主催 | 商工会議所 |
開催回数 (1年間) | 3回 |
受験料 | 2,850円 |
試験範囲 | 「商業簿記」 |
試験時間 | 60分 |
合格率 | 70% |
(※)参考:簿記3級|商工会議所
簿記3級は、正式名称「日商簿記検定3級」といいます。
2021年度より、試験時間が60分に変更されました。
受験申し込み期日は、各地域の商工会議所によって違います。
お近くの商工会議所を検索してください。
簿記3級を受けるメリット
簿記3級を取得するメリットは、就職・転職に役立つことや、キャリアアップに繋がることです。
他にも簿記2級や簿記1級の受検を目指している方であれば、簿記3級の合格で自信がつき挑戦の励みになるでしょう。
転職やキャリアアップにつながる
簿記3級を取得していると、会計に関する基礎知識を持っていることが証明できます。
資格を取得することで、今までできなかった業務に携われる可能性もあります。
会社での昇給や昇進の際に手助けとなってくれるでしょう。
また、資格を取得して転職したい人も挑戦しやすい資格です。
他の資格取得に役立つ
お金に関係する資格は税理士や公認会計士等、さまざまな資格があります。
これらは、簿記3級の試験より難易度が高く、初めに目指すことはとても難しい資格です。
簿記3級で勉強する内容は他の資格の勉強分野と共通することも多いため、まずは簿記3級を取得してから勉強するとよいでしょう。
簿記1級・2級試験に挑戦できる
簿記1級と2級の試験は、3級と比べると難易度が上がります。
合格率も下がるため、取得している人が少ない資格です。
会社によっては、資格の難易度や内容によって資格手当が出る企業もあります。
まずは3級を取得することで自信をつけて、1級・2級を目指しましょう。
簿記3級は幅広い年齢が取得対象
簿記3級は、年齢制限がなく誰でも受験可能です。
受験者の多くは、高校生・大学生・社会人です。
どのような人がどんな目的で受験するのか、ご紹介します。
①高校生
商業高校で簿記を学習した人や、高校卒業後に就職を考えている人が簿記3級取得を目指します。
就職活動の時に有利な資格を取得したいというのが主な受検理由です。
②大学生
大学の学部・学科によっては、簿記に関する講座があり、教授や大学から受検をすすめられることがあります。
他にも、希望する就職先に簿記の資格が必要だと感じた人が、就職活動を始める前に資格取得を目指すケースもあります。
③社会人
キャリアアップを目指し、転職を考えている社会人が受験しています。
キャリアの可能性が広がるため人気です。
仕事以外で時間を見つけて取り組む必要があり、効率のよい勉強が必要です。
④高齢の方・小中学生
会社を定年退職した後、第二の人生を歩むためにお金の勉強を始める人も多くいます。
他にも自営業を始めるために簿記3級を受験する方もいます。
また、小中学生で簿記3級に合格する人はほとんどいません。
難易度が大学生・社会人レベルに設定されているためです。
しかし、過去には小学生が簿記3級に合格した例もあります。
最年少合格者は12歳と発表されています。
まとめ
簿記3級は、資格初心者でも挑戦しやすい資格だと分かりました。
就職やキャリアアップにつながる可能性も高く人気の資格です。
今後、簿記3級を目指す方は、ぜひ参考にしてください。