簿記3級に合格するための勉強時間は?スケジュール例・勉強のコツも紹介

「簿記」は、税理士や公認会計士を目指すための登竜門として取得する方が多い資格です。
企業における経理や会計の分野に役立つ知識を習得できるため、就職や転職にも有利に働くとされています。

簿記検定には「日商簿記検定」「全経簿記能力検定」「全商簿記検定」の3種類があり、もっとも有名なのが「日商簿記検定」です。
難易度に応じて4段階のレベルに分けられていますが、なかでも比較的取得しやすく、基礎知識を習得できるレベルとされているのが「簿記3級」です。

今回は、簿記3級に合格するために必要になる勉強時間の目安や、スケジュール設定の例、効率よく勉強するためのコツなどを紹介します。

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簿記3級の勉強時間は約100時間が目安

簿記3級の勉強時間は約100時間が目安

簿記3級に合格するために必要とされている勉強時間の目安は、約100時間です。
ただし、独学で勉強するか、資格講座を受講するかによってその時間は大きく変わります。
理解度や予備知識によって必要な勉強時間は変わるため、あくまでも目安としてお考え下さい。

独学であれば約120~140時間

簿記3級を独学で勉強する場合、約120〜140時間の勉強時間が必要とされています。

簿記3級 独学の勉強例
1.参考書を読みこむ(70時間)
2.過去問題を解いて、間違った問題の復習(50~70時間)
3.予想問題にチャレンジ(30時間)

独学で勉強する人は、最初に参考書を読み終えてから、問題と復習を繰り返すといった勉強が必要です。
参考書を理解する前に過去問題を解くと、ハードルが高いと感じ、挫折してしまう可能性があるためです。
過去問題や予想問題を解く時間を増やすほど、より深く知識が定着しやすくなります。

資格講座を受けるなら約80~100時間

資格講座を受講する方は、独学よりも短い勉強時間で合格を目指せます。
講座の内容によって異なりますが、勉強時間の目安は約80〜100時間です。
独学よりも約2〜4割の勉強時間を削減できます。

簿記3級 資格講座を受講する場合の勉強例
1.資格内容の講座
2.まとめ講座
3.過去問題 プレ試験

資格講座を受ける場合は、講師による解説があるため、疑問点をスピーディに解消しやすいといった利点があります。
分からないことをその場で教えてもらえるため、一人では勉強が進まない人でもモチベーションを維持しやすくなります。

自分のペースでスケジュールを設計する

自分のペースでスケジュールを設計する

簿記3級に合格するまでの標準的な勉強期間は、1〜2ヶ月ほどとされています。
勉強のペースによって変わりますが、短期間で集中して勉強する場合には、2週間〜1ヶ月ほどで取得できる場合もあります。

ここからは、合格するまでの期間に応じた、勉強スケジュールの例を紹介します。

2週間で合格したい人のスケジュール例

2週間という短い期間で合格を目指すためには、1日のうち多くの時間を勉強に充てる必要があります。
2週間の勉強スケジュール例は、以下のとおりです。

2週間で合格を目指すスケジュール
1.テキストを読み込む(1週間)
2.過去問題を解き、復習する(4日間)
3.予想問題を解く(3日間)

このスケジュールでは、1日あたり9時間以上の勉強時間を確保する必要があります。
短い時間で内容を理解する必要がありますが、学んだことを忘れにくくなるため、復習に充てる時間を少なくできます。

1ヶ月で合格したい人のスケジュール例

1日の勉強時間を5〜6時間ほど確保できる場合は、1ヶ月で合格を目指すこともできます。

1ヶ月で合格を目指すスケジュール
1.テキストを読み込む(2週間)
2.過去問題に挑戦(1週間)
3.予想問題を解く(1週間)

2週間で合格を目指すスケジュールと比べると、余裕を持って勉強に取り組めます。
ただし、学生や社会人の場合は、私生活のうち多くの時間を勉強に割かなければなりません。

3ヶ月で合格したい人のスケジュール例

学業や仕事に忙しく、1日1〜2時間しか勉強時間を確保できない人は、3ヶ月の合格を目指してみてください。

3ヶ月で合格を目指すスケジュール
1.テキストを読み込む(1ヶ月半)
2.過去問題に挑戦(1ヶ月)
3.予想問題を解く(2週間)

テキストを読んで内容を詳しく理解することで、記憶だけに頼らず知識が定着しやすくなります。
さまざまな過去問題に触れることで、問題の読解力や解法のコツが身に付き、習熟度を高められます。
前回の勉強から時間が空いてしまう場合は、こまめに復習を挟むことも重要です。

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簿記3級の勉強時間を短くする方法

簿記3級の勉強時間を短くする方法

勉強時間を短くするには、効率のよい勉強方法を取り入れる必要があります。
ここからは、効率的な勉強方法についてご紹介します。

集中しやすい時間帯に勉強する

朝起きてから2〜3時間は、人間の集中力がもっとも高い時間帯とされています。
そのため、朝の時間帯に新しい知識を習得したり、計算式を解いたりといった脳を使う科目を勉強すると有効です。
また、夜寝る前の時間帯については、暗記の時間に適しています。
時間帯に合わせて、勉強する内容を工夫すると効率的です。

簿記の参考書を音読して、録音した音声を聴く

参考書を音読して録音しておくと、移動時間や休憩時間に音声を聴きながら勉強できるようになります。
通学・通勤のスキマ時間に効率的に知識をインプットできるため、1日のうちにまとまった勉強時間を確保できない方に適しています。
何度も繰り返し聴くことで、内容を記憶しやすくなります。

簿記の参考書を何度も読み返す

暗記を必要とする項目は、参考書を何度も読み返すと内容が定着しやすくなります。
何度も読むうちに、「どのページにどのような内容が書かれているか」といった細かいポイントを覚えやすくなるため、試験中にど忘れしてしまうのを防げます。

少ない勉強時間を積み重ねる

1日の勉強時間をまとめて取れない人は、少ない時間を積み重ねる方法もあります。
外出するときに参考書を持ち歩く、スキマ時間に活用できるスマートフォンアプリを導入するなど、時間を有効活用できる勉強方法を取り入れることが大切です。

簿記の勉強仲間を作る

勉強中のモチベーション維持において、一緒に勉強する仲間の存在はとても大切です。
仲間と一緒に勉強することで、解らない部分を教え合ったり、進捗状況を共有してスケジュールを見直したりと、切磋琢磨できる環境を構築できます。

周りに資格を受ける人がいない時は、資格講座を受講することもひとつの手です。
合格を目指す仲間がいることで、競争意識が生まれ、より積極的に勉強に取り組めるようになるといった効果が期待できます。

最初に勉強時間を決める

「17時から21時まで勉強する」といったように、勉強に充てる時間を決めることで、集中力の向上が期待できます。
長時間の勉強を続けていると、集中力が切れてしまい、勉強ペースが落ちてしまったり、覚えたことをすぐ忘れてしまったりすることがあります。
勉強する前に時間を決めておくことで、対策範囲を絞りやすくなり、効率的に勉強を進められます。

得意分野を先に習得し、苦手分野に時間をかける

苦手な分野が出てきた時に、そのまま悩み続けることは効率的といえません。
最初にテキストを読み終えたあとは、苦手分野に絞って復習して、問題集を繰り返しとくことが有効です。
苦手分野に重点的に時間を充てることで、効率的・網羅的に知識が身に付き、トータルの勉強時間を短くできることがあります。

学習環境を整える

効率よく勉強するためには、学習環境を整えることも大切です。
以下のような学習環境では、集中力が保てなくなってしまいます。

効率が下がる学習環境
・テレビや携帯が近くにある
・学習する机が汚い
・姿勢が悪い
・眠気があるまま、無理に勉強する

近くにテレビや携帯電話があると、映像や音によって集中力が途切れやすくなります。
学習する机にモノが散乱していると、学習意欲の低下にもつながりかねません。
集中力を維持して効率的に勉強するには、テレビやスマートフォンが近くにない場所を選び、机の上を整理整頓することが大切です。
また、勉強のときの姿勢をなるべくよく保つ、眠気があるときは休息をとって脳をリフレッシュすることも効果的です。

簿記3級の肝は仕訳と勘定科目

簿記3級の肝は仕訳と勘定科目

簿記3級を受ける際、必ず対策しておくべき科目に「仕訳」と「勘定科目」が挙げられます。
それぞれ、どのような内容か解説します。

「仕訳」と「勘定科目」

  1. 仕訳とは
  2. 勘定科目とは

仕訳とは

仕訳とは、業務上の取引を「勘定科目」を使って記録する作業です。
企業では、経理の担当者がこの業務を担っており、指定された勘定科目を使って正確に記載することが求められます。
貸借対照表や損益計算書などを作成する際に必要な知識になります。

勘定科目とは

勘定科目とは、企業の取引を帳簿に記入するときに用いる分類項目です。
企業の勘定科目のグループは大きく分けて5種類(資産・負債・純資産・収益・費用)があり、行われた取引によって正しく使い分ける必要があります。
簿記3級の試験では、勘定科目の使い分けや帳簿記入に関する問題が出題されるため、仕分けの違いを理解したうえで、問題集で解き方を覚えておくことが重要です。

簿記3級におけるテキスト・アプリの選び方

簿記3級における テキスト・アプリの選び方

簿記3級を独学で勉強する人は、テキストやアプリを活用するのが有効です。
ここからは、テキストやアプリの選び方について解説します。

値段だけで決めない

値段が安いといった理由だけで、テキストを決めてはいけません。
テキストの内容が充実していても、文字が小さくモノクロだったり、専門用語が多く解説を理解しにくかったりといった可能性があります。
初めて簿記を勉強する方は、読みやすい文章になっているか、初心者向けの易しい解説が記載されているかなどを確認することが重要です。

イラストの多いテキストを選ぶ

テキスト内にイラストや図が多く載っているものを選ぶと、視覚的に理解しやすく、記憶しやすいといった利点があります。
文面だけで読み込むよりも理解のスピードが高まるため、イラストや図が豊富に使われているテキストを選ぶのが有効です。
初めて簿記を勉強する人には、カラー印刷のテキストや、キャラクターが授業形式で解説しているようなテキストも人気です。

試験で使えるテクニックは載っているかを確認する

簿記3級の試験では、帳簿記入や感情記入、試算表作成、清算表作成など、実践的な記入・計算問題も多く出題されます。
限られた試験時間で解答していくために、試験中に活用できる記帳・計算テクニックなどを学んでおくと便利です。
テキスト内に、記帳や計算といった解き方のテクニックが盛り込まれているものを選ぶと、知識だけでなく実践力を身に付けられます。

問題集が盛り込んであるテキストを選ぶ

簿記3級の試験対策では、問題集を繰り返し解いて、出題形式に慣れることが重要とされています。
チェック問題や演習問題が記載されたテキストを選ぶと、効率的に復習を行えるようになります。
テキストを読み進めながら問題集を解き、覚えた範囲を定期的に振り返って復習すると、知識が定着しやすくなります。

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まとめ

まとめ

簿記3級は、初心者でも挑戦しやすい資格です。
合格するためには、約1〜2ヶ月程度の勉強が必要とされていますが、独学と講座に通う場合では習得スピードが異なります。
自分の生活リズムや性格に合わせて、モチベーションを維持しやすく、効率よく勉強できる方法を選ぶことが重要です。

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