ビジネスの場でミスをしてしまい、謝罪しなければならなくなった経験はありませんか?そんなとき、保身に走り、言い訳や反論をしていませんか?
どんなに気をつけていても大なり小なりミスは起こるもの。ですが謝罪するときの態度次第では、事態が余計にこじれてしまうことがあります。
そこで重要となるのが謝罪の仕方です。
「できるビジネスマンの言い方」シリーズ、今回は謝罪編をお届けします。言葉を言い換えてピンチをチャンスに変えましょう!
できるビジネスマンの言い方「謝罪編」
謝罪のコツ:やるべきこと
まず、謝罪する際に「やるべきこと」をご紹介していきます。
スピーディに対処する
どのような理由があるにせよ、1分1秒でも早く謝罪するに越したことはありません。遅れれば遅れるほど問題も大きくなってしまいます。
気が重いかもしれませんが、相手の怒りを鎮めるためにも即対処することが大切です。
責任を認める
自分の落ち度やミスを素直に認めることで、相手の心証をさらに悪くするのを防ぐことができます。誠意のある謝罪の言葉を伝えれば、相手の怒りも多少は鎮まるはずです。
相手がいる場所へ出向いて謝罪する
電話やメールでの謝罪では、なかなか誠意が伝わりません。状況にもよりますが、トラブルやクレームなら、相手先の企業へ出向いて謝罪する方が効果的でしょう。
相手の話を聞く
相手の怒りを聞き続けるのは苦痛ですが、永遠に怒り続ける人はいません。相手の怒りが静まるまでグッとこらえて聞くようにしましょう。
非言語コミュニケーションで誠意を伝える
言葉だけでは誠意が伝わらないこともあります。表情、視線、声色、態度などの非言語コミュニケーションを駆使して、誠意を伝えるようにしましょう。
謝罪のコツ:やってはいけないこと
以下は、謝罪する際には絶対にやらないように注意してください。
責任転嫁
あなたに対して怒っているのに、相手や第三者に責任を転嫁するような発言をすれば、火に油を注ぐようなもの。怒りはヒートアップしてしまいます。
反論
「お言葉を返すようですが」「しかしですね」などと言いたくなるかもしれませんが、相手が怒っているときに反論すれば、問題が悪化するだけ。反論は禁物です。
開き直る
「謝れば済むなら謝ります。申し訳ありませんでした」なんて開き直れば、救いの手はありません。取引先はもちろん、上司に対しても絶対にしてはならない対応です。
逆ギレ
ビジネスパーソンとして言語道断の対応です。「いったい私にどうしろと言うのですか」などと発言しないように注意しましょう。
お詫びの言葉を言わない
謝罪に行ってお詫びの言葉を言わないなんてありえないと感じるかもしれません。
しかし弁解ばかりして、お詫びの言葉を最後まで言わないというケースも見受けられます。「すみませんでした」「申し訳ございませんでした」など、謝罪の言葉は最初に言うべきでしょう。
相手に伝わる!謝罪の5つのステップ
謝罪する際のコツが分かったところで、実際のステップをご紹介していきます。
反省しているのに相手に「誠意が感じられない」「弁解ばかりしている」と思われないためにも、以下のステップを覚えておきましょう。
1. 責任を認め、お詫びの言葉を述べる
2. 今後の具体策を告げる
3. 必要に応じて経緯を説明する
4. 相手を思いやる言葉を添える
5. 最後にもう一度お詫びの言葉を述べ、謝罪の気持ちを伝える
Step1
まず、自分の責任を認め、お詫びの言葉を述べることで、相手の心証の悪化を防ぎます。
Step2
その後、問題が大きくならないように今後の具体策を告げるようにしましょう。
Step3
必要があれば、具体策の後に経緯を説明します。具体策を告げずに経緯を説明すると、弁解に聞こえてしまう恐れがあるので注意しましょう。
Step4
「いつもお世話になっているにも関わらず、ご迷惑をおかけし申し訳ありません。必要があれば、事情説明にお伺いいたします」というように、相手を思いやる言葉で誠意を伝えましょう。
ピンチの場面でも誠意が伝わり、今後のチャンスに結びつけることができるかもしれません。
Step5
最後にもう一度お詫びの言葉を述べ、今後につなげる形で謝罪を終えるようにしましょう。
謝罪時の言い換えの具体例
ビジネスの場で謝罪する際の言い方を以下に示していきます。OK例の言い換えをよく確認してみてください。
上司から資料のミスを指摘され謝罪する場合
NG例:
「部長の指示通りに作成しましたが…承知しました。やり直します。」
OK例:
「申し訳ありません。すぐにやり直して、明朝には修正したものを提出いたします。(お詫び)
指示の確認が甘く、誤った形で進めてしまいましたが、今後は指示をよく確認するようにいたします。(今後の具体策)
今回のことで自分の早合点な部分を知ることができましたので、これを機に、慎重に業務に取り組むことを目標に頑張っていきたいと思っています。(誠意を伝える)
ご指摘に感謝いたします。ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。(再度お詫び)」
NG例では、ミスが部長のせいであるかのように発言しているうえ、今後の具体策などもなく、まったく誠意が感じられませんね。
一方OK例では、最初にお詫びの言葉が述べられ、具体策や経緯などもきちんと盛り込まれた言い換えになっています。
納期遅れで怒っている取引先に謝罪する場合
NG例:
「A部長、申し訳ありません。海外での部品調達でトラブルがありまして…。急がせていはいるんですが、状況が状況なもので、納品日は今のところはっきりしません…」
OK例:
「A部長、この度は弊社の不手際で大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。(お詫び)
海外での部品調達の問題とはいえ、お詫びの言葉もありません。できるだけ早い納品を指示しております。正確な納品日が判明次第、あらためてご連絡申し上げます。(今後の具体策)
御社で問題が大きくなっているようであれば、事情説明に伺いますのでお知らせください。(誠意を伝える)
この度はご迷惑をおかけし、本当に申し訳ございませんでした。A部長の信頼を回復できるよう、これまで以上に努力していく所存です。(再度お詫び)」
NG例では、最初にお詫びの言葉が述べられていますが、言い訳がましく、はっきりとした具体策も明言されていないうえ、誠意が感じられません。
一方OK例では、相手に伝わる謝罪のステップを意識した謝罪になっており、誠意もよく伝わるのではないでしょうか。
謝罪の5つのステップについてご説明しました。いかがでしたか?
なお謝罪する際には、ステップやお詫びの言葉も重要ですが、非言語コミュニケーションも大切です。
これらのテクニックや言い換えを活用して上手な謝罪の仕方を身に付ければ、ビジネスパーソンとしての強い武器になるはず。ぜひ参考にしてみてください。
「できるビジネスマンの言い方」、次回はあいづち編をお届けします。お楽しみに!!
参考URL
https://allabout.co.jp/gm/gc/313353/
https://allabout.co.jp/gm/gc/424152/
http://any-stress.com/how-to-good-apology
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