「MBAは独学で学べるの?」「MBAを独学で学ぶメリットはある?」
などの疑問を持っているのではないでしょうか。
MBAを独学で取得できたら、働きながらでも無理なく勉強ができて効率的ですよね。
しかし、残念ながらMBAを取得するのは独学では不可能です。
「国内MBAの取得は諦めようか」
そう思ったあなたに朗報です。
学位を取得することはできなくても、MBA取得までの内容を独学で学ぶことはできるといえます。
この記事では、MBAはどうして独学で取得できないのかについて解説し、独学で勉強することのメリットデメリット、おすすめの勉強方法についてまとめています。
MBAの内容について独学で学びたい人や、勉強方法に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
MBAは独学で取得することは不可能!
MBAは資格試験に合格すれば取得できる資格とは異なり、「経営学修士号」のことを指しているため、独学で取得することはできません。
取得するためには、MBAについて学べる大学院やビジネススクールで勉強し、単位を取らなくてはなりません。
つまりMBA取得ができるのは、大学院の入試を突破し、大学院やビジネススクール通って課程を修了した人のみということです。
ただ、MBAを取得するために学ぶ内容を独学で勉強することはできます。
MBA受験は独学でも不可能ではないが難しい
先述した通り、MBA取得のためには大学院の入試を通過しなくてはなりません。
MBA取得は独学でできなくても、受験対策は独学でも可能なのでしょうか?
結論から言えば、独学でも入試対策をするのは不可能ではありません。
しかし、MBA大学院の入試は学校にもよりますが難易度が高い傾向にあります。
入試では経営学や英語が出題されるため、これらに苦手意識を持っている人や経営学を学んだことがない人は厳しいかもしれません。
また、受験までのスケジュール管理やモチベーション維持を自分でやらなくてはならないのも困難なポイントです。
反対に、経営学や英語が得意で、自己管理がうまくできる人であれば、受験対策を独学で行うのも無理はないでしょう。
MBAの内容を独学で学ぶメリット5つ
MBAの内容を独学で学ぶことは可能で、それにまつわるメリットは意外にもたくさんあります。
ここからはMBAの内容を独学で学ぶメリットについて詳しくみていきましょう。
費用を節約できる
MBAを取得するには多額のお金が必要です。
以下、MBAを取得する方法と平均的な学費総額についてまとめました。
取得する方法 | おおよその学費総額 |
---|---|
海外フルタイムMBA | 700万円〜2,000万円 |
国内フルタイムMBA | 120万円〜400万円 |
国内夜間MBA | 130万円〜340万円 |
オンラインMBA | 100万円〜300万円 |
<引用:グロービス経営大学院>
選ぶ大学院やビジネススクールによって差はありますが、少なくとも100万円以上の学費がかかると考えておいて良いでしょう。
このほかにも入学金や教材費、通学費用などを含めるとかなりの出費になることがわかります。
MBAの取得にはお金の余裕がなくては現実的に厳しいと言わざるを得ません。
しかし、独学であれば参考書代と文房具にかかる費用のみで学ぶことが可能です。
貯蓄がない人や出費を抑えたい人は、独学で内容を勉強するのがおすすめです。
気軽に始められる
MBAの取得には高額な費用と膨大な時間が必要になります。
仕事をしながら勉強したい人や費用が心配な人にとっては、取得するハードルが非常に高く感じられるはずです。
しかし、独学であれば費用はほとんどかからずライフスタイルに合わせて勉強できるので、勉強を始めるハードルが下がるのではないでしょうか。
仕事が忙しくなったり興味がなくなったりしても、途中で辞めることも可能です。
そのため、MBAを学んでみたいと思っているけれど一歩が踏み出せないと悩んでいる場合は、独学から始めてみるのもおすすめです。
独学で知識やスキルが身につけば良いですし、もっと学びたいと感じた場合は大学院やビジネススクールを検討するきっかけになることでしょう。
自分のペースで勉強できる
大学院やビジネススクールではあらかじめカリキュラムが組まれており、その通りに勉強を進めなくてはなりません。
単位取得のためには設定された日時に授業を受けなくてはならず、社会人として働きながら出席するのは非常に困難でしょう。
しかし、独学なら自分のペースに合わせて学習を進めることができます。
カリキュラムや単位が存在しないので、仕事や自分の都合に合わせて勉強できます。
急に予定が入ったり仕事が忙しくて時間が確保できなくても問題ありません。
また、時間が確保できる時に一気に勉強を進めるのも良いでしょう。
私生活や仕事が忙しい人にとっては大きなメリットだと考えられます。
勉強したい分野だけ学べる
先述した通り、大学院やビジネススクールではカリキュラムが決まっており、学習する範囲はかなり広く設定されています。
興味のない分野やすでに知識がある分野であっても、満遍なく勉強しなくてはなりません。
一方、独学であれば興味がある分野や学びたい分野のみを選んで勉強することが可能です。
例えば、経営に関する基礎知識はあるから基礎は勉強しない、マネジメントなどの発展内容だけ勉強するなどの取捨選択ができるのです。
また、1つの分野を深く学ぶことも可能なので、網羅性よりも専門性を重要視したい人は独学の方が向いているかもしれません。
興味関心の強い分野に限定できる自由度が高いため、勉強のモチベーションを維持しやすいのもメリットでしょう。
時間や場所を問わずに学べる
国内MBAを取得するまでの平均的な期間は2年間です。
しかし、独学の場合はディスカッションや発表などを行わないためこれよりも短い期間で学ぶことができるでしょう。
分野を絞って勉強すれば短期間で知識やスキルが身につくことも期待できます。
また、働きながらMBA大学院やビジネススクールに通う場合、昼間は仕事をして夜間や休日は学校に行かなくてはなりません。
海外でMBAを取得するなら休職や退職する必要があるでしょう。
体力面でも収入面でもかなりきつい2年間を過ごすことになると予想できます。
一方独学であれば、勉強するのは休日だけ、通勤時間や休み時間を活用して勉強するなど、時間や場所を限定されずに勉強できます。
オンラインスクールを活用するという手もありますが、独学よりは自由度が低くなるでしょう。
MBAの内容を独学で学ぶデメリット5つ
MBAの内容を独学で学ぶのはかなりメリットがあることがわかりました。
しかし、大学院やビジネススクールと比べて劣る部分もあるのが現状です。
ここからは、MBAの内容を独学で学ぶデメリットについてみていきましょう。
人脈ができない
大学院やビジネススクールには、経営に興味を持つさまざまな人たちが集まります。
志を同じくする人たちとの交流を通じて人脈を築くことができるのは大きなメリットでしょう。
また、経営者や幹部候補など実際に活躍している人との交流の機会が多いのもポイントです。
現場で活躍している人の話を聞けたり、ビジネスに関するアドバイスをもらえるため、将来的に成功するというパターンも考えられます。
しかし、独学の場合は人との交流がないため人脈を築くことが難しいです。
そのため、MBAを通して活躍している人や仕事に繋がることがほぼないのがデメリットでしょう。
学位を取得できない
MBAを取得すれば、経営修士として公式に名乗ることが可能です。
そのため、MBA取得者ということをキャリアアップや転職時にアピールできるのが大きなメリットです。
一方独学の場合は、スキル証明として使うことはできません。
あくまでも自分自身のスキルアップや転職などの糧になる範囲だと考えておきましょう。
実践的な場で学べない
大学院やビジネススクールでは、ケーススタディという形式で授業を行うことが多いです。
ケーススタディとは、実際に起きた多様な事例を教材にして解決方法を試行する勉強方法です。
知識や理論だけでは得られない、問題解決力やスキル、アイデアを学ぶことができます。
ビジネス上の困難な事態に慣れることもできるでしょう。
独学の場合でもこのような学習方法は取り入れられますが、クラスメイトや先生からのフィードバックは得られません。
視野が広げられないことはもちろん、現場では活用できない方法である場合も考えられます。
他の人の意見を取り入れられない
ケーススタディの他にディスカッションや発表の場が多いのも、大学院やビジネススクールの大きな特徴です。
ある事例をテーマにクラスメイトや先生と議論を交わし、他の人の意見を取り入れたり自分の考えを深めたりする目的で行われます。
一方独学の場合は勉強仲間や先生がいないため、ディスカッションは不可能でしょう。
友人や同僚とディスカッションすることは可能ですが、先生からのアドバイスやフィードバックを得ることはできません。
自分自身の考えを深めるのに独学は向いていますが、視野を広げるような学びは期待できないでしょう。
モチベーションが維持しづらい
カリキュラムが組まれており、決まった日時に授業を受けなくてはならない大学院やビジネススクールではほぼ強制的に勉強を継続することになります。
しかし、独学の場合は強制力がないので、辞めたいと思ったらすぐに辞めることができます。
そのためモチベーションの維持が難しく、挫折してしまう可能性が高い傾向にあります。
また、大学院やビジネススクールでは一緒に学ぶクラスメイトがいたり、励ましてくれる先生の存在があるのもメリットです。
同じ境遇で励まし合える相手がいないため、目標などがないと継続するのが厳しいかもしれません。
MBA入試を独学で受験するのは厳しい!難しい3つの理由
MBA取得の内容を独学で勉強するメリットとデメリットについて解説してきましたが、受験についてはどうなのでしょうか。
独学で受験対策するメリットは、MBAの内容を学習するメリットとほとんど同じで、費用がかからないことや自分のペースで取り組めることなどが考えられます。
ここからは、MBA入試が難しいとされる理由や、独学で行うデメリットについてまとめました。
入試の難易度が高い
国内MBA入試の難易度は学校によって異なりますが、倍率2倍を超える学校がたくさん存在しています。
中には4倍、7倍など非常に高い倍率を誇る学校もあるようです。
さらに、入試問題の傾向や入試科目は受験校によって異なるのも対策が難しいポイントです。
そのため、希望する大学院に合わせた対策を行うことが、難易度の高い試験合格の鍵を握っています。
通信講座や予備校では、受験校に合わせたコースが設定されていることもあるので、効率良く勉強を進められます。
書類や小論文の添削が受けられない
大学院やビジネススクールの入試では、書類審査や小論文の試験があります。
通信講座や予備校では、それらの添削を受けることが可能ですが、独学の場合は自力で考えなくてはなりません。
プロ目線の添削が受けられないので、書類や小論文対策が正しくできていない可能性があります。
また、わからないことがあった場合に質問できないのもデメリットです。
全て自力で解決しなくてはならないので、限界を感じる人もいるかもしれません。
自分でスケジュールやカリキュラムを組まなくてはならない
先述した通り、MBA入試は非常に難易度が高い試験です。
そのため、効率的に学習を進めなくてはならず、通信講座や予備校であれば適切なスケジュールが組まれています。
しかし、独学の場合は自分でスケジュールを設定しなくてはなりません。
スケジュールを組むのが苦手な人や、どこから勉強したら良いのかわからないという人は、通信講座や予備校に通った方が良いでしょう。
MBAを独学で勉強する方法
MBAの内容や受験対策を独学で行うのは難しく、自己管理が得意な人でなければ挫折してしまうかもしれません。
そうはいってもMBAを独学で学ぶメリットも少なくありません。
そこで、MBAを独学で勉強するのにおすすめの方法について解説していきます。
自力で知識をつけたい、受験対策したいと思っている人は、ぜひ試してみてください。
テキストや書籍で勉強する
MBAの知識を身につけたい場合は、MBAや経営学の本を読むのが良いでしょう。
大学院やビジネススクールの授業でも、課題図書や参考文献が用いられるため、非常に有効な方法だと考えられます。
自分の学びたい内容を選べることやペースを自由に調整できるのが大きなメリットです。
本を選ぶ方法でおすすめなのは、学校のシラバスを活用する方法です。
シラバスには課題図書や参考文献が掲載されているため、悩んだ時はそこから選んでみましょう。
公開講座やセミナーを利用する
大学院やビジネススクールによっては誰でも参加できる公開講座を開いているところもあります。
中には、特定の科目を申し込んで受講すると、単位が取得できる場合もあるそうです。
また、大学院やビジネススクールだけでなく、民間企業や新聞社などが開催しているセミナーを活用するのもおすすめです。
内容は経営学やマーケティングなどさまざまで、大学院と共同開催しているケースもあります。
学びたい内容や参加条件などをチェックして、自分に合ったものを選んでみてください。
YouTubeで勉強する
YouTubeでは、MBA大学院が行った講義が適宜公開されています。
中には、ハーバードビジネススクールが開催した講義も公開されていました。
こういった動画を見たり、MBAの知識について解説しているチャンネルを見たりするのもおすすめの勉強方法です。
見ながら学べるので、通勤時間や家事しながらなど隙間時間の活用にも最適な勉強方法でしょう。
動画学習サービスを利用する
動画学習サービスやオンライン学習サービスを利用して勉強する方法もあります。
大学院やビジネススクールと比べるとかなり安価で利用できるにも関わらず、質の高い学習が期待できます。
この方法も、通勤時間や家事しながらなど隙間時間に学習するのにおすすめです。
以下、代表的なサービスと料金や特徴などをまとめました。
サービス名 | 料金 | 特徴 |
---|---|---|
GLOBIS | 年間プラン 1,650円/月 | 動画だけでなくクイズやテストで知識が定着する |
Udemy | 1,840円〜 | オンラインビデオの種類が多く選び放題 |
Schoo | オープン会員 0円/プレミアム会員 980円 | 録画動画の視聴やダウンロードができる |
MBAを独学で学びたい人向けのQ&A
最後にMBAを独学で学びたい人向けのよくある質問をまとめました。
MBAを独学で学びたい人や一歩が踏み出せない人はぜひ参考にしてみてください。
独学で学ぶのにおすすめのテキストや参考書は?
MBAを独学で学ぶ時に悩むのは、テキストや参考書選びではないでしょうか。
以下、おすすめテキストや参考書をまとめました。
テキストや参考書選びに悩んでいる人は、参考に選んでみてください。
テキスト名 | 学べる分野 | 特徴 |
---|---|---|
競争の戦略 | 経営戦略 | 基礎から学ぶことができる |
確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 | マーケティング | 実際の事例からマーケティングを学べる |
英語で読む決算書が面白いほどわかる本 | アカウンティング | 日本語と英語の両方から学習できる |
ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務 | ファイナンス | 簡単な解説で初心者もわかりやすい |
新版 組織行動のマネージメント | マネジメント | 組織行動学を解説したテキスト |
MBAの勉強に役立つ本は?
MBAの学習をする際にテキストや参考書だけでなく、書籍も活用するのがおすすめです。
以下、MBAの勉強に役立つ本についてまとめました。
書籍名 | 学べる分野 | 特徴 |
---|---|---|
ストーリーとしての競争戦略-優れた戦略の条件- | 経営戦略 | 競争戦略を豊富に紹介している |
誰もが人を動かせる!あなたの人生を変えるリーダーシップ革命 | リーダーシップ | リーダーシップを高める方法を学べる |
会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ–500年の物語 | アカウンティング | 歴史や違いをわかりやすく解説している |
シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 | テクノロジー | デジタル時代のキャリア思考に役立つ |
マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBAの超基本 | MBAの基礎 | 文章に慣れていない人も読める |
海外のMBA入試は独学で目指せる?
海外のMBAスクールの入試は、国内MBAスクールよりも難しいといえるでしょう。
理由としては、受験資格や英語のスキルが求められるからです。
求められる受験資格は以下のようなものが多いです。
- 認定された大学の学士号を持っていること
- GRE・GMATいずれかのスコアを持っていること
- 英語圏以外の国からの出願時はTOEFL・IELTSのスコアを持っていること
- 2年間の関連した実務経験を積んでいること
また、海外のMBAスクールは英語で授業を受けなくてはなりません。
日常会話だけでなく専門的な会話まで英語力を高める必要があるでしょう。
まとめ|MBAの勉強は独学で行うのは難しい
MBAは資格ではないため、独学で取得することはできません。
しかし、MBA取得までの学習内容を独学で学ぶことは可能です。
MBAの内容を独学で学ぶメリットは、自分のペースで興味のある分野を学習できることや費用がかからない点にあります。
一方、デメリットとしては学位を取得できないこと、人脈作りや実践的な学びができないことが挙げられます。
受験に関しても独学で行うのは不可能ではありませんが、難しいといえるでしょう。
ただ、気軽に始められるのは独学ならではのメリットなので、まずは独学から学んでみるのもおすすめです。
勉強すればスキルアップが期待できるので、興味がある場合は勉強を始めてみましょう。