中小企業診断士の受験資格とは?一次・二次試験それぞれでわかりやすく解説

キャリアアップや年収向上、転職に有利な資格を取得したい人は多いでしょう。

しかし、多くの資格は受験資格が定められていて制限があります。

ところが、「社会人がチャレンジできる最難関資格」と言われる中小企業診断士には、受験資格がありません

今回の記事では、中小企業診断士の受験資格や、一次・二次試験の詳細についてわかりやすく解説

くわえて、受験の難易度や仕事内容、勉強でおすすめの通信講座についても紹介します。

中小企業診断士とは

中小企業診断士とは

中小企業診断士とは、中小企業の経営課題の診断や助言を行う専門家です。

中小企業診断士は国家資格の中で唯一、経営コンサルタントに関わる資格です。

中小企業診断士の資格を取得すると、経営全体を幅広く診断して解決策を提案する能力が身に付きます。

日本の経済環境は厳しく、競争はますます激しくなるばかりです。

そのような状況で、中小企業はさまざまな問題を解決してくれる人材を求めています。

中小企業診断士への潜在ニーズは膨大で、これから多様なビジネスシーンで活躍していくことが期待されています。

中小企業診断士の一次試験の受験資格

中小企業診断士の一次試験の受験資格

中小企業診断士に受験資格はありません

中小企業診断士の試験は一次試験、二次試験に分かれています。

一次試験には受験資格はありませんので、いかなる学歴・年齢・性別・国籍であっても試験を受けられます

たとえば、中卒であっても受けられますし、実務経験も必要ありません。

中小企業診断士の一次試験の科目免除になる条件

中小企業診断士の一次試験の科目免除になる条件

中小企業診断士の一次試験では、科目免除という制度があります

上手に利用すれば、一次試験で受ける科目を減らしてほかの科目に集中することが可能です。

仕組みを把握して上手に利用しましょう。

科目免除とは

一次試験の科目免除とは、特定の資格や条件を満たすことで受験が必要だった科目を免除されることです。

中小企業診断士の一次試験は全部で7科目あります。

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 企業経営理論
  • 運営管理
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営・政策

一次試験では非常に広い範囲の学習が求められます。

しかし、科目免除を受けることで特定の科目を学習する必要がなくなり、ほかの科目に集中できます。

該当する資格を持つ人

以下の表に該当する資格を持つ人は、1つ~2つの科目を免除されます

資格 免除科目
大学等の経済学の教授、准教授・旧助教授(通算3年以上)、経済学博士 ・経済学・経済政策
公認会計士、公認会計士試験合格者など ・経済学・経済政策
・財務・会計
不動産鑑定士、不動産鑑定士試験合格者、不動産鑑定士補など ・経済学・経済政策
会計士補、会計士補となる有資格者 ・財務・会計
税理士など ・財務・会計
弁護士、司法試験合格者など ・財務・会計
・経営法務
技術士(情報工学部門登録者に限る)、情報工学部門に係る技術士となる資格を有する者 ・経営情報システム
ITストラテジスト、システムアーキテクト、応用情報技術者、システムアナリスト
アプリケーションエンジニア、システム監査技術者、プロジェクトマネージャ
ソフトウェア開発技術者、第一種情報処理技術者試験、情報処理システム監査
特種情報処理技術者の合格者
・経営情報システム

科目合格による免除

科目免除は資格だけが条件ではなく、一次試験で60点以上の点数を取った科目は翌年、翌々年まで科目免除が受けられます

60点以上取った科目はすべて科目免除になり、数に制限はありません。

科目免除になる科目が多ければ多いほど、翌年、翌々年の一次試験が有利になります

中小企業診断士の二次試験の受験資格

中小企業診断士の二次試験の受験資格

中小企業診断士の二次試験には以下の2つがあります。

  • 筆記試験
  • 口述試験

二次試験における筆記試験の受験資格は、一次試験に合格していることです。

中小企業診断士の試験では合格有効期限があります。

合格有効期限とは、一次試験に合格した後の2年間は二次試験の筆記試験が受けられるという期限のことです。

また、2000年以前に一次試験に合格していた人は、特例として一度だけ二次試験から受験できます。

これは、2000年に大幅な改訂で試験制度が変更されたためです。

二次試験の口述試験の受験資格は、二次試験の筆記試験に合格していることです。

口述試験は、筆記試験の合格発表後に行われます。

筆記試験を突破していないと、口述試験を受けることはできません。

中小企業診断士の受験の難易度と勉強時間

中小企業診断士の受験の難易度と勉強時間

中小企業診断士は、社会人がチャレンジできる資格の中で最難関と言われています。

ここでは、中小企業診断士の難易度と勉強時間について解説します。

受験の難易度

中小企業診断士の一次試験、二次試験を合わせた合格率は4%~8%ほどです。

一次試験の合格率が20%~40%、二次試験の合格率が20%弱となっています。

中小企業診断士の難易度を偏差値にすると、60~64になります。

もっとも取得が難しい資格は司法試験ですが、それに次ぐのが弁理士、司法書士です。

弁理士や司法書士に次いで中小企業診断士は難しい資格とされており、宅建や管理業務主任者より難易度が高くなります。

必要とされる勉強時間

中小企業診断士の試験に合格するのに必要な勉強時間は、800時間~1,000時間とされています。

1年で合格を目指すなら毎週20時間ほど勉強が必要で、1日に換算すると2時間~3時間になります。

中小企業診断士に合格した人の7割は、1年~3年の勉強期間を必要としました

1年~3年を目安にスケジュールを組み立てて、じっくりと着実に学習することが必要です。

中小企業診断士の仕事内容

中小企業診断士の仕事内容

中小企業診断士の仕事内容は以下の通りです。

  • 経営コンサルティング
  • 経営改善計画書・経営診断書を作る
  • 補助金申請代行・補助
  • 公的業務
  • セミナーやウェビナーで講演
  • 書籍の執筆

中でも経営コンサルティングは、中小企業診断士の代表的な仕事です。

経営コンサルティングは、中小企業の経営状態を診断・分析して課題を発見し、課題解決のための提案を行います

経営コンサルティングによって生産性の向上や業務の効率化、コストの削減、業績向上を目指します。

経営コンサルティングには論理的思考のほか、洞察力やコミュニケーション能力が必要です。

中小企業診断士の約5割が、経営コンサルティングをメインの仕事として行っています。

>>中小企業診断士がなくなるって本当?

中小企業診断士になるための通信講座の選び方

中小企業診断士になるには、予備校や通信講座を利用するのが近道です。

通信講座を選ぶポイントは以下の3つです。

合格実績

中小企業診断士を目指して通信講座を選ぶなら、合格実績をしっかりとチェックしましょう。

高い合格率だったり、多くの合格者が出ていたりすれば講義や教材の質が高いと考えられます。

しかし、通信講座によっては合格率や合格者数を発表していません。

その場合は、口コミや評判から判断しましょう。

以下の表で、中小企業診断士の合格実績を通信講座ごとにまとめます。

通信講座 合格実績
TAC 2020年 二次試験合格者102名
2021年 二次試験合格者200名
LEC東京リーガルマインド 公表なし
資格の大原 公表なし
クレアール 2020年 合格者の声を掲載
2021年 合格者の声を掲載
アガルートアカデミー 2021~22年 一次試験合格率72.22%
フォーサイト 2020年 一次試験合格率60%
2021年 一次試験合格率50%
スタディング 2021年 二次試験合格者132名

合格率ではフォーサイトが非常に優秀で、全国平均の合格率の1.7倍~2倍をマークしています。

また、スタディングも難しい二次試験の合格者を多く出しています。

教材や講義のわかりやすさ

中小企業診断士の勉強をするには、教材や講義のわかりやすさが必須です。

中小企業診断士の勉強範囲は非常に広いため、効率よく勉強を進めなければなりません。

そのためには、教材や講義の質が重要です。

通信講座によっては、無料の動画講座やテキスト教材のサンプルを取り寄せられるのでチェックしましょう。

また、口コミや評判も事前にチェックしておくのがおすすめです。

サポート体制の充実度

サポート体制が手厚い通信講座は、わからないところが質問できるのでとても便利です。

通信講座によってサポート体制は異なります。

無料質問や添削ができる通信講座もあれば、教材や動画講座だけでほとんど独学に近い通信講座もあります。

わからないところが質問できるかどうかによって、学習の進み具合や効率度は大きく変わるでしょう。

サポート体制が充実している通信講座は、モチベーションの維持にもつながります。

充実したサポート体制の通信講座を選びましょう。

中小企業診断士の勉強でおすすめの通信講座3選

中小企業診断士の勉強でおすすめの通信講座3選

中小企業診断士の勉強でおすすめの通信講座は以下の3つです。

それぞれの特徴や合格実績について解説します。

TAC

サービスの種類 通信講座・通学講座
エリア 全国
費用 【1・2次ストレート本科生】
280,000円
【1・2次上級本科生】
295,000
サポート体制 質問メールあり
実績 ・2020年 二次試験合格者102名
・2021年 合格者の声を掲載
特徴 ・ポイントを押さえたコンパクトなテキスト
・受験傾向を徹底的に分析
・充実したフォロー体制

TACは通信講座のほかに、通学講座も行っている資格の学校です。

動画講座はスマートフォンやタブレット、パソコンでいつでもどこでも何度でも視聴することができます

動画の再生速度を0.8倍速から2倍速まで変えられるため、自分のペースに合わせて学習することが可能。

1・2次ストレート本科生コースでは、基礎から丁寧に講義を行います。

費用は高めですが、質の高い講義を受けたい人にはTACがおすすめです。

中小企業診断士の試験にチャレンジしようと本気で取り組み始めた1年目は、書店で参考書を揃えて完全に独学スタイルでした。

一次は5科目のみの科目合格で残念な結果でした。2年目も独学スタイルを貫いて一次突破できましたが、二次の勉強開始タイミングが遅かったため敢えなく敗退となりました。

3年目は二次での独学スタイルに限界を感じ始めていましたので、背水の陣と考えてTAC二次上級本科生を受講しました。

3年かかりましたが、合格できて目の前が開けた感じがして本当に嬉しかったです。

引用元:TAC合格者の声

よく学習時間は800時間とか言われていますが、それを聞いて諦めた人はもったいないと思います。

途中から勉強はゲーム感覚になり、気がついたら自然とその程度は勉強していたかなという感覚でした

引用元:TAC合格者の声

勉強開始当時は、馴染みのなかった経営法務、経済学、財務・会計などの教科書を見て「とても合格なんて無理」といった感じでした。

それでも独学で細々と勉強を続け、得意な科目から徐々に科目合格を重ねるも、やはり苦手科目には歯が立たず。

5年目にしてTACのコースにお世話になり、何とか6年目で合格することができました

引用元:TAC合格者の声

スタディング

サービスの種類 通信講座
エリア 全国
費用 【中小企業診断士1次2次合格コース】
48,400円
【コンプリートコースQ&Aチケット10枚付】
69,300円
サポート体制 質問サポートは有料
実績 ・2021年 二次試験合格者132名
特徴 ・短期間で合格した人の勉強法を徹底研究
・コストの削減により低価格を実現
・学習マップで覚える知識を体系化

スタディングは、とてもリーズナブルに中小企業診断士の勉強ができる通信講座です。

ほかの通信講座では数十万円する中小企業診断士の講座が、スタディングでは50,000円前後で受講できます

スマートフォンやタブレットで気軽に学習できるのも、スタディングの特徴の1つです。

効率よくスキマ時間を活用できるようにするため、1講義あたり30分とちょうどよい長さになっています。

学習マップで勉強する知識が体系化されているため、全体像を把握してモチベーションを保つことができます。

リーズナブルに中小企業診断士の資格取得を目指すなら、スタディングがおすすめです。

一次試験はスタディングのみで合格できました。

(中略)

スタディングは通勤時にイヤホンで講座を聞いたり、空き時間に問題を解いたりすることができ、スキマ時間を活用できる、非常にコストパフォーマンスの高い講座だと思います。

引用元:スタディング合格者の声

全く知識のない分野が6科目あり(情報システムは資格による免除制度を利用できました)、しかも答えのわからない超難関の二次試験まで待ち構えているとあっては、独力で立ち向かうには分が悪いと判断し、スタディングの力を借りることにしました。

スタディングでの学習はとてもスムーズでした。

学習フローに身を任せてただカリキュラムをこなしているだけでよく、インプットとアウトプットのバランスが絶妙で知識をどんどん吸収しているのが実感できました。

引用元:スタディング合格者の声

一次試験に向けた勉強はほぼ「スタディング」一本で行いました。

理由は、

  • 予備校に行く資金と時間がなさそう
  • テキストを自身で購入して揃えるとかさばりそう
  • 移動時間が多い(仕事・単身赴任先と自宅の往来)ため、荷物は減らしたい、スキマ時間で学習したい

これらの条件にばっちりマッチしたからです。

というわけで2020年2月11日に一次・二次コースを購入し勉強を開始しました。

結果としてこの選択は私にとっては正解だったと思います。

引用元:スタディング合格者の声

フォーサイト

サービスの種類 通信講座
エリア 全国
費用 【バリューセット2 2023年試験対策(1次・2次試験対策)】
77,800円
サポート体制 eラーニング「ManaBun」から質問できる
実績 ・2020年 一次試験合格率60%
・2021年 一次試験合格率50%
特徴 ・eラーニング「ManaBun(マナブン)」で生活に合わせた学習スケジュール
・スキマ時間を有効活用して勉強できる
・最短8ヶ月で中小企業診断士合格を目指せる

フォーサイトは満点主義ではなく合格点主義で、短期間に資格取得を目指せることが特徴です。

テキストはフルカラーになっており、わかりやすく視覚的にも内容を把握しやすいです。

サポート体制も充実しており、eラーニング「ManaBun(マナブン)」から24時間いつでも質問を行えます

また、比較的リーズナブルに中小企業診断士の講義を受講することが可能です。

最短で中小企業診断士合格を目指すならフォーサイトがおすすめです。

アプリでスキマ時間を有効活用でき、質問に対しても迅速に対応していただきました

自分の努力も必要ですが、フォーサイトさんのおかげで基礎固めができて取りたい資格に合格することができました。

ありがとうございます。

引用元:Googleマップからの口コミ

フォーサイトの中小企業診断士講座、めっちゃ楽しい。

小嶋先生の講義もわかりやすい!!

眠くならないし、ずっと聞いてた!!

テキストがカラフルなのはちょっとなー……って思ってたけど、見慣れた。

テキストも薄いし、これならできそう!!とか思ってたら、中身が濃い!!

図書館で今日も頑張ります(笑)

引用元:Twitterからの口コミ

中小企業診断士の一次試験・二次試験を突破しよう!

中小企業診断士の受験資格はありません

どのような年齢・国籍・学歴でも中小企業診断士の一次試験を受けることができます

二次試験の受験資格は、一次試験を突破していることです。

中小企業診断士には科目免除という制度があり、60点以上を取った科目については翌年、翌々年の一次試験から免除されます。

くわえて、資格免除もありますので、科目免除を上手に利用して苦手科目に集中できます。

中小企業診断士の資格を取得して、キャリアアップや転職、年収の向上を目指しましょう。

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