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3ステップの隠れた1ステップ「くり返す」│試験勉強に活かせる3ステップ記憶勉強術

3ステップの隠れた1ステップ「くり返す」│試験勉強に活かせる3ステップ記憶勉強術

3ステップを行なって記憶できたことは?

前回まで3ステップを一つずつ解説していきました。実際に「思い出す」「問いに変える」「ざっくり読む」の3ステップを行ってみて、いかがだったでしょう?
あなたの記憶はどう変化し、成長したでしょう?

「確かに、少しだけれども記憶が進んだ……」

という人がほとんどでしょう。また、

「全然、覚えていない……全く変化ないです」

という人は、「思い出す」の解説の最後でご紹介した質問を使ってみてください。

3ステップ記憶勉強術講座

「ほんの少しでも思い出せることは何だろう?」 

です。そうすれば、ほんの少しかもしれませんが、

「あ、これは覚えている」
「少なくともこれは記憶できているんだ」

ということに気づくはずです。

そして、実はあなたはもうすでに「思い出す」のステップに入っています。「ざっくり読む」をした後、自分の記憶の状態を知ろうと思えば、自然と「思い出す」というステップに戻るのです。

「思い出す」をした後、次はどうしますか? と聞くまでもなく、次に行うのはおわかりですよね。
「問いに変える」を行ない、次に「ざっくり読む」というように3ステップがくり返されていきます。この「くり返す」ことが、3ステップに隠されたもう一つのステップであり、重要な要素なのです。

なお、「くり返す」といっても3ステップという行動は同じですが、中身は同じことのくり返しではありません。だんだんと記憶が定着し、さらに新たな記憶が結びつき、それはまるで雪だるまを作るときのように、あなたの記憶はどんどん固まり、大きくなっていきます。

 

「思い出す」=「自己テスト」。これを意識して続けるのがカギ

ここで再度、強調しておきたいのは、3ステップの最初のステップ、「思い出す」ことです。

勉強というと「読む」というインプットがどうしても中心に考えられがちです。そして、アウトプットは、インプットを続けたあとに、どこかのタイミングで問題集に取り組む、試験、テストを受けるという形で行われ、インプットを評価する、サブ的なものと位置付けられがちです。

しかし、この3ステップ記憶勉強術は違います。「思い出す」というアウトプットがスタートになり、軸になります。これはあなたがすでに覚えていることと、まだ覚えていないことを分けて、現状を明確にすることができるからです。いわば、自分で自分をテストする「自己テスト」の役割を果たすのです。

何か目標を達成するためには、目標を明確にすることはもちろん大事ですが、それと同じぐらいに大事なのが、現在地点、現状を明確にすること。あなたがどこかに行くにしても、現在地点がわからなければ、目指す地点がわかったとしても、どちらに進めばいいかわからないでしょう。

ただ、この現状を明確にすることは言葉を換えれば、「現実と向き合う」ことであり、最初はそんなに気持ちのいいものではありません。このため、「思い出す」ことをついつい避けてしまいがちです。

ですから、3ステップの最初として「思い出す」を強調し、あなたもこれを特に意識し、行うようにしてもらいたいのです。そして、これさえ行えば、あとは自然とついてきます。

 

「即時フィードバック」で勉強がゲームに変わる

なんだか、「思い出す」を辛い行動だと思わせてしまったかもしれませんが、辛く感じるとしても最初のうちだけです。3ステップを続けていけば、だんだんとそれが当たり前に、そして逆に気持ちよくなってきます。

たとえば、あなたがサッカーのゴール練習をしているとしましょう。あなたが今蹴ったボールがゴールできたか、また、ゴールできたにしてもできなかったにしても、どこに飛んだかを知りたくはありませんか?

実際には蹴ったあとのボールの行き先を見ればわかりますが、もしこれが見えないとしたら逆に困るでしょう。「思い出す」をしないと、このボールの行き先を見ないまま、見せられないまま、黙々とゴール練習を続けるようなものです。このように、「思い出す」を続けていくと、なくてはならないものになってきます。

また、自分の勉強の結果がすぐにわかるようになると、どんどん勉強にハマるようになります。これがゲームに人がハマる条件の一つでもある「即時フィードバック」になるからです。

「即時フィードバック」というのは、すぐに、自分の行動の結果が知らされること。この「即時」というのが重要です。先ほどのゴール練習の例のように、すぐに結果がわかるから「よし次はこうしよう」というようにすぐに次の行動に移り、リズムが生まれ、どんどんハマるのです。

なお、取り組む課題が難しすぎると、やってもやっても変化、成長が感じられないと、ハマるどころか逆に嫌気がさしてしまいます。こうならないために、「ざっくり読む」の「ざっくり」が効きます。がんばって細かいところをたくさん勉強しないからこそ、「思い出す」ことで適度な変化、成長が感じられて、だんだんとハマっていくのです。

 

「ゆっくりじっくり一発で」から「すばやくざっくりくり返して」へ

「思い出す」「問いに変える」「ざっくり読む」、そして隠れたステップである「くり返す」。

この3ステップ記憶勉強術によって、あなたの持つ記憶をフルに活用しながら、記憶を雪だるま式にどんどん増やしていくことが可能になります。ぜひ、実践活用していってください。

なお、それぞれのステップはどれも難しいものではありません。シンプルなものです。ただ、実はこれはあなたに大きなパラダイムシフト、つまり、思考の枠組み自体の転換を迫るものでもあります。

どんなパラダイムシフトかと言いますと、「ゆっくりじっくり一発で」から「すばやくざっくりくり返して」へというパラダイムシフトです。

人はできるだけ楽をしたいと思っています。もちろん私もそうですし、それが悪いことではないのですが、その思いが、ついつい1回でうまくやりたい、失敗せずに行いたいというふうになりがちです。
そしてこれが、ゆっくりじっくり完璧に準備できてからやろうとして、なかなか実行できない「完璧主義のワナ」にはまる原因となります。勉強でいうと、ゆっくりじっくりわかるまで読んでから次に進もうとなり、なかなか次に進めない原因になるのです。

もちろん、しっかり準備することも大事ですし、しっかりわかることも大事でしょう。でも、そこにとらわれて止まってしまうことで失っていることが多いのも事実です。

成功した人は完璧に準備して失敗をせずに1回で成功しているでしょうか? そうではないですよね。ビジネスにしろ、ノーベル賞を受賞するような研究にしても、そこにあるのは数えきれないほどの失敗とそこで落ち込むことなく、行動をくり返していった末の成功です。

「ゆっくりじっくり一発で」から「すばやくざっくりくり返して」へ

この3ステップ記憶勉強術であなたの勉強、そして仕事、人生でも大きなパラダイムシフトを起こしてください。次回は最終回となりますが、この3ステップ記憶勉強術を加速させる“飛び道具”としての記憶術をご紹介します。


(参考:宇都出雅巳 著 『暗記が苦手な人の3ステップ記憶勉強術』 実務教育出版刊)

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