フリーアナウンサーの古橋拓真と申します。
「話し方」お悩み相談室(全10回)コラムでは、話すことについて、よくある悩みを解決していきます。
前回に引き続いて、悩みを解決するために必要な「テクニック」と、悩みと向き合っていくための「心構え」の両面から話をしていきますね。
さて、第3回のお悩みは…
「これってすごく言いづらんです…(サ行編)」
です。
解決法:テクニック編「息の吐き出し方」
多くの人が苦手とするサ行。まずはどのようなメカニズムで発音されるかを見てみると、
①上の歯と下の歯を合わせる
②「スー」と歯の間から息を吐きだす(一瞬だけ)
③口を開けると同時に声を出す
という、①~③の動きに分けられます。
サ行がうまく発音できないという人は、この①~③の間がどこかいい加減になっている可能性が大きいです。
例えば、②の時間が長すぎると、「スァ、シィ、スゥ、セェ、ソォ」という発音になってしまうし、②が無いと「アイウエオ」に近い発音になってしまいます。また、②の時に息をうまく吐き出していないと「シャシィシュシェショ」とシャ行になってしまうんです。
皆さんもゆっくり「サシスセソ」と「シャシィシュシェショ」を言ってみてください。歯の裏に当たる息が違うのがわかると思います。
その違いを感じられたら、
サセシスセソサソ
ショシャショシェシュシィシェシャ
シャシェシィシュシェショシャショ
ソサソセスシセサ
と発音練習をしてみましょう。その時は是非レコーダーなどで自分の声を聞いてみてください。最初は恥ずかしいと思いますが、すぐになれます。自分で自分の声をチェックしながら練習していきましょう。
解決法:心構え編「気にしすぎない」
…と、ここまで書いてきましたが、実は私自身サ行は苦手です。そして、多くのアナウンサーも同様に苦手としています。ですから、苦手でもそんなに悲観的になることはありません。
アナウンサーも苦手とする理由は、「その日の体調などによって発音しにくくなる」ということが挙げられると思います。
特に、緊張していたり、外からの中継などで寒かったりすると、上手く口の周りの筋肉が動かず、うまく発音できないということがあります。逆に考えると、それだけささいなことに影響を受けやすいものなのだから、あまり気にし過ぎず話すことも大事なのかなと私は思います。
次回は、「ラ行」がうまく発音できない…というお悩みについて解決していきます。お楽しみに。
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