知的財産管理技能検定3級の過去問からみる出題傾向

知的財産管理技能検定3級試験は、知的財産管理に携わる初級の技能者向けの技能や知識を問う試験です。合格するためには、知的財産関連法や手続きなど、知的財産全般に関する幅広い専門知識が必要となります。とはいえ、知的財産全般の中でも試験によく出る分野には、実は決まった傾向があるのです。
以下では、出題範囲や出題形式、過去問からみた出題傾向を紹介しながら、効果的な学習方法についてもご案内します。

知的財産管理技能検定3級の出題範囲

知的財産管理技能検定3級試験には、学科試験と実技試験があります。それぞれの試験範囲は、次の表のとおりです。

学科試験 実技試験
1. 保護(競争力のデザイン)
1-1 ブランド保護
1-2 技術保護
1-3 コンテンツ保護
1-4 デザイン保護
2. 活用
2-1 契約
2-2 エンフォースメント
3. 関係法規
1. 保護(競争力のデザイン)
1-1 ブランド保護
1-2 技術保護
1-3 コンテンツ保護
1-4 デザイン保護
2. 活用
2-1 契約
2-2 エンフォースメント

参考:知的財産教育協会「国家試験 知的財産管理技能検定 試験の概要 試験範囲」

試験では、知的財産関連法や保護手続きに関する初級の専門知識が問われます。また、知的財産に関する国際条約や不正競争防止法、独占禁止法、弁理士法などの関係法規からも出題があります。

知的財産管理技能検定3級の出題形式

知的財産管理技能検定3級試験の試験には学科と実技があり、学科試験はマークシート方式30問45分、実技試験は記述式30問45分となっています。合格ラインは、学科試験、実技試験の双方で70%以上です。
学科試験と実技試験の両方の試験に合格すると、「三級知的財産管理技能士(管理業務)」の称号を得ることができます。

著作権と特許に関する学習は必須!

知的財産管理技能検定3級を実施する知的財産教育協会のホームページでは、直近3回分の過去問が公開されています。過去問の中で特によく出るのが、著作権と特許権、およびその手続きに関する問題です。

過去問では著作権に関する問題が30%程度、特許に関する問題が30%程度出題されており、あわせて試験全体の60%以上を占めています。また、PCT(特許協力条約)やPLT(特許法条約)など、特許に関する国際条約の分野からも必ず出題されています。
試験の合格ラインが70%以上なので、この2分野の知識をつけることは、合格のための必須条件といえるでしょう。

著作権と特許権は、そもそもの権利の考え方や、権利保護のための手続きが大きく異なる分野です。
著作権は、様々な著作物に対して発生する権利。いずれも著作物の創作と同時に発生するため、官公庁などへの出願や審査・登録等の特別な手続きを必要としません。
これに対し特許権は、特許庁に対する出願や審査・登録等の手続きを経て初めて発生する権利です。この際、特許に必要な要件を満たせない場合は、拒絶されることもありますし、必要な特許年金を払わなければ、特許権は消滅してしまいます。
これ以外にも様々な違いがありますので、しっかりと基礎知識を学んだうえで試験に臨むようにしましょう。

特許をしっかり学べば、他の分野の学習にも応用できる

知的財産管理技能検定3級試験の過去問の中で、著作権と特許の次に多いのが、商標に関する出題と意匠に関する出題です。この2分野をあわせて、25%程度が出題されています。

実は、商標と意匠の2分野については、特許に関して基本的な理解ができていれば、かなり楽に勉強することができます。なぜなら、知的財産権の中で、特許権と商標権、意匠権、それに実用新案権を加えた4つの権利は「産業財産権」と呼ばれ、考え方や保護手続きなどに多くの共通点があるためです。ちなみにこれらの権利は、所管している官庁も、特許庁で共通しています。

ただし、もちろん商標、意匠、特許の考え方や保護手続きには、それぞれ違う点もあります。学習を進める中で、これら産業財産権ごとの共通点と相違点に注目すれば、効率よく理解を深めることができるでしょう。

過去問の活用と共に最新の動向を踏まえた学習も

知的財産管理技能検定3級の試験対策では、過去問を解いて出題傾向を踏まえることも大切なのですが、最新の法改正に注意することも重要です。
知的財産関連法は、インターネット文化の進展などによって、頻繁に法改正をされる傾向にあるからです。

過去問を活用するとともに、最新の動向を踏まえたテキストやオンライン講義を活用して勉強し、合格を目指しましょう。

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