皆さんは「管理業務主任者」についてご存じでしょうか?
管理業務主任者試験の受験者は毎年15,000人程度ですが、合格できれば不動産業界への就職・転職や、キャリアアップの面で有利になります。
そんな管理業務主任者試験のおすすめ勉強法について、科目別に計4回にわたってお伝えします。連載第1回の今回は、「管理業務主任者試験のおすすめの勉強法(総論)」がテーマです。
実は、管理業務主任者試験の出題傾向には特徴があります。事前に特徴を把握しておけば、効率的に学習を進められるのです。
そこで本記事で、試験全体の出題傾向と、出題傾向を踏まえたおすすめ勉強法をお伝えします。私の実体験(反省点)も踏まえて具体的に記載しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
管理業務主任者試験はどんな試験?合格に必要な勉強時間は?
管理業務主任者試験は、毎年12月1週の日曜日に実施されます。
年度 | 受験者数 (人) |
合格者数 (人) |
合格率 | 合格基準点 (満点50点) |
---|---|---|---|---|
2019年度 (令和元年度) |
15,591 | 3,617 | 23.2% | 34 |
2020年度 (令和2年度) |
15,667 | 3,739 | 23.9% | 37 |
2021年度 (令和3年度) |
16,538 | 3,203 | 19.4% | 35 |
2022年度 (令和4年度) |
16,217 | 3,065 | 18.9% | 36 |
2023年度 (令和5年度) |
14,652 | 3,208 | 21.9% | 35 |
合格率は20%前後です。
問題は計50問で、全て四肢選択式で出題されます。1問1点で50点満点の試験ですが、合格基準点は試験内容を踏まえ毎年変動します。
直近5年は34点~37点で変動しているので、目標を40点にするのが無難です。
合格に必要な勉強時間は、300時間~500時間程度といわれています。幅があるのは、不動産業界での実務経験の有無や、他の法律系・不動産系資格試験の勉強経験の有無などで、試験内容の理解度に個人差があることが理由です。
なお私の場合は、既に宅建に合格していたこともあり、管理業務主任者合格までの勉強時間は300時間程度でした。
管理業務主任者試験の試験内容や出題の特徴は?
試験内容は、以下の3つに分類できます。
- 法律系
- 建設・設備系
- 管理実務系
50問のうち、「法律系」から25問程度、「建設・設備系」から15問程度、「管理実務系」から10問程度出題されます。
各分野の出題傾向や難易度には若干違いがあるので、分野ごとにメリハリをつけて学習するのが望ましいです(詳細は次回以降の記事で説明します)。
ただ、どの分野でも「条文・判例の正確な理解」が共通で問われます。
特に「法律系」では細かい知識が問われるので、生半可な理解では正解することはできません。重要条文は丸暗記するつもりで覚える必要があります。必要に応じて、自分なりに重要事項を図表などでまとめておくのも効果的です。
また、管理業務主任者試験では、過去問と似た問題が繰り返し出題される傾向があります。テキスト内の出題履歴や重要度を参考にするほか、直近の過去問を解くことで、出題傾向をつかめます。過去問は最低でも直近5年分(計250問)は解いておきましょう。
管理業務主任者試験のおすすめの勉強法を紹介
前述の通り、試験内容・出題傾向を早めにつかめば試験で問われるポイントを事前に把握できるので、学習開始段階から過去問演習に取りかかるのがベターな勉強法です。
なお、管理業務主任者試験の試験内容は、「マンション管理士試験」とも類似しているので、マンション管理士試験の過去問対策も有用です。
ちなみに私は1回目の受験では不合格でしたが、思い返してみると、当時はインプットに時間を使いすぎるあまり、過去問演習にまで手が回らなかったのが原因だと考えています。
というのも、市販の基本テキストは800ページ程度と量が多く、内容を1周するだけでも一苦労します。
基本テキストを読み終えてから過去問演習に入りましたが、本番まで時間がなくて過去問演習が十分にできませんでした。
基本テキストを読み終える前にでも、並行して過去問演習に取りかかった方がよかったのでしょう。
また、私は市販の基本テキストと過去問集を購入して独学で勉強を開始しましたが、過去問集に加えてオンライン講座などで過去問演習に取り組んでおけば、より少ない勉強時間で合格できたかもしれません。
管理業務主任者の勉強は細かい条文暗記とアウトプットがカギ
連載「管理業務主任者の科目別勉強法」、第1回はおすすめの勉強法・総論をお伝えしました。
繰り返しになりますが、管理業務主任者試験では細かい知識が問われるほか、過去問類似の問題が繰り返し出題されますので、過去問演習に取り組みながら必要事項をインプットしましょう。
次回以降で、各分野の勉強法を解説します。第2回は「法律系」の分野を取り扱いますので、ご期待ください!
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