こんにちは!連載「知らないと困る!著作権入門」、第3回となる今回は、職場というよりは家庭で起こりそうな、身近な例を紹介したいと思います。
あなたは、インターネット上で動画を観るのはお好きですか?最近はお家で楽しめる動画サービスがたくさんありますよね!また、観るだけではなく、自分でも手軽に動画を配信できるようにもなりました。
今回は、自宅で楽しむ動画や音楽に関する著作権クイズを出題します。○×形式ですので、ぜひ気軽に挑戦してみてください!
問1 絵本の読み聞かせ動画を配信してもよい?
あなたは書店で絵本を購入しました。絵本を子どもに読み聞かせる様子を撮影し、インターネット上で配信したいと思っています。では、ここでクイズです!
問1 自分の子どもを撮影した動画であり、絵本は個人の持ち物であっても、読み聞かせ動画を自由に配信することはできない。○か×か?
問1の答えと解説
正解は 【〇】
著作者に無断で、絵本の読み聞かせ動画を配信してはいけません。
書店で買ってきた絵本は、自分の所有物ですよね。しかし、どんなことにでも使ってよいわけではありません。
絵本の著作権では、基本的に絵を描いた人や文章を書いた人を保護しています。また出版社が権利をもっている場合もあります。絵本を購入しても、絵本の著作権までは自分のものにならないのです。
「じゃあ、絵本の絵を映さなければいいの?」と思う人もいるかもしれませんが、本文を読み上げたり、詳しいあらすじを言ったりすると、絵本の内容は伝わりますよね。そのため、絵を映さずに音声だけの配信だったとしても、著作権侵害となってしまいます。
事例では、子供と過ごす際の身近な例として絵本をテーマにしましたが、絵本に限らず、小説・雑誌・漫画などでも一緒なので覚えておきましょう。
そして、「配信はしていなくて、動画を観るだけ」という立場の人もいると思います。
例えばYouTubeでは、動画がたくさん再生されると投稿者は広告収入を得ることができます。しかし、違法な動画を配信している人を応援してはいけないですよね。
子供用に絵本を選ぶとき、「親として内容を知ったうえで買いたい」という気持ちは、よくわかります。しかしそのようなときは、ネットにある誰かが公表している動画ではなく、出版社などから公式に配信されている動画が多数あるので、こちらを利用するようにしましょう。
なお、家庭で読み聞かせをすることや、家族で楽しむために撮影すること自体は問題ありませんので、この点は心配しなくても大丈夫ですよ。
問2 いろいろなメディアに音楽をコピーしても大丈夫?
あなたは個人で聴くために、音楽CDアルバムを購入しました。外出先でも音楽を楽しむため、今まではカセットテープに録音していましたが、これからはスマートフォン・タブレット・CD-Rなどのメディアにコピーしたいと思っています。それでは、クイズです!
問2 バックアップとして1回はコピーしてもよいが、2回目以降は無断でコピーすることはできない。
問2の答えと解説
正解は 【×】
個人で聴くためなら、何回コピーしても問題ありませんし、どのようなメディアを使っても構いません。
自分や家庭内で家族が聴くのであれば、私的使用です。複製(コピー)は、私的使用であれば許可は不要でしたよね。したがって、クイズは【×】が正解です。
(私的使用については、連載第2回「知らないと困る!著作権入門|著作権には2種類の意味がある?」の事例1)でも説明していますので、ぜひこちらも読んでみてくださいね!)
バックアップとして1回はコピーしてもよい、という部分は、引っ掛けでした!
CDに収録されている曲だけでなく、ダウンロードで購入する曲でも同様に、私的使用の範囲内であれば何回でもコピーできます。
ところで、カセットテープに録音をしたことはありますか?
音楽を聴く場合の身近な例として、CDアルバムを挙げましたが、配信サービスで音楽を聴く人も増えましたよね。そのため、「録音する」「ダビングする」という言い方をあまりしなくなってきたように感じます。ちなみに私は、よく音楽を録音していましたよ!
問3 おすすめのドラマを録画して友人に配っちゃダメ?
あなたは、週末に放送されるテレビドラマを毎週録画しています。とても面白いので、友人達にもドラマを観るようにおすすめしたいと思っています。さて、ここでクイズです!
問3 ドラマの宣伝になるので、連続ドラマの第1話だけなら、録画したものを友人達に配ってもよい。
問3の答えと解説
正解は 【×】
自分で観るためにドラマを録画することは、私的使用なので問題ありませんが、友人達に録画したドラマを配ってはいけません。
第1話だけを見せれば、続きが気になってドラマを観てくれる可能性は高くなるかもしれませんね。しかし、ドラマの宣伝に貢献しているつもりでも、この行為は著作権の侵害となってしまいます。
お金を貰って録画したものを貸すのは当然ダメですが、例え無償であっても録画したドラマを貸す行為はNGと覚えておきましょう。どうしても友人にドラマを観てほしいなら、あなたのお家で一緒に観ることをおすすめします!
著作権に関する○×クイズは、正解できましたか?
今回は、著作権を侵害しかねない身近な例を紹介したかったので、動画・絵本・音楽・ドラマにスポットを当ててみました。あなたにとっての身近な例はありましたか?
著作権は日常において身近な存在である、と感じていただけたら嬉しいです!
著作権について、ますます興味がでてきた人は、ぜひ知的財産管理技能検定3級の学習を始めてみてくださいね。
知的財産管理技能検定3級講座さて、次回は、文章作りに欠かせない「引用」についてクイズを出題しようと思います。また挑戦してくださいね!
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