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3ステップのトップバッター 「思い出す」│試験勉強に活かせる3ステップ記憶勉強術

3ステップのトップバッター 「思い出す」│試験勉強に活かせる3ステップ記憶勉強術

いきなり、アウトプット!

前回の記事「記憶を使って勉強する」』で、あなたの記憶を使って勉強を効果的・効率的にする勉強法・3ステップ記憶勉強術をご紹介しました。今回から3ステップのそれぞれを詳しく解説します。

まずは1つめ、「思い出す」

さっそくですが、思い出してみてください!

今日勉強したことや昨日勉強したこと、また、今から勉強すること、あなたが勉強したいことを思い出してみてください。

「もう勉強したことなら思い出せますが、今から勉強することはまだインプットもしていないので、思い出すことは無理でしょう?」

そう思う人がいるかもしれませんが、何でも構いません。まずは思い出しましょう。

 

参考までに、私と受験生の会話の例をご紹介しましょう。こんな感じです。

私:「思い出してみてください。今から何を勉強するのでしょう?」

受験生:「民法ですが……」

私:「思い出せましたね。素晴らしい! 民法のどの項目か思い出せますか?」

受験生:「今日はこれから、相続、特に遺言のところだったと思います」

私:「今やったように、まずは思い出してみてください」

このように、いきなりアウトプット! 「思い出す」から入るのが3ステップ記憶勉強術です。

 

使える記憶を明確にせよ!

さて、あなたが今、思い出せたものはどこから出てきたものですか?

そうです。あなたの「記憶」です。

思い出すことによって、あなたがすでに記憶している知識を引き出し、明確にしたのです。そして、あなたのこの記憶が、これから新たに理解、記憶しようとする知識にとって、なくてはならない存在になります。

それはなぜか?前回の記事で解説した理解・記憶の原理を思い出してください。3ステップ記憶勉強術の根底にある原理です。

そうです。その原理とは「記憶を使って勉強する、つまり、理解する、記憶する」こと。
新たな知識の記憶、理解には、これまでに蓄えてきた記憶が欠かせないからです。思い出すことは、この「記憶」を明確にして、新たな知識のやりやすくする効果があるのです。

 

3ステップ記憶勉強術は「攻めの勉強」

もちろん、思い出して記憶を明確にしなくても、新たな知識を理解・記憶することはできます。新たな知識に触れたときに、自然とそれに関連する記憶が反応してつながるからです。しかし、それでは「待ちの勉強」になり、非効率です。

これに対して、思い出すことは、自分がすでに持っている記憶をはっきりさせて積極的に突き出すことになります。そして、その記憶の「棒」が、そこに関連する知識を引っ掛けて理解・記憶を進めていく「攻めの勉強」になるのです。

あなたは、テキストを読んでいて、ただ字面を追っているような読み方になることはありませんか?時間をかけて読んだのに、「あれ?何が書いてあったっけ?」という残念な勉強です。
でも、「思い出す」から始めて、自分の持っている記憶を明確にしてから読むことで、そんな時間のムダともいえる勉強はもう二度と起こりません。

まずはいきなりアウトプット! 思い出すから始めましょう。

 

「ほんの少しでも」がキーフレーズ

「でも、やはり、いきなりだと何も思い出せませんよ……」

そんな人がいるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか? 次の質問を自分に投げかけてみてください。それは……。

「ほんの少しでも思い出せることは何だろう?」

この言葉どおり、思い出せることは「ほんの少しでも」良いんです。極端な話、あなたが今取り組んでいる試験の名前は思い出せるでしょう。また、試験科目名も思い出せるかもしれません。そうやって考えていくと、だんだんと言葉、フレーズが思い出せるでしょう。

そして、少しでも思い出せたらその記憶を使って、3ステップの次のステップ、「問いに変える」、さらには「ざっくり読む」を進めていけばいいのです。

あなたが「何も思い出せない」「全然思い出せない」といった言葉を口にしないか、注意してください。そして、そんな言葉に気づいたら、すかさず「ほんの少しでも…」と自分自身に質問しましょう。
そうすれば、必ず、3ステップ記憶勉強術を実践し始めることができます。

次回は、思い出すに続く、2つめのステップ、「問いに変える」について解説します。

(参考:宇都出雅巳 著 『暗記が苦手な人の3ステップ記憶勉強術』 実務教育出版刊) 3ステップ記憶勉強術講座

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