活字離れが叫ばれるようになって久しい今日この頃。
文化庁の調査(2014年実施)によると、漫画・雑誌を除く本を1ヵ月に3冊以上読む人の割合は17%。
2009年に行われた同調査と比較し、全年齢層で読書量が減っており、1冊も本を読まない人の割合は2002年の調査と比較すると10ポイント近く増加しています。
しかし、一般的に読書家の人は知識だけでなく語彙力や高い教養も兼ね備えていることが多いですよね。
読書には、知識が増える以外の効果もあるのです。
今回は、読書で得られるメリットについて考えてみました。
読書のメリット1 語彙が増える
「語」は言葉、意味を表すもの、「彙」は集めるという意味があり、語彙は簡単にいえば「単語や表現」のこと。複雑な概念や感情を伝えるためには、的確に表現するための単語や表現を知っている必要があります。
例えば英語で自分の気持ちを正確に伝えようと思っても、的確に表す表現や単語が出てこずにもどかしい思いをした経験はありませんか?
語彙に関して、ベネッセと朝日新聞が2016年に行った調査において、読書量が多い人ほど語彙が豊富であることがはっきりしました。
また1ヵ月の間に1冊も読まない人に対し、1~2冊読む人の語彙力は約13ポイントも高く、1~2冊と10冊以上読む人の差は約10ポイント。
まったく読まない人と月に10冊以上読む人の語彙力の差は23ポイントなのですが、この結果から月に1冊でも読書をすれば、語彙力向上に役立つことが読み取れます。
「会話のみ」「文章のみ」で使われる言葉も存在します。どちらかというと会話のほうが使用する語彙は少なめなので、日常的に文章に触れていないと語彙力は培われないのです。
読書のメリット2 読解力が上がる
近年はスマホの普及もあり、スマホでニュースやブログなど文章を読む機会が増えていますよね。
読書をする時間はないけれど、スマホで毎日ニュースをチェックしているし、SNSだって使いこなしているから、自分の読解力は大丈夫、と思っていませんか?
私はWebライターをしていますが、今まで契約したすべてのクライアントから、「スマホで見ることを前提に、1文は長くて100字まで」「主語と述語を近づけ、中学生でも理解できる平易な文章で」「それ・これといった指示語は使わない」といった指示をされています。
1文が長くなったり、指示語を入れたりするとユーザーに情報が伝わなくなるから、というのが理由です。
一部の専門情報サイトは別として、大多数のネット上のコンテンツはデバイスを考慮し「読みやすさ」を優先させます。
しかし紙に印刷してある文章は、「ディスプレイの中に収まるように」「流し読みでも頭に入るように」といった配慮は不要。
もちろん参考書や雑誌など、ぱっと見て頭に入るレイアウトにする必要があるものもありますが、読みやすさよりも内容をしっかり伝えるほうに重点を置いています。
そのぶん、読者は自分で内容を理解しながら読み進めていかなくてはなりませんが、これこそが読解力向上につながるのです。
というわけで、読解力を鍛えるには、シーンや人物の心情を想像したり、独特の言い回しが多かったりする小説がおすすめです。
読書のメリット3 教養が身に付く
教養とは知識を得ることで身に付く知恵のこと。読書をすると知識が増えますが、それにより多角的にものを見られるようになります。
また知識が多いので常識があり、マナーがよく、相手を尊重することもできます。そうした立ち居振る舞いからにじむ知識の多さ、思慮の深さなどを「教養」というのです。
教養を身に付けるためには、頭でっかちではなく体験として多くを学ぶ必要があります。 かといって、海外の美術館や博物館、有名な先生の講義など気になるものすべてに赴くことは不可能ですよね。
そんな時、読書をすれば美術館や博物館の解説、先生の講義などを「追体験」できます。 読書は知識を増やすだけではなく、言葉を通して内容を体験できる行為なのです。
読書のメリット4 偉人の考えに触れられる
先ほどの教養の話とつながっていますが、偉人の考えに触れられるのも、読書の醍醐味ですよね。世界を動かすほどのカリスマの思考回路を、本人または本人をよく知る人の視線で覗くことができます。
「偉人は特殊な存在、そんな人の考えに触れることになんのメリットがあるの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、偉業を成し遂げた人の考え方、意識の持ち方は一般的に通じるものばかりです。そして、そうした偉人の考えを自分の中に取り込むことは、とても重要です。なぜなら、自分の経験だけで意識のアップデートをするには、限界があるからです。
また成功の体験談は、純粋に読み物として楽しいですよね。本田宗一郎にしてもスティーブ・ジョブズにしても、成功体験だけでなくどん底の経験もしています。
そんなどん底からの大逆転物語は純粋に読んでいて楽しいですし、「この人には及ばないけど、自分もがんばろう」という前向きな気持ちにさせてくれます。
読書のメリットを要約すると、
語彙が増える 読解力が上がる 教養が身に付く 偉人の考えに触れられる
などが挙げられます。
逆に読書をしないと「語彙力」「読解力」の低下が顕著に表れます。
近年の読書離れは子どもにも影響しており、特に国語の読解力低下は教育現場でも危機感を覚えるほどです。
読解力がないと、文章から必要な情報を読み取れないため、勉強や仕事にも悪影響が出ます。
読書のメリットは、フィクション・ノンフィクションどちらでも得られます。今日は帰り道に書店に寄って、気になる本を探してみてはいかがですか?
次回は「読書嫌いを克服するコツ」についてお伝えします。
参考URL:
- https://www.sankei.com/premium/news/141011/prm1410110018-n1.html
- http://www.jpic.or.jp/press/docs/2009JPIC_research_R.pdf
- http://www.goi-dokkai.jp/research/pdf/research160915_02.pdf
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