公務員試験の難易度ランキング一覧まとめ【偏差値別・倍率別】

  • 2022年11月30日
  • 2023年11月7日
  • 公務員

「公務員になりたいけれどどの職種を選んだら良いのかわからない」

「公務員の職種の中でも難易度が高いのはどれ?」

安定したイメージから人気を誇る公務員ですが、種類が多く、職種選びに悩む人もいるでしょう。

この記事を読めば、公務員試験の難易度を職種別に知ることができます。

公務員の難易度は職種によっても異なるため、受験前にチェックしておくべきポイントでもあります。

この記事では、公務員の違いについて説明し、偏差値・倍率別に難易度をランキング形式で紹介します。

公務員試験に合格するための勉強方法についても解説するので、公務員を目指そうと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

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公務員の難易度の違いを大まかに解説

公務員の難易度の違い

ひとくちに「公務員」といっても、「国家公務員」「地方公務員」の2種類があります。

一般的には「国家公務員」のほうが難易度は高いです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

国家公務員と地方公務員の難易度の違い

行政機関 仕事内容 試験難易度
国家公務員 国(中央官庁) ・政策や法令の立案
・予算調整や執行
・国会対応
難しい
地方公務員 地方自治体(県庁・市役所) ・福祉や教育、産業復興 上級・中級・初級の3段階

国家公務員の場合は人事院が実施する試験で、総合職と一般職に分かれており、難易度が高い試験です。

一方、地方公務員の場合は各地の地方公共団体が実施する試験となっており、難易度は上級・中級・初級の3段階に分かれています。

国家公務員と地方公務員の違いは、所属する行政機関が「国」なのか「地方自治体」なのかです。

国家公務員は国に所属しており、中央官庁やその出先機関で働きます。

国家機関の運営に携わる仕事がメインで、政策や法令の立案、政策実現のための予算調整や執行、国会対応、国民に向けた行政サービスなどを行います。

一方、地方公務員の所属先は地方自治体で、県庁や市役所で働いている公務員のことを意味しています。

地方公務員は住民の要望に応えるような働きがメインで、福祉や教育、産業復興など地域に密着した仕事内容の担当です。

国家公務員の難易度の違い

難易度 試験内容
総合職(国家公務員) 高い ・筆記試験、面接・論文、官庁訪問
一般職(国家公務員) 低い ・上級・中級・初級の3段階
・筆記試験、面接・論文

国に所属し、国家機関の運営に関係する仕事を担当する国家公務員には、先述した通り「総合職」と「一般職」があります。

総合職は官僚として国家機関の中心となって運営などを行います。

そのため公務員の中でも非常に難易度が高い試験として知られており、いわゆるエリートという立ち位置と考えて良いでしょう。

試験の形式は、筆記試験の1次試験、面接や論文の2次試験、最後に官庁訪問で面接があります。

これらを通過した場合に国家総合職として内定をもらうことが可能です。

一方、一般職は国家機関の運営にまつわる事務を行うことが多く、総合職のサポート的な役割も担っています。

総合職より難易度は劣るものの、公務員の中では比較的難しいとされる分野に分類されるでしょう。

また、試験の難易度は上級・中級・初級で分かれており、試験内容は筆記試験の1次試験、面接や論文の2次試験という2段階になっています。

地方公務員の難易度の違い

地方自治体に所属し、地域の住民のために働く地方公務員は、「専門職」や「技術職」、「公安職」「福祉職」「心理職」といった専門的な分野に分けられます。

専門職は法律系の仕事が多く、法務省専門職員や国税専門官、外務省専門職員などの職種がこれに当てはまります。

技術職は理系の公務員として認識されることが多く、建築や機械、電気、化学などの分野に分かれた内容の仕事を請け負っています。

心理職は法務省矯正局や家庭裁判所調査官など、心理学を活用して働く職種のことです。

試験の専門科目に心理学が出題されます。

福祉職は、児童相談所や福祉事務所などで指導員や相談員として働く職種です。

この職種の受験を受けるためには、社会福祉士や児童相談員などの資格が必要になるのも1つの特徴でしょう。

公安職は、刑務官や公安調査官、警察官などが該当します。主に治安を維持する目的で働くことが多いです。

また、地方公務員試験は、上級・中級・初級で難易度ごとに区別されており、それぞれ難易度は以下のように分けられます。

難易度の区分 該当する学力の目安
上級 大学卒業程度
中級 短大・専門学校卒業程度
初級 高等学校卒業程度

初級・中級では各出先機関で働くことが多いですが、上級の場合は本庁に配属される可能性が高いです。

とはいえ、上級でも本庁と各出先機関で異動を繰り返すように働くのが基本的なスタイルとなっています。

【偏差値別】公務員の難易度ランキング

【偏差値別】公務員の難易度ランキング

ここからは実際に公務員の難易度をランキング形式で見ていきましょう。

公務員になるためには筆記試験や面接試験、論文などの試験に合格しなくてはなりません。

ここでは、試験の偏差値順に公務員の難易度を紹介していきます。

気になる職種や希望している職種の難易度がどのくらいなのかチェックしてみてください。

偏差値70以上の公務員ランキング

偏差値70以上の公務員ランキングは以下の通りです。

偏差値 職種
77 国家公務員(総合職)
75 自衛官等採用試験 自衛官幹部候補生(一般・技術・歯科・薬剤科)海空陸
75 自衛官等採用試験 海上自衛隊技術海上幹部
73 裁判所事務官・衆議院事務局職員(総合職・一般職)
72 国立国会図書館職員(総合職・一般職)
70 外務省専門職員・国会議員政策担当秘書

引用:資格の取り方

最も難易度が高いとされる偏差値70以上の公務員は、総合職の傾向にあります。

国家公務員総合職の中でも、外務省はトップクラスで難易度が高いとされており、外務省は英語力も求められます。

これらの職種は独学で合格するのは非常に難しいため、予備校や通信講座を利用するのがおすすめです。

偏差値65〜69の公務員ランキング

偏差値65〜69の公務員ランキングは以下の通りです。

偏差値 職種
69 衆議院/参議院法制局職員総合職
67 入国警備官
66 財務専門官
65 防衛省専門職員(語学職・国際関係職)

引用:資格の取り方

偏差値66〜69もかなり難関に位置しており、独学で合格するのはまだ難しい範囲です。

このあたりを目指す場合も予備校や通信講座の利用をおすすめします。

偏差値60〜64の公務員ランキング

偏差値60〜64の公務員ランキングは以下の通りです。

偏差値 職種
64 国税専門官
63 国家公務員(一般職)・都道府県職員 大卒
61 労働基準監督官

引用:資格の取り方

偏差値60〜64になってくると、一般職も多く参入してきています。

専門的な分野に強い職種がランクインしており、専門性を求められる傾向にあります。

専門的な知識がない状態からのスタートの場合は、予備校や通信講座を使った方が賢明といえるでしょう。

偏差値55〜59の公務員ランキング

偏差値55〜59の公務員ランキングは以下の通りです。

偏差値 職種
59 職員採用試験
58 食品衛生監視員

引用:資格の取り方

このあたりの偏差値であれば、難関大学出身者でなくても狙える範囲です。

独学の場合は勉強時間を多くとらなくてはなりませんが、不可能ではないでしょう。

とはいえ、法律や経済にまつわる分野の出題が多い傾向にあるため、専門性も多少なりとも求められます。

偏差値50〜54の公務員ランキング

偏差値50〜54の公務員ランキングは以下の通りです。

偏差値 職種
54 都道府県職員 短大卒・警視庁警察官I類
53 刑務官
52 税務職員・国立国会図書館職員 一般職(高卒)
50 警察官

引用:資格の取り方

偏差値50〜54は、一般的な大学卒業程度の学力があれば合格できるラインです。

短大や高卒程度の学力が求められている職種もランクインしているので、比較的狙いやすい職種だといえます。

ただ、これらの職種は人気があり、他の受験者との競争が激しいのが現状です。

筆記試験だけでなく、面接試験や論文など他の受験者との違いをアピールできる場を大いに活用していきましょう。

偏差値49以下の公務員ランキング

偏差値49以下の公務員ランキングは以下の通りです。

偏差値 職種
49 衆議院事務局職員(総合職・一般職)
48 都道府県職員 高卒
45 警視庁警察官Ⅲ類・交通巡視員
36 自衛官等採用試験 自衛官候補生(男子・女子)海空陸
不明 保護司・司書教諭

引用:資格の取り方

この辺りの職種は対策をしっかり行えば合格できる傾向にあります。

試験の難易度は低めで、一般教養のみの試験で受験できる職種等もランクインします。

ただ、離職率が高い職種も多いため、合格してから何をしたいのかなど将来のビジョンを持って臨むことをおすすめします。

【合格倍率別】公務員の難易度ランキング

【合格倍率別】公務員の難易度ランキング

公務員といっても職種によって偏差値にばらつきが出ることがわかりました。

上位にランクインしている職種の難易度は非常に高く、トップクラスの民間企業に匹敵すると言われています。

次は、合格倍率別の公務員の難易度ランキングを見ていきましょう。

大学卒・大学院卒程度の国家試験と、高卒程度の国家試験に分けて解説していきます。

大学卒・大学院卒の場合の公務員ランキング

大学卒・大学院卒程度の主な公務員試験のランキングは以下のとおりです。

職種 倍率
1位:皇宮護衛官 37.3倍
2位:総合職試験(大卒程度) 10.9倍
3位:海上保安官 9.9倍
4位:労働基準監督官 6.3倍
5位:法務省専門職員 4.3倍
6位:財務専門官 4.0倍
7位:食品衛生監視員 3.9倍
8位:国税専門官 3.6倍

引用:人事院 2022年度専門職試験実施結果・合格者の状況

引用:人事院 2022年度総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)試験の区分別実施結果

人気のある職種は少なくとも3倍以上の倍率があることがわかります。

国家総合職など難易度が高い職種もランクインしていますが、難易度とは関係なくランクインしている職種もあり、偏差値と倍率に関係性はあまりないといって良いでしょう。

このあたりの職種を狙う場合は、早い段階から準備をするだけでなく、面接試験や論文で差をつけられるように対策することをおすすめします。

他の職種も倍率2倍は見受けられたので、どんな試験であっても気を抜かずしっかり対策しましょう。

高卒の場合の公務員ランキング

高卒程度の主な公務員試験のランキングは以下の通りです。

職種 倍率
1位:国家一般職(社会人経験) 25.1倍
2位:皇宮護衛官(高卒) 24.1倍
3位:気象大学校学生 13.1倍
4位:入国警備官 11.2倍
5位:海上保安大学校学生 6.3倍

引用:資格Times 【種類別】公務員の難易度ランキング一覧|職種別の偏差値や合格率を紹介!

※公的な資料が見つかりませんでした。申し訳ありません。

1位には国家一般職がランクインし、大学卒・大学院卒程度と同じく皇宮護衛官が2位にランクイン。

いずれも高い人気を誇る職種であることがわかります。

また、大学卒・大学院卒程度と異なり、大学校生も上位にランクインしているのが特徴です。

大学校とは、文部科学省監督の大学と異なり、その他の省庁が監督している学校を指しています。

国が運営している学校であり、学生の身分でありながら国家公務員として扱われるだけでなく、給与も支払われます。

高校を卒業した後の進路として魅力的なのも納得がいくのではないでしょうか。

公務員試験を合格するための勉強方法5つ

公務員試験を合格するための勉強方法5つ

ここまでランキングを見てきましたが、難易度の高さと偏差値の高さは必ずしも比例するわけではありません。

ただ、国家総合職や国家一般職は難易度が高いものの、かなりの人気を誇っていることがわかりました。

とはいえ、難易度が高くても低くても、試験に合格するためには効率の良い勉強方法を取り入れることが重要です。

ここからは、公務員試験に合格するために勉強するコツや方法について解説していきます。

難易度や偏差値、倍率を見た上で勉強しようと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

1.出題数の多い科目を優先的に勉強する

公務員試験は出題科目が多く、出題範囲が広い傾向にあります。

そのため、希望する職種の試験で出題される数が多い科目を優先的に勉強するのがおすすめです。

例えば、教養科目であれば数的処理や文章理解、専門科目であれば憲法や民法など法律関係が多くなります。

公務員試験の1次試験である筆記試験を取りこぼさないためにも、得点源となる科目を中心に勉強していきましょう。

2.具体的なスケジュールを組む

出題数が多い科目が把握できたら、受験までの具体的な勉強スケジュールを組みましょう。

出題される科目を満遍なく対策するには計画的に進めていくほかありません。

勉強を始める時期は、受験から1年〜2年前が一般的で、早い段階で全ての受験科目を網羅できるようにしておきましょう。

もし、自分でスケジュールを決めるのが難しいという場合は、予備校や通信講座を利用してみるのもおすすめです。

予備校や通信講座の場合はすでにカリキュラムが組まれている場合が多いので、それに合わせて勉強を進めていけばOKです。

3.過去問で試験の傾向を知っておく

公務員試験では、過去問と似たような問題が出題されることが多いです。

そのため、過去問を解いて受験する職種の出題傾向や重要なポイントを絞ることが可能です。

より効率を求めるのであれば、先に過去問に目を通して、傾向や重要そうな内容を把握してから基礎や知識をつけていきましょう。

基礎や知識科目を勉強している時も、メリハリがつけられるので、身につきやすいというメリットもあります。

4.時間を測って問題に取り組む

公務員試験は出題量が多く、時間が足らなくて最後まで解ききれなかったという声もあります。

そうならないために、普段から時間を測って問題に取り組んでみることをおすすめします。

どれくらい問題に時間がかかっているのか、どのように配分したら時間内に解き切ることができるのかを考える手がかりになるからです。

ただ、受験する職種によって、出題される問題数や解答時間は異なるので、試験形態がどうなっているのか事前に確認しておきましょう。

5.隙間時間をうまく活用する

前にも述べた通り、公務員試験は出題範囲が広く出題科目が多いため、効率良く勉強を進めていくことが非常に重要です。

そのため、まとまった勉強時間を確保するだけでなく、移動時間や休憩時間などの隙間時間を活用していきましょう。

例えば、通勤時間は電車の中で知識科目を勉強したり、学校の休み時間に一問一答で定着率を確認したりする方法がおすすめです。

短時間の学習時間になるため、文章問題や論文はおすすめできませんが、知識科目や暗記科目を勉強するのに最適な時間だといえます。

忙しい人や効率良く勉強したい人は、自分のライフスタイルを見直して、隙間時間を勉強に使ってみてください。

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公務員の難易度にまつわるよくある質問5つ

最後に公務員の難易度にまつわるよくある質問をチェックしましょう。

公務員を目指そうとしている人は、ぜひ参考にしてみてください。

1.簡単になれる職種はある?

結論から言うと、簡単になれる職種はありません。

公務員のどの職種を選んだとしても、公務員試験は受けなくてはなりませんし、そのための勉強も必要です。

公務員試験に合格するには、おおよそ1年〜2年の準備期間が必要とされているため、どの職種でもその程度の時間を要すると考えておきましょう。

とはいえ、公務員の職種によって難易度や倍率に差があるのも事実です。

受かりやすさを重視するのであれば、難易度や倍率が低い職種を選ぶのもアリです。

しかし、公務員試験は受かって終わりではないため、合格して就職した後のことも考えて職種を選ぶようにしましょう。

2.難易度が高い公務員試験でも独学で学べる?

難易度が高い公務員試験を受験する場合でも、独学での合格が不可能とはいえません。

しかし、独学で勉強を進めるのはかなり困難であることは確かです。

専門性が高い知識を問われたり、広い出題範囲を網羅しなくてはならなかったり、論文や面接対策がしづらいことが理由として考えられます。

どうしても難易度が高い公務員試験の合格を目指したいのであれば、予備校や通信講座の受講がおすすめです。

資料請求や体験から始められるところが多いので、まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか。

3.高卒と大卒で公務員試験の難易度は異なる?

大卒程度の場合は、高卒程度よりも高い学力が求められる傾向にあります。

試験内容も高度で学習範囲も広いのが特徴です。

以下の表は国家公務員試験一般職(行政区分)の試験科目を比べたものです。

区分 試験科目
高卒程度 一般教養試験・作文
大卒程度 一般教養試験・論文・専門試験

ここでいう専門試験は、法律や経済、政治にまつわる内容であり、幅広い科目であることから、勉強量が倍以上になることが予想されます。

4.過去問はどこでチェックする?

公務員試験の過去問を入手する方法は以下のようなものがあります。

  1. 国家公務員試験の場合は人事院開示請求電子申請システム窓口から申請する
  2. 地方公務員試験の場合は入手したい自治体のホームページや採用部に問い合わせする
  3. 過去問がセットになった問題集等を購入する

問題集を購入する以外の方法は時間がかかる上、全問開示しているとは限りません。

問題を解くために使いたいのであれば、問題集を利用するのが良いでしょう。

5.試験を合格するのに必要な勉強時間はどのくらい?

公務員試験に合格するために必要な勉強時間は、800時間〜1,000時間程度、期間にすると1年〜2年ほどといわれています。

予備校や通信講座を利用するかどうか、受験する職種は何かにもよりますが、1日4時間程度の勉強が必要になると考えておきましょう。

公務員試験の難易度と倍率は必ずしも比例しない

公務員試験の難易度を、偏差値と倍率でみてきましたが、この2つの間に密接な関係はないようです。

しかし、国家総合職や国家一般職は偏差値・倍率ともに高い数値となっていたため、これらの試験を受ける際は特に対策を練る必要があるでしょう。

また、公務員は安定した給与と待遇が魅力的であるため、今後も高倍率が続くと予想されています。

受かりやすさを重視するのであれば、難易度や倍率に着目して職種を決めても良いでしょう。

公務員試験の合格のためにできる勉強方法なども紹介したので、これiら公務員を目指そうと思っている人はぜひ参考にしてみてください。

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