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知的財産管理技能検定3級を取ると仕事にどんなメリットがある?

知的財産管理技能検定3級を取ると仕事にどんなメリットがある?

連載「知的財産管理技能検定3級とは?」、前回は、知的財産管理技能検定3級が知的財産を知るための第一歩になる資格であることを紹介しました。

第2回の今回は、知的財産管理技能検定3級で学ぶ知識が実際の仕事でどのように役立つのか、どういう場面で必要になるのかについて、具体例を交えて紹介していきます。

知的財産管理技能検定3級は、知的財産管理の職種における初級者がもつ程度の知識レベルを試験範囲としています。知っていると、様々な仕事にメリットがありますよ。

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知的財産部門の仕事におけるメリット

法務・知的財産部門は、もっとも直接的に知的財産管理に携わる仕事です。知的財産管理技能検定3級の知識があることは、非常に大きなメリットとなります。知識が必要な仕事の代表例には、特許の出願や権利維持のための事務手続きが挙げられます。

特許権などの「産業財産権」と呼ばれる権利は、発明した時点ではなく、役所への出願や登録といった手続きをして初めて発生し、継続することができる権利です。所定の手続きについては法律で定められており、期限を守ったり、費用を支払ったりしないと権利が認められません。

万が一、事務担当者が必要な手続きを忘れたせいで、企業が持つ特許権が消滅してしまったら、その損失は計り知れません。知的財産部門の担当者にとって、知的財産管理技能検定3級の資格を通じて学べる知識は、こうした日々の仕事に欠かせない基礎知識となるものなのです。

研究開発部門の仕事におけるメリット

日本では、個人からの特許出願件数はごくわずかで、大半が企業や大学などの「法人」からの出願です。
しかし、実は、発明者として特許権を持てるのは、原始的には個人だけで、法人は特許権を持つことができません。法人が特許を出願できるのは、研究者や技術者などの従業員個人との契約によって、特許を受ける権利を法人に移転させているためなのです。

特許を受ける権利を移転させるには、2つの方法があります。1つが、発明をした後に法人と従業員で権利の移転に関する契約を結ぶ方法。もう1つは、従業員の職務発明については特許を受ける権利を法人側が取得すると、あらかじめ就業規則などで決めておく方法です。

どちらの場合でも、従業員は、特許を受ける権利と同等に値する「相当の利益」を受ける権利を持つことが、特許法で定められています。
しかし、実際には、「相当の利益」の算出や対価の金額について、多くのトラブルが見られます。とりわけ、退職した元従業員と企業の間では、在籍時の発明に関する対価の支払いを巡って裁判にいたる例も多いようです。

こうしたトラブルを避けるため、法人内で働く研究者や技術者は、発明に関する法人との契約が妥当なのかを自ら判断しなければなりません。判断する際に必要なのが、特許をはじめとする知的財産についての基礎知識です。研究者や技術者が、知的財産について学ぶことは、自分の権利を守るために大きなメリットとなるでしょう。

事実、知的財産管理技能検定3級の受験者を大学別でみると、工業系の大学や専門学校からの受験が目立ちます。このデータからも、研究者や技術者が知的財産に関する知識を持つことの重要性がわかるのではないでしょうか。

総務広報部門の仕事におけるメリット

会社の窓口として働く総務広報部門には、外部から様々な問い合わせがあります。
例えば、「御社と共同で行うイベントだから、御社のロゴをポスターに使いたい」と言われたときに、何に気を付けなければならないのでしょうか。

多くの会社では、ロゴの使用について規則があり、相手方に使用申請書を書いてもらうなど所定の手続きを経てロゴの使用を許可しているかと思います。
しかし、所定の手続きを経ていたとしても、実際に相手方が使用する際に、ロゴの一部を切り取った場合や、縦横の縮尺を変えた場合には、抗議する必要があります。

これは、自社のブランドイメージや、制作したデザイナーの権利を保護するために必要な抗議となります。これらの保護を定めているのが、商標法、不正競争防止法、意匠法など、知的財産関連法と呼ばれる法律です。

知的財産管理技能検定3級の試験勉強で得られる知識には、自社のブランドイメージを守るために重要なものが含まれています。外部と接することの多い仕事では、大きなメリットになるでしょう。

自営業(クリエイター)の仕事におけるメリット

インターネット文化の発展により、残念ながら著作権が侵害される機会は大きく増えてきています。インターネット上で、撮った写真が無断で使用されていたり、漫画や文学が勝手に公開されたり翻訳されていたりするというトラブルや裁判の例は、事欠きません。

これら著作権侵害の影響をもっとも受けやすいのが、クリエイターの仕事です。とりわけ自営業として開業しているクリエイターの場合には、知的財産に関する知識は、メリットを超えて、自衛のために必須の知識となりつつあります。

知的財産管理技能検定3級の勉強を通じて、知的財産についての基礎知識を習得し、自らの権利を守るのに役立てましょう。

ここまで4つの仕事例を紹介しましたが、近年はインターネット文化の発展もあって、一般事務職や販売職などの仕事でも、知的財産に関する基礎知識が必要になってきています。実際に、インターネットの画像を無断使用して社外資料に使ってしまったり、他社のポップを真似てポップを作ったりすることによる、トラブルも発生しています。

知的財産管理技能検定3級で学べる知識は、こうしたトラブルを避けるために必要な知識です。現代社会で働くすべての方にとって、知っておきたい内容といえるでしょう。

知的財産管理技能検定3級とはどんな資格?

今回は、知的財産管理技能検定3級で得られる知識が、仕事のメリットとなる例として、知的財産部門と研究開発部門、総務広報部門、そして自営業のクリエイターの例を紹介しました。

次回は、知的財産管理技能検定3級が、就職・転職でどのように役立つかについてご案内します。

知的財産管理技能検定3級講座

参考URL:
特許庁HP(特許行政年次報告書2020年版<統計・資料編>より抜粋
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2020/document/index/0208.pdf
知的財産教育協会「知的財産管理技能検定・受検申込者数の多い学校50
http://www.kentei-info-ip-edu.org/exam_kekka_dantai.html#school

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