突然ですが、著作権って、ご存じでしょうか?
「なんとなく知っているけど、自分は作家や漫画家じゃないから関係ない」と思っていませんか?いいえ、実は生活や仕事中など、日常のすぐそばに著作権はあふれているんです!
今回から、5回にわたってご案内する「知らないと困る!著作権入門」では、そんな身近にあふれる著作権について、クイズを通して知ってもらいたいなと思います。
第1回の今回は、「著作権とは作家だけの権利じゃない?」と題して、著作権とはどのようなものにあるのかをクイズ形式でご紹介!気軽にチャレンジしてみてくださいね。
問1 セミナー講師の説明は著作物?
あなたは会社の業務に役立つセミナーを聴講することになりました。聴き逃すといけないので、当日は講師の説明を録音しようと思っています。ここで〇✕クイズです!
問1 セミナー中に講師が話す説明は、著作物ではない。○か×か?
問1の答えと解説
正解は 【×】
セミナー中に講師が話す説明やその原稿、使用するスライドなどは、すべて著作物に該当します。
著作という言葉は「本を書く」という意味があるので、書籍などは著作物であることがイメージしやすいですよね。しかし実は、書籍などの形にまとめられていない、人が話した言葉にも著作権があります。
したがって、今回のセミナー講師による説明は著作物となります。
この理論から言うと、原稿なしの講演や、即興のスピーチだったとしても著作物に該当します。
なお、セミナー・講演を無断で録音する行為は、著作権の侵害となるので注意が必要。録音の許可を取りたい場合は、事前に主催者へ確認しましょう。
もし、この問1の事例のように、仕事に有用なセミナーを勤務時間中に聴講する機会があったとします。上司から「自分も聴講したかった。録音をして内容を報告するように」と指示されたら、あなたはどうしますか?著作権法に違反する行為でも、上司からの指示であれば実行しますか?
著作権とはどのようなものなのかを正しく知らなければ、上司の理不尽な要求から逃れることもできません。社会人として、知っておきたい著作権の一例ですね。
問2 無料配付するパンフレットは著作物?
あなたの会社は、会社概要・社長の挨拶文・主要な商品紹介を掲載した会社案内パンフレットを作成しました。営業担当者からお客様へ配布する予定です。ここでクイズ!
問2 誰にでも無料で配布するパンフレットは、著作物ではない。○か×か?
問2の答えと解説
正解は 【×】
今回の場合、パンフレット(会社の概要・社長の挨拶文・主要な商品紹介などの記載の内容)は著作物に該当します。
実は、パンフレットの有料・無料は、著作権とは関係ありません。
会社案内パンフレットでも、制作した人の創作性が表現されていれば、パンフレットは著作物となります。なお、社長の挨拶文は、社長自身の思想や感情が込められた内容であれば、創作性があると判断できるので、著作物に該当します。
しかし世の中には、著作物に該当しない無料冊子やパンフレットもあります。代表的なのは、50音順電話帳「ハローページ」です。
これについては、電話番号などのデータを50音順にズラリと並べただけなので、創作性がないと判断されています。携帯電話などが普及した最近は、あまり使われていないかもしれませんが…。
しかし、無料で手に入るとしても、パンフレットやチラシなどのほとんどは、著作物であると考えておく方が無難でしょう。
問3 小学生の描いた絵は著作物?
あなたは、新商品のパッケージに、地元の小学生が描いた絵を採用する予定です。作品は鉛筆で描いたものなので、消しゴムを使えば簡単に消えてしまいます。さあ、ここでクイズです。
問3 小学生が鉛筆で描いた絵でも、創作的であれば著作物である。○か×か?
問3の答えと解説
正解は 【○】
小学生の描いた絵も、著作物にあたります。
著作権とは、どのような立場の人が描いた絵でも与えられる権利です。プロの画家でも、趣味で絵を描く人でも、学生でも、未成年でも、作者の個性が表現されている絵画ならば、すべて著作物に該当します。
また著作権は、申請などの手続きをする必要はなく、創作すれば自動的に発生します。
芸術的である必要もなく、絵が上手いかどうかも関係ありません。見る人によっては、ヘタだと感じる作品でも著作権があります。また、画材に何を使うかは、鉛筆であろうが油絵具であろうが、もちろん作者の自由です。
もし、小学生の作品を商品パッケージに使用するなど、未成年と契約を交わすことになった場合は、親の同意が必要となります。このあたりは、著作権ではなく民法に関わるお話なのですが、未成年の作品を取り扱う際には注意してくださいね。
著作権に関する○×クイズは、3問とも正解できましたか?
今回は、作家などの職業に就いていなくても、著作権には関わっていますよ…というシーンを紹介しました。似たような経験を持つ方もいたのでは?
今回はわかりやすいシーンで紹介しましたが、まだまだ著作権に関わる日常のシーンはたくさんあります。知らずに著作権を侵害してしまった!という事態は避けたいですよね。
著作権についてもう少し知りたい!と思ったのなら、知的財産管理技能検定(通称・知財検定)3級を学んでみるのがおすすめ。著作権以外の知的財産権についても知ることができますよ。ぜひ勉強してみてくださいね。
知的財産管理技能検定3級講座さて次回は、著作権の種類について、クイズを出題していこうと思います。ぜひ、またチャレンジしてください!
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