HSK4級の過去問からみる出題傾向
HSK(漢語水平考試)とは、中国政府教育部公認の中国語の資格です。HSK4級に合格すると、中級程度の中国語能力をアピールできます。またHSKでは世界共通の評価基準(CEFR)が用いられているため、世界中で就活や留学に活かせます。
それではHSK4級がどのような問題で構成されているのか、出題傾向を問題形式ごとに見ていきましょう。

HSK4級の出題形式

HSK4級は、広範囲の話題でネイティブと比較的流暢にコミュニケーションが取れるレベルとなっており、単語の範囲は1,200語程度とされています。
HSKの試験では音声はすべて中国語です。事前にしっかりHSKの出題形式や傾向をおさえ、本番で焦らないように対策しましょう。また、実際の問題用紙には大問(セクション)ごとに例題(「例如」)も載っています。大問ごとの答え方も事前に確認しておきましょう。
HSK4級は、以下のように「聞き取り」・「読解」・「作文」から構成されています。
【聞き取り】約30分/計45問
(正誤判断の問題・会話内容に関する問題・会話や短文の内容に関する問題)
【読 解】約40分/計40問
(空所補充問題・短文の並び替え問題・短文の内容に関する問題)
【作 文】約25分/計15問
(語句の並び替え問題・作文問題)
聞き取りと読解はマークシートで解答しますが、作文は記述式で解答します。そのため、正しい簡体字を書けるよう、普段から実際に手で書く演習を行うことをおすすめします。
それでは、大問ごとの出題傾向について解説します。
聞き取り(听力)
第1部分の正誤判断問題は全10問です。放送された短文の内容と、問題用紙に書かれた短文の内容が一致するかどうかをチェックします。
第2部分の会話内容に関する問題は全15問です。放送された2人の会話の内容について問いが読み上げられ、この問いに対して適切な選択肢を選びます。
第3部分の会話や短文の内容に関する問題は全20問です。2人の会話、もしくは70~100文字ほどの文章が放送されます。放送の内容について、1~2つの問いが読み上げられるので、これらの問いに対して適切な選択肢を選びます。
聞き取りセクションは、試験終了後に解答時間として予備の5分が用意されているので、マークシートの塗り残しの確認などに時間を当てるのがよいでしょう。
会話内容は暮らしや生活と関わるものが多く、また、第3部分の短文は、説明文や1人が特定のエピソードについて語るような文が多い傾向にあります。
HSK4級のリスニング音声は、「速すぎず遅すぎず」といったスピードで読み上げられます。ボーっとしていると聞き逃してしまいますが、過度にメモを取ろうと力んでしまうと、長文についていくことができません。リラックスして、文の流れを意識しながら問題を解いていきましょう。
また、リスニングの放送回数は1回のため、一度で聞き取る訓練をしておきましょう。
読解(阅读)
第1部分の空所補充問題は全10問です。文の空欄に当てはまる適切な選択肢を選びます。
第2部分の短文の並び替え問題は全10問です。意味が通るよう、3つの短文を適切な順に並び替えます。
第3部分の短文の内容に関する問題は全20問です。それぞれの問題文に関する質問の答えとして適切な選択肢を選びます。
読解では、生活に結びついた文章や簡単な説明文、友人同士の会話などが多い傾向です。問題が進むにつれて文章の文字数も増え、150字前後の文章も数問あるため、最後まで集中力を切らさないようがんばりましょう。
作文(书写)
第1部分の語句の並び替え問題は全10問です。約4~5つの語句を意味が通るように並べ替えます。
第2部分の作文問題は全5問です。写真や図を見て、指定語句を使用して文を作ります。
第1部分はシンプルな文章を組み立てるので、比較的解きやすいでしょう。約10~15字ほどの文章を完成させます。書き写すときは簡体字などの書き間違えに気を付けましょう。
第2部分は、日常的な写真や図が使われていることが多いため、複雑に考えすぎず簡潔に答えましょう。人物が写っている写真が比較的多いようです。複雑な文章を作ろうとすると語順を間違えてしまう恐れがあるので気を付けましょう。指定語句は名詞や形容詞、動詞など様々です。答える際は10字前後でまとめればちょうどよいです。
以上がHSK4級の出題傾向です。HSK4級では日常生活に関わる文章が幅広く出題されるため、4級の範囲の約1200語と生活用語はしっかりと覚えておきましょう。 演習をする際は、本番と同じ時間配分で過去問を解き、HSKの出題形式に慣れていくことが大切です。
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