この春、新社会人として新たなスタートを切った方の中には、外国人の多いオフィスに配属されたり、海外とのやりとりが頻繁だったりと、英語を使わなければならない場面に初めて遭遇したという方もいるのではないでしょうか。
上場企業の約8割が英語研修を実施しているという調査結果※もあり、ビジネスの場で英語を使う機会や、英語が欠かせない仕事というのはこれからも増えていくはずです。
※ 国際ビジネスコミュニケーション協会(TOEICの実施機関)2013年調査
ビジネス英語を学ぶ必要に迫られている方、英語を使う仕事を目指している方のために、ビジネス英語の入り口としてふさわしい、おすすめのビジネス英語本を5冊ご紹介いたします!
超キホンのビジネス英語本
基本はこれ!「ビジネス英語のツボとコツがゼッタイにわかる本」
著者:上田怜奈
出版社:秀和システム
仕事で英語を使う必要に迫られたときに、最初に手に取る1冊としておすすめしたいのがこの本です。
ビジネスシーンにおける様々な要素が網羅されており、ビジネス英語の本質を効率よく学ぶことができます。
この本の著者は、ビジネス英語を専門に手がける語学研修会社の代表で、通訳業務にも対応可能なスペシャリスト。
日本のビジネスマンが英語でつまずく現場を見てきた経験を踏まえて、ビジネス英語の「ツボ」と「コツ」をコンパクトにまとめた内容となっています。
ありがちなビジネスシーン別に章立てが組まれており、英語表現の微妙なニュアンスの違いや、文化的背景の違いにまで踏み込んだ内容は、ビジネス英語を理解する上で大きな助けになるでしょう。
英単語やイディオムのアルファベット順の索引、日本語フレーズの五十音順の索引が巻末に載っており、辞書的な使い方もできるようになっています。
はじめから会話やライティングの専門書を学ぶより、この本を一読した上でレベルの高い教材に進む方が、上質なビジネス英語をマスターできるといえますよ。
会話ならこれ!「ビジネス英語シンプル会話表現400」
著者:小島加奈子,ロバート・J・トレーダー
出版社:Z会
英会話のテキストは、ストーリー性を持たせたダイアログ形式になっている場合がほとんどです。
会話を学ぶためのものなので、何らかの会話文を題材にする本が多いのは当然ですが、現実のシチュエーションや会話する相手との関係性など、自分の仕事の現場にピッタリと当てはまるものがなかなか見つからないものです。
では、どんなテキストを選べばいいのか。様々なテキストを試して自分の仕事に必要なフレーズや表現を数多く集めることと同時に、汎用性の高い英語フレーズが厳選されているテキストを1つ選んで取り組むのがいいと思います。
この本は「1.あいさつ」にはじまり、「2.依頼」、「5.連絡・報告」、「6.質問・確認」、「7.提案・主張」など、基本となるビジネス会話のやりとりを12項目に分類、400の会話パターンを厳選しているところがおすすめポイント。
取り上げられている400の会話パターンはすべて「A→B→A」の1往復半のやりとりにまとめられており、文脈に影響を受けることの少ないシンプルなものが選ばれています。
そして巻末には「表現INDEX」として、日本語表現とそれに対応する複数の英語表現の一覧、さらに、日本語キーワードから日本語表現を探すことができる「キーワードINDEX」の索引ページが設けられており、自分の必要とする英語フレーズが探しやすい点も実用的です。
ライティングはこれ!「ネイティヴチェックで鍛える ビジネス 英文ライティング」
著者:デイヴィッド・セイン
出版社:ディーエイチシー
日本語を学んでいる外国人と日本語でメールのやりとりをすると、子供が書いたものともまた違う、繋がりに違和感のある文章や、単語の使い方が惜しいところで間違っていたりする、微笑ましい文章が返ってきます。
日本人が英作文をする場合にもこれと同じことが起こりえます。これまで学んできた学校英語の知識をもとにした、文法的には何の問題のない英文でも、ネイティブから見ると違和感のある文章、ということが多くあるのです。
英語上級者でもネイティブレベルの文章を書くことは、かなりの場数を踏まないと難しいです。また、他国の言語を学んでネイティブ並みに使いこなしている方の学習方法として、その言語のネイティブの方に文章を添削してもらうことが最も役に立った、というのは多く耳にする話です。
この本では、英文ライティングで日本人が間違いやすいポイントを添削する、という形で正しい英文が示されています。
さらに、添削されている文章がなぜ間違いなのかという解説に加えて、他の言い回しとのニュアンスの違いまで触れられています。英語をより本格的に学びたい方におすすめしたい1冊です。
第1章の「Eメールとビジネスレターの基本ルール」で体裁や句読法、書き方の基本、第2章「基本編」で使用頻度の高い表現におけるライティングの定型文、第3章「実践編」ではより細かいニュアンスに着目した英文の書き方を紹介する、という構成になっています。
特に第1章のビジネスレターの基本は、ネイティブでも身に付けておくべきとされる一般教養的な内容なので、ぜひチェックしておきましょう。
プレゼンならこれ!「英語でプレゼン・スピーチ15の法則」
著者:愛場吉子
出版社:三修社ー
ビジネス英語の勉強の際、必ずといっていいほど登場するのが英語によるプレゼンテーションのHow toです。
新入社員がいきなり英語でのプレゼンテーションを任されることは少ないですが、こちらの本は、英語のドキュメントを作成する機会のある仕事であれば参考になる部分が多いです。
著者は、国内と海外の有名企業を渡り歩き、実際のビジネスの現場で場数を踏んできたプレゼンのプロフェッショナルであり、現在は語学研修会社のCOOを務めるビジネス英語の専門家。
前半のchapter1では、効果的なスライドの作り方、訴求力のある英文スクリプトや伝わる話し方のポイントを15の法則としてまとめています。
後半のchapter2では、スライドの事例が25パターン載せられており、それらすべては実際のビジネスプレゼンテーションにすぐに使える洗練されたものとなっています。著者の経験が活かされた力作揃いです。
プレゼンテーションは、視覚と聴覚を使ってこちらの意図を適確に相手に伝え、相手の行動につなげるための技術です。
論理性、説得力、簡潔さ、わかりやすさなどが求められる英語でのプレゼンテーションには、英語でのコミュニケーションのエッセンスが詰め込まれていると言えるのではないでしょうか。
敬語ならこれ!「ビジネス英語の敬語」
著者:浅見ベートーベン
出版社:クロスメディア・ランゲージ(インプレス)
この本の冒頭で、「英語に敬語がない、というのは日本人の誤解である」ということが述べられています。
日本語と同じように英語にも書き言葉と話し言葉がありますし、相手の年齢や上下関係によって使われる言い回しは違ってきます。
また、フォーマルな言い方、くだけた言い方などその状況にふさわしい自然な表現というのが決まっています。
日本語でも、取引先と連絡を取るときや上司に報告を行う際に使う言葉と、友達と話すときに使う言葉が違うように、英語にもフォーマルな場にふさわしい表現というものがあるのです。
この本では「電話」、「ミーティング」、「報告・連絡・相談」などのテーマが、16のchapterに分けて紹介されています。
使われることの多い英語表現について、「NG」、「カジュアル」、「ふつう」、「わりとフォーマル」、「かなりフォーマル」のいくつかの英文をあげて、不適切な言い方からより丁寧な言い方まで、丁寧さの度合いについて解説が加えられています。
使われる単語や時制の使い方、話法の選び方などにより丁寧さの度合いが変わります。この「段階別」というのがこの本の優れたところで、英語で丁寧さをあらわすときにはこういう考え方をするのか、ということを理解できます。
今回は、ビジネス英語における
・基本
・会話
・ライティング
・プレゼン
・敬語表現
以上5分野におけるおすすめの本をご紹介しました。
ひとくちにビジネス英語といっても、どのようなビジネスシーンで使うか、どの程度のレベルが必要か、読むのか、書くのか、話すのか、それぞれの環境によって様々な関わり方があるはずです。
また、自分のものにするためには練習を繰り返すことと、実践の場数を踏むことも必要でしょう。
これまでに挙げたおすすめのビジネス英語本を第一歩に、ビジネス英語にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
オンスクおすすめ!「誰でも簡単!ビジネス英語講座」
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参考URL
http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/4655.html
https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/80047/#book-datails
https://www.dhc.co.jp/goods/goodsdetail.jsp?gCode=894950
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=4339
https://www.cm-language.co.jp/books/businesskeigo/
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