普段あまり気にすることがない「あいづち」ですが、話の腰を折ることなくあいづちを打てていますか?
あいづち次第で話を盛り上げたり、本音を引き出したりすることが可能なため、ビジネスシーンでも重要な役割を果たしています。
適切なあいづちで聞き上手になるのは、話すこと以上に難しいことかもしれません。
「できるビジネスマンの言い方」シリーズ、今回はあいづち編をお届けします。ぜひ参考にしてみてください。
できるビジネスマンの言い方「あいづち編」
「あいづち」のタイプ5つ
まず「あいづち」のタイプをご紹介します。
1 同意
「はい」「ええ」「なるほど」など。うなずくなどの動作も含まれます。
2 感嘆
「へぇ~、そうなんですか!」「すごいですね~」「驚きです!」など。目を丸くするなどの動作も含まれます。
3 疑問
「そうなんですか?」「本当ですか?」など。眉をひそめる、首をかしげるなどの動作も含まれます。
4 話をうながす
「それで、どうなりました?」「もっと教えてください」など。テンポの早いうなずきなどの動作も含まれます。
5 自分の意見
「私もそう思います」「私は逆ですね」など。
普段、何気なく使っている「あいづち」には上記のようなタイプがあり、これらをうまく使って相手との言葉のキャッチボールをスムーズにしています。
相手をイラッとさせる「あいづち」5つ
次に、ビジネスシーンで相手をイラッとさせる「あいづち」をご紹介します。
自分のあいづちと比較してみてください。もし心あたりがあるなら、今後は言い換えた方がいいでしょう。
同じ言葉の繰り返し
「はい、はい、はい」「ええ、ええ、ええ」「ほう、ほう、ほう」など。同じ言葉の繰り返しは耳障りです。
がんばって聞いているのかもしれませんが、連呼されるといい加減な返答に聞こえることがあるので注意しましょう。
「確かに」「なるほど」の乱用
「確かに」や「なるほど」は同意を表すあいづちですが、頻繁に使用すると「自分はすでにそのことを知っていた」という「上から目線」の印象を与えてしまうことも。
ビジネスの場でこれらのあいづちを使用する場合は、「なるほど、その通りですね」「確かに、よくできていますね」のように言い換えるようにしましょう。
また、「なるほどですね」と言う人がいますが、この使い方は間違いです。もちろん、敬語でもありません。
「なるほど」は副詞ですが、「ああ!」などと同様に感動詞としても用いられ、そこから「なるほどですね」がビジネスの場でも使われるようになったと考えられています。
上司や取引先に対して「なるほどですね」というあいづちを打てば、間違いなく話の腰を折ることになるので避けましょう。
大げさすぎる
「えーっ!」「本当ですか!?」「どうしてですか!?」などの大げさなあいづちは、相手を不快にさせるだけで、ビジネスシーンで使うべきではありません。
相手は疲れるばかりか、バカにされていると感じてしまうかもしれません。
相手の話を最後まで聞かずにあいづちをする
相手の話にかぶせるようにあいづちを打つと、話を聞いていないという印象を与えることも。相手の話は最後まできちんと聞くようにしましょう。
あいづちの代わりに笑う
「はは」「ふふっ」など、あいづちを入れるタイミングで笑う人は要注意。相手はバカにされていると感じるでしょう。
上手な「あいづち」4つのコツ
「あいづち」に関する知識が深まったところで、実際の場面で上手に「あいづち」を打つコツをご紹介します。
前述の「相手をイラッとさせるあいづち」を避けるだけでなく、以下のコツにも注意しましょう。
視覚的情報で言葉を補う
うなずいたり目を合わせたりしながらあいづちを打つと、聴覚と視覚の両方から情報を受けることになるので、相手に「よく聞いている」ことが伝わりやすくなります。
もちろん、アクビやよそ見は言語道断。
声のトーンや大きさを使い分ける
声のトーンや大きさを使い分け、驚きや残念な気持ちなどを補いましょう。
キーワードを繰り返す
相手の話の中でキーワードとなる言葉を繰り返したり、内容を要約して相手に確認したりすると、積極的に聞いているという印象を与えることができます。
あいづちの基本「さしすせそ」
心理学でも実証されている、あいづちの基本「さしすせそ」のフレーズを使い分けてみましょう。
さ:さすがですね
し:知りませんでした/実力ですね
す:すごいですね/すてきですね
せ:センスがいいですね/絶対~ですね
そ:そうですね/それはすごいですね、
「あいづち」言い換えの具体例
あいづちの言い換えの実例を示していきます。上司や取引先との会話にお役立てください。
上司に間違いを指摘された場合
NG例:
上司「ここが違うんじゃないかな?」
部下「はあ」
上司「こんなんじゃ、困るんだよね」
部下「はあ、どうもすみません」
OK例:
上司「ここが違うんじゃないかな?」
部下「ごもっともです」
上司「こんなんじゃ、困るんだよね」
部下「申し訳ありませんでした」
NG例ではあいづちがあやふやで、悪いという気持ちが伝わりませんね。
一方、OK例では上司の意見に同意したうえで謝罪するという言い換えになっているので、上司の気持ちも多少は和らぐでしょう。
取引先に値引きの相談をされた場合
NG例:
取引先「円高傾向が続いているため、○○製品の卸売価格○%の値下げをお願いしたく、ご連絡申し上げた次第です」
自社「なるほど」
取引先「つきましては、明日御社へお伺いできればと存じますが、ご都合の程はいかかでしょうか?」
自社「なるほど、なるほど。うん、そうですね」
OK例:
取引先「円高傾向が続いているため、○○製品の卸売価格○%の値下げをお願いしたく、ご連絡申し上げた次第です」
自社「さようでございますか」
取引先「つきましては、明日御社へお伺いできればと存じますが、ご都合の程はいかかでしょうか?」
自社「かしこまりました。部長の予定を確認次第、こちらから折り返しご連絡いたします」
NG例では上から目線の「なるほど」を乱用しているうえ、訪問に対してYesかNoかの返答をあいまいにしています。
一方、OK例では相手の要求に対応する返答になっています。
相手の申し出には、「そうですか」と言うより「さようでございますか」「かしこまりました」などと言い換えるようにしましょう。
なおビジネスシーンでは「うん」の使用は論外。自分自身に対して「うん」と言うのが癖になっている人も少なくないので注意が必要です。
ビジネスシーンにおける「あいづち」で最も重要となるのは「タイミング」。タイミングを誤ると逆効果になるので注意しましょう。
また、相手をイラッとさせるあいづちを避け、「さしすせそ」のフレーズを意識しながら、視覚的な情報を発信することも忘れずに!
「できるビジネスマンの言い方」次回は苦情編をお届けする予定です。お楽しみに!
参考URL
http://toyokeizai.net/articles/-/168493
http://toyokeizai.net/articles/-/167887
https://ddnavi.com/news/338895/a/
https://goo.gl/vdEd8Z
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