第一種電気工事士の難易度・合格率
第一種電気工事士の合格率と難易度レベル
第一種電気工事士は電気工事士業界における上位資格として位置づけられており、第二種電気工事士よりも高度な知識と技能が求められます。
しかし、適切な学習方法と十分な準備期間を確保することで、着実に合格を目指せる資格でもあります。ここでは、第一種電気工事士の合格率推移、難易度分析、そして効果的な学習戦略についてご紹介します。
近年の合格率推移
年度 | 学科試験合格率 | 技能試験合格率 |
---|---|---|
2024年度(上期) | 59.3% | 57.0% |
2024年度(下期) | 55.4% | 61.9% |
2023年度 | 61.6% | 60.6% |
2022年度 | 58.2% | 62.7% |
2021年度 | 53.5% | 67.0% |
平均 | 約57.3% | 約62.5% |
他資格との難易度比較
第一種電気工事士の位置づけを理解するため、他の資格の合格率(2024年度計)と比較してみましょう。
資格名 | 合格率 | 難易度レベル |
---|---|---|
第三種電気主任技術者 (電験三種) |
約16.4% | 高 |
消防設備士甲種 | 約30.1% | 中 |
第一種電気工事士 | 約59.9% | 中 |
第二種電気工事士 | 約70.3% | 中~低 |
第一種電気工事士は、第二種電気工事士よりもやや高い難易度ですが、電験三種のような難関資格と比較すると現実的に合格を目指せる資格といえます。
合格に必要な勉強時間 (学習経験別の目安時間)
電気工事未経験者の場合
学科試験:1日1~2時間を3~5ヵ月間程度
技能試験:1日1~2時間を1~2ヵ月間程度
第二種電気工事士取得済みの場合
学科試験:1日1~2時間を1~3ヵ月間程度
技能試験:1日1~2時間を1ヵ月間程度
第一種電気工事士が難しいとされる理由
1. 試験範囲の広さ
第二種電気工事士の試験範囲に、以下の分野が追加されます。
- ・ 高圧受電設備に関する知識
- ・ 発電・送電・変電施設の基礎知識
- ・ より複雑な配電理論
- ・ 自家用電気工作物の法令
2. 技能試験の作業量の多さ
第二種電気工事士と比較して、使用する器具・材料が多く、実施しなければならない作業量が多いです。
作業時間も60分(第二種電気工事士は40分)と長く設定されています。
第一種電気工事士の効果的な学習方法
学科試験対策のポイント
1. 分野別重要度の把握
出題分野と配点を把握し、配点が高い分野を重点的に学習しましょう。
配線図:12~15問(最重要)
材料・工具・機器:8~10問
施工方法:6~8問
電気理論・配電理論:6~8問
法令:5~7問
電気応用・発電送電:4~6問
検査方法:3~4問
2. 配線図問題の攻略
全50問中約25%を占める配線図問題は、合格の鍵となる分野です。攻略ポイントを押さえましょう。
- ・ 電気図記号の完全習得(約150種類)
- ・ 機器写真と名称の一致(鑑別問題)
- ・ 配線方式と施工方法の理解
- ・ 計算問題(電流、電圧、電力)への対応
3. 過去問題の活用法
過去問を使って勉強する際は、以下のポイントを押さえましょう。
- ・ 直近10年分の過去問題を3周以上実施
- ・ 間違えた問題の徹底的な分析と復習
- ・ 実際の試験時間(140分)での模擬試験実施
- ・ 解答根拠の明確化(なぜその答えになるのか)
技能試験対策のポイント
1. 候補問題の完全習得
技能試験では事前公表される候補問題(通常10問程度)から1問が出題されます。
- ・ 全候補問題の施工方法を習得
- ・ 制限時間(60分)内での完成に向けた練習
- ・ 欠陥判定基準の理解と回避方法の習得
2. 工具・材料の準備
技能試験成功には適切な工具と十分な練習材料が必要です。
- ・ 指定工具の準備(ペンチ、ドライバー、ストリッパー、圧着工具等)
- ・ 練習用材料セット(2~3回分を推奨)
- ・ 工具の使い方習熟と手入れ方法の学習
3. 実技練習のスケジューリング
学科試験後の解答速報で自己採点を行い、合格の可能性が高ければ、速やかに技能試験の練習を開始しましょう。
- ・ 週2~3回、1回2時間程度の練習実施
- ・ 各候補問題を最低3回以上完成させる
- ・ 試験直前期には全問題を60分以内で完成できる状態に
合格率アップのコツ
学習計画の立て方(3ヵ月学習プランの例)
段階的な学習計画を立て、着実にこなしていきましょう。
1ヵ月目:基礎理論・配電理論の学習
2ヵ月目:機器・材料・法令の暗記、過去問演習開始
3ヵ月目:過去問の繰り返し、弱点補強
技能試験の練習ポイント
技能試験対策を行う際は、以下を意識しましょう。
- ・ 正確性・速さ:正確性とともに速さも重視する
- ・ 手順の標準化:毎回同じ手順で作業する
- ・ 欠陥の回避:欠陥の判定基準を確実に覚える
- ・ 時間管理:各工程の目標時間を設定
不合格になる主な原因と対策
学科試験での失敗パターン
- ・ 計算問題の放棄 →基本公式は確実に覚える
- ・ 暗記不足 →機器名称と写真の対応を徹底
- ・ 法令軽視→条文の正確な暗記が必要
技能試験での失敗パターン
- ・ 時間不足 →事前の十分な練習が必要
- ・ 欠陥工事 →判定基準の正確な理解
- ・ 工具不備 →指定工具の事前確認
第一種電気工事士は決して簡単な試験ではありませんが、計画的な学習と継続的な努力により、着実に合格を目指すことができます。
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