「公務員試験を受けたいけれど志望動機が決まらない」
「公務員試験の志望動機はどうやって決めれば良い?」
など公務員試験を受けようと思っている人は考えているかもしれません。
安定しているからという理由で人気がある公務員ですが、志望動機に悩んでしまう人もいることでしょう。
この記事を読めば、公務員の志望動機の作り方について把握することができます。
志望動機は書類審査だけでなく、面接でも聞かれる内容です。
近年の公務員試験では、面接など人物試験が重視されている傾向にあるため、志望動機を固めて面接対策をするのは非常に重要だといえるでしょう。
この記事では、公務員試験での志望動機の重要さや組み立て方などについて解説していきます。
公務員試験の志望動機が決まらず悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
公務員の志望動機がないのはまずい!志望動機が重要な2つの理由
公務員は安定性や福利厚生の充実度から人気を集めている職業です。
しかし、公務員を志望している人の中には、それ以外の志望動機が見つからないと悩んでいる人もいるでしょう。
まずは公務員試験における志望動機の重要さをチェックしていきましょう。
公務員の面接は履歴書がベースになる
一般的な公務員試験の流れは以下の通りです。
- 履歴書や職務経歴書など必要書類を提出する
- 筆記試験を行う
- 面接やディスカッションを行う
- 内定をもらう
面接が行われるのは最後の試験であるため、書類提出の時点で当たり障りのない志望動機を書いてしまいがちです。
そうなると、面接時に矛盾が生じたり他の受験生と差が生まれない面接内容になってしまったりするでしょう。
公務員の面接では、提出した書類をベースに面接が進んでいくため、適当な理由で書類作成してしまうと、合格につながりません。
不合格にならないためにも、書類提出時点で志望動機を固めておく必要があります。
面接での受け答えを想定しながら書類作成をするよう意識しましょう。
採用時に筆記試験以外を重視する自治体が増えている
冒頭でも述べた通り、採用時に面接などの人物採用試験を重要視する自治体が増えてきています。
そのため、筆記試験だけでなく面接対策にも力を入れなくてはなりません。
公務員の採用にあたって、コミュニケーション能力や協調性の有無、問題行動を起こさない人物かどうかなどをチェックされます。
面接対策の第一歩として、志望動機を固めることから始めていきましょう。
公務員の志望動機を作るために事前にやっておくべきこと
公務員試験において、志望動機を固めることが非常に重要であることがわかりました。
ここからは公務員試験の志望動機を作るためにまず初めにやっておくべきことについて解説していきます。
志望動機の作成で迷っている場合は、以下のことから始めてみましょう。
ホームページなどで自治体について調べる
まずは自分の志望する自治体などについて情報収集を行いましょう。
自治体や地域によって状況ややること、やっている施策などが異なるため、情報を集めて公務員としてどう貢献できるかどうかを考えていくことが重要です。
情報収集の方法としては、希望する自治体や地域のホームページや発行している新聞などをチェックしてください。
また、希望する自治体や地域への理解を深めるだけでなく、他の自治体との比較などをおこなっておくのもおすすめです。
比較することで、良い点や改善点を見つけ、自分なりの意見につなげましょう。
面接で話しやすいことを前提に考える
先述した通り、面接は履歴書など提出した書類をベースに行われます。
そのため、書類を作成する段階で、面接で聞かれて答えられる内容かどうかを意識する必要があります。
面接では想定外の質問をされる場合もありますが、公務員試験の面接試験では、ある程度予測を立てて対策することが可能です。
聞かれたい質問や深い回答ができるような内容を全面的に押し出せるような、志望動機を考えておきましょう。
派生しそうな質問についても対策を練っておきましょう。
自分らしさや個性をアピールできるように組み立てる
公務員は人気がある職業であるため、受験者が多い傾向にあります。
他の受験者と差をつけるためにも、自分らしさをアピールできるような内容の志望動機を組み立てましょう。
当たり障りのない内容では面接官に興味を持ってもらえず、平凡な印象を与えてしまいます。
自分だけの経験や価値観などを取り入れて、個性的な志望動機を作りましょう。
過度な体験談や嘘を盛り込むことはNGですが、珍しい経験などは積極的に取り入れていくと良いでしょう。
公務員の志望動機を作るために考えておきたい項目5つ
志望動機を作る前の準備が完了したら、志望動機を作るために考えておきたい項目についてみていきましょう。
自己分析のためにも1つ1つ質問を深堀していきましょう。
1.なぜ公務員に興味があるのか
どうして公務員に興味があるのかを明確にしましょう。
どんな点に惹かれたのか、将来はどんなふうに貢献したいのかなどを考えていきましょう。
また、民間企業ではなく公務員として働きたい理由についても明確にしておくことをおすすめします。
書類提出の段階で問われる可能性が低くても、面接の時に民間企業ではなく公務員を選んだ理由について聞かれるかもしれません。
この時、民間企業のデメリットを述べて蹴落とすような内容にはしないよう気をつけてください。
あくまで比較した上で、公務員に魅力を感じた理由について述べるようにしましょう。
2.なぜその自治体を志望しているのか
ひとくちに公務員と言っても、国家公務員や市役所、県庁など働く場所はさまざまです。
そのため、複数ある公務員の中でどうしてこの職種を選んだのかについても深掘りする必要があります。
希望する職種を選んだ理由についてはっきり述べられない場合、「単に公務員として働きたいだけ」と捉えられてしまうかもしれません。
3.今までの経験をどう活かせるのか
高校や大学で学んできたことや経験したきたことを、公務員になった場合にどう活かせるのかについても考えておきましょう。
以下のようなことを志望動機として盛り込むと良いでしょう。
- 国や自治体にどう貢献したいのか
- 今までの経験でどんなスキルが身についたのか
- 課題を感じている政策とそれに対する解決方法はなにか
- 自分ができるスキルや知識などアピールポイントはなにか
自分独自の経験談を話し、得られたスキルや知識を述べ、それらが何にどう活かせるのか、具体的に述べるように組み立てましょう。
ただ、志望動機はあくまでも志望先を選んだ理由を答える場面なので、経験の詳細まで長々と語る必要はありません。
できるだけ簡潔に話すように意識しておきましょう。
志望動機に盛り込むことが難しければ、深掘りされた場合や自己PRなどで話すために用意しておいても良いかもしれません。
4.応募先の課題にどうアプローチするのか
志望動機で熱意をアピールするために、国や自治体など希望している職種が抱えている課題について触れ、自分なりのアプローチ方法を答えるのもおすすめです。
取り上げる課題はなんでも良いですが、具体的なものを選ぶと良いでしょう。
自分のスキルや経験を活かして何ができるのか、公務員として働くようになったらどんなふうに対処したいのかなどを述べましょう。
例えば、若者が都内に上京してしまうことで生産年齢人口が上がっていることが課題であるなら、若者が暮らしやすい制度を整えたり施設を整備したりするなどの対策が考えられます。
より具体的に、自分のスキルやアピールポイントとリンクさせて考えるとなお良いでしょう。
5.将来的にどんなことをしたいのか
公務員が安定していると言われる理由の1つは、リストラや給料の大幅カットがないことです。
民間企業よりも安定しており、働きやすい環境が整っているといって良いでしょう。
そのため、数年後や数十年後のキャリアを自分で描くことが大事です。
どんな仕事に就いていたいのか、どんな業務でどう活躍したいのかなどについて考えておきましょう。
将来のビジョンを明確にすることで、「安定を求めて公務員になりたいだけの人」と認識されづらくなります。
ポジティブなイメージや積極的な態度をアピールするためにも、ビジョンを明確に持つように意識してください。
公務員の志望動機で書かない方が良い項目4つ
公務員試験の志望動機では、自分らしさや仕事に積極的に取り組む姿勢をアピールする必要があります。
ここからは公務員試験の志望動機で書かない方が良い項目についてみていきましょう。
これから紹介することはネガティブな印象や公務員になりたいだけの人という印象を与えてしまう恐れがあるため、なるべく避けるようにしてください。
1.「安定」という動機は避けよう
公務員を「安定しているから」という理由で目指している人は少なくないでしょう。
しかし、安定を理由に志望動機を組み立てるのはNGです。
面接官の立場としては、国や国民のために一緒に貢献できる人を探しているため、安定というメリットのみを理由に就職したいと思っている人を採用したいとは考えてません。
そのため、安定しているからと志望した場合であっても、他の理由を見つける必要があります。
公務員という仕事に出会ったきっかけや就職したら役立ちそうなスキルなどについて考えてみてください。
2.事実と異なることを盛り込む
書類審査や面接で、自分をよく見せたいからという理由で、嘘をついたり見栄を張った内容を盛り込んだりするのはやめましょう。
選考段階でバレなかったとしても、就職してからバレた場合、左遷や解雇になる可能性もあります。
また、面接官はさまざまな人を見てきているため、嘘がバレることもあるでしょう。
面接では深く掘り下げるような質問が投げられることもあり、上部だけの志望動機ではうまく切り抜けられません。
嘘をつかず、ありのままの自分の体験談やスキルを伝えるようにしてください。
3.地元への恩返しを目標にする
地元での勤務を希望している場合、地元への恩返しを目標に志望動機を組み立てようと思いつくかもしれません。
しかし、地元への恩返しを理由とした志望動機はありきたりであり、公務員にならなくてもできてしまう可能性があります。
面接官によっては、「他の志望動機が見つからなかったんだ」と捉えられてしまい、ネガティブな印象になる可能性も否定できません。
そのため、地元への恩返しの他にも志望動機を見つけておくことや、どうして公務員として恩返ししたいのか、どうやって恩返しするのかという観点からも考えを深めておきましょう。
4.やりたい仕事やビジョンを限定しすぎる
やりたい仕事や将来のビジョンを描くことは非常に大切ですが、限定的な内容にするのは避けた方が良いかもしれません。
公務員の場合、3年〜5年ごとに異動があったり、個人の適性を見て部署決定されたりします。
そのため、専門性をもったスペシャリストよりも、幅広い業務に対応できる柔軟さが求められるとも考えられます。
つまり、志望動機の段階で特定の仕事のみを希望したり、特定の部署について言及したりすると、柔軟性に欠けると判断される恐れがあるのです。
そうならないために、限定的な仕事やビジョンを提示するのではなく、公務員になってどんなことをしたいのかどう活躍したいのかなどを伝えるようにしましょう。
【例文あり】公務員の志望動機の書き方を流れでチェック
公務員試験の志望動機を作る上で考えるべきことや、書かない方が良い項目について解説してきました。
ここからは、公務員の志望動機の書き方を、流れに沿って解説していきます。
例文も一緒に紹介するので、参考までにチェックしてみてください。
1.志望動機を簡潔に述べる
まずは簡潔に志望動機を述べましょう。
志望動機は、どうして公務員として働きたいのかについて問う設問であるため、それに対する答えを初めに述べましょう。
結論から伝えることで、相手に伝わりやすい構成になります。
例文:〇〇という取り組みから、〇〇という地域のことを知り、興味を持ったのが志望のきっかけです。
どうして志望しているのかが明確かつ簡潔にわかりやすい文章を作りましょう。
2.公務員を志望した理由を具体的に述べる
次にどうして公務員を志望しているのかについて述べましょう。
一般的に就職活動では、民間企業か公務員かを選択するはずです。
その過程を気にする面接官は多く、この理由を明確にしておくことで志望度が高いことを伝えられます。
ここでは、自分の体験や価値観を絡めて理由を伝えると、より相手に伝わりやすい志望動機になるでしょう。
近くの公園はなくなり、緑が減っていく感覚を覚えています。
子供たちの遊び場を増やしていくために働きたいと考え、公務員として直接改善を図れるようになりたいと考えました。
過去の経験や自分の価値観を絡めて、公務員に魅力を感じた点について述べましょう。
3.過去の経験やできることを述べる
最後に、将来のビジョンや自分ができること、活かせるスキルについて述べましょう。
公務員として採用されたら、〜〜市の〜〜という政策を、〇〇市で実現することなどを目標に、さまざまな仕事に取り組んでいきたいです。
自分が何について学んでおり、スキルや知識があるのかについて触れ、それをどう活かせるのか具体的に説明しましょう。
具体的なアクションを提示することで、公務員に対する熱意が伝わります。
また、先述した通り仕事や職種を限定しすぎるのはNGです。
どんな仕事や職種でも頑張れるといった姿勢を見せておきましょう。
公務員の志望動機にまつわるQ&A
最後に、公務員の志望動機にまつわる質問についてみていきましょう。
公務員の志望動機や面接対策について疑問を持っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
面接対策は何をしたら良い?
先述した通り、公務員試験では面接など人物試験が重要視されています。
そのため、志望動機を固めるだけでなくその他の質問にも対応できるよう、面接対策を練らなくてはなりません。
しかし、独学で面接の対策をするのは難しく、模擬面接などの実施もできません。
そこでおすすめなのは通信講座や予備校に通って面接対策をしてもらうことです。
プロ目線からのアドバイスをもらえるだけでなく、志望理由を含めた書類作成の添削を受けることも可能です。
どの範囲までサポートしてもらえるかは通信講座や予備校によって異なり、展開しているコースもさまざまです。
筆記試験が不安な人は公務員試験全体をサポートしてくれるコース、面接のみ対策したい場合は面接だけのコースを選ぶと良いでしょう。
もし、自分で対策したい場合は家族や友人に模擬面接をしてもらうなど、第三者からの意見を取り入れることをおすすめします。
地元以外の公務員だと受かりにくいことはある?
地元以外の地域で公務員になりたい場合でも、不利ではありません。
理由としては、人口の減少やAIの進展など自治体は生き残りをかけて争っていく時代であるため、より優秀な人材が欲しいと自治体が考えているからです。
地元出身であるかどうかよりも、自治体にとって有益かそうでないかの方が重要なのです。
そのため、地元愛が強いことや地元に貢献したいという思いをアピールするよりも、自分のスキルや知識が自治体にどう活かせるのかをアピールした方が合格につながるでしょう。
地元以外だからと臆せず、自分ができることや将来のビジョンを具体的に伝え、自分を採用することのメリットを相手に知ってもらいましょう。
見ておくと良い資料などはある?
公務員試験の志望動機を固める際に参考になる資料は以下の3つです。
- 市役所のホームページ
- 同規模の自治体のホームページ
- 地方紙やローカルニュース
自分が希望する市のホームページに目を通すことはもちろん、希望する自治体と同じくらいの規模で運営されている自治体のホームページも見ておきましょう。
財政状況や取り組みなど違いを見ておくことで、希望する自治体の魅力的なポイントや改善点が見えてくるはずです。
比較を通じて見えてきたものを志望動機に組み込むことで、自分ならではの価値観が反映され、独自の志望動機を作ることができます。
また、希望する自治体の地方紙やローカルニュースを見ておくのも重要です。
定期的に配布される地方紙や、テレビで配信されているニュースでは、地域ならではのイベントや事業、これから行おうとしている取り組みなどを情報を仕入れることができるでしょう。
成功したものとそうでないものについてまとめ、自治体への理解を深めておくと、将来のビジョンを描く際に役立つでしょう。
地方紙やローカルニュースなどが少ない場合は、現地に赴いて実態を調査してみても良いかもしれません。
公務員の志望動機 まとめ
公務員は安定しているという理由から、長年人気を誇っている職業です。
その反面、安定している以外の志望動機が見つからないと悩んでいる人も少なくありません。
志望動機を作る際は、希望する自治体や職種についての理解を深めること、自己分析をしっかりと行うことが重要です。
他の受験者と差をつけるためにも、自分の体験談や活かせるスキル、これまでの学習で得た知識をアピールしていきましょう。
また、希望する自治体や職種の魅力的な点だけでなく短所を取り上げ、その問題に対して自分ならどう対応できるのか、どうスキルを活かせるのかを提示するのも重要です。
誰にでも共通するありきたりな理由ではなく、自分自身に興味を持ってもらえるような内容で志望動機を作り上げましょう。