こんにちは!フリーアナウンサーの古橋拓真と申します。
この連載コラム「話し方」お悩み相談室では全10回にわたって、話すことについて、よくある悩みを取り上げ、解決していきます。
まずは、悩みを解決するための「テクニックの話」を、そしてその後に、どういう気持ちでその悩みと接していけばいいかという「心構えの話」をしていきます。
テクニックをただ身につけるだけではなく、心構えについても考えると、あなたの声が、話がより良いものに変わっていきますよ!
さて、第1回のお悩みは…
「声が小さくて、“ぼそぼそしゃべっている”とよく言われるんですが…」
です。
解決法:テクニック編「声の大きさが大事なのではない」
皆さんの中には、「とにかく大きな声を出せばいいんじゃないの?」と思う方もいらっしゃることでしょう。
しかし、そうしようとすると、多くの方は、「怒鳴ってしまう」ことが多いです。当然聞きづらいですし、長時間話すことが(そして聞くことも)難しくなってしまいます。
大事なのは、声の大きさではなくて、声がお腹から出ているか。いわゆる「腹式呼吸」で話すことができるかが大事です。
腹式呼吸のイメージは、「お腹を大きく膨らませて息を吸い、お腹に溜まった空気を出しながら息を吐く」です。息を吸う時に、肋骨が膨らんでいたり、肩が上がっていたりする場合は、力を抜いて、とにかくお腹を膨らませることを心がけましょう。
いきなりできるようになる、というのは稀ですが、だんだんできるようになっていけばOKです。
慣れてきたら、息を吐きながら声を出してみましょう。人によっては、びっくりするくらい大きな声が出ることがあります。それが、あなたにとっての「一番聞きやすい声」です。焦らずに、ゆっくりでいいので、「自分の本当の声」を探してみてください。
具体的なトレーニング方法は、「話し方入門講座 ビジネス編」で実践してますので、イメージがわかない方は合わせて確認してみてください。
解決法:心構え編「話す準備をしっかり行う」
ここまで、声の出し方についてお話してきましたが、本当のことを言うと、それだけでは足りないのではないかと思います。いくら明快な声で話したとしても、自分の話すことに疑いであったり、嘘があったりしたら、伝わるものも伝わりません。
また、それを隠そうとすると、一際、大きな声で話そうとしてしまいます。そうすると、確かに物理的には聞き取りやすい声になるとは思いますが、「押しつけがましい」というイメージがついてしまいます。そんな風に思われてしまうのって、絶対に損ですよね。
大切なのは、「すべてのことに自信を持って話すこと」―それは、とても難しいことなのかもしれません。仕事が絡んでくればなおさらのことだと思います。そのために必要なのが、「話す準備」です。
例えば、
話す内容について下調べをする 何かしらの質問が来たとしても、スムーズにこたえられるよう、Q&Aを想定しておく
などです。
アナウンサーという職業をしていると、仕事の時間のうち、実際に人前やカメラの前で話す時間は1~2割くらいしかないことに気づきます。その他の時間は、自分が話すことの準備に使われるんです。そのくらいの準備をして、初めて話すことに自信が出てくるのだと私は思っています。
ですから、ぜひ皆さんには、「準備」にも力を入れていただいて、話すことに向き合ってほしいですね。
次回は、声が「聞き取りづらい」といわれてしまうお悩みについて解決していきます。お楽しみに。
関連する記事が他にもあります
「話し方」お悩み相談室(全10回)
- 「スピーチが苦手なんですが、することになってしまって…」解決法はただひとつ!
- 「雑談が苦手なんですが、どうすればいいですか?」おすすめは○の話をすること
- 「プレゼンで予定外のことがあると、頭が真っ白に…」○○を準備するのが成功の秘訣!
- 「大勢の人の前で話すと、緊張してしまうんです…」緊張したらどう乗り切るか
- 「敬語が正しく使えず、恥ずかしい思いをすることがある…」賢く覚える方法とは?
- 「すごく言いづらいんです…(外来語編)」読みやすくする意外な裏ワザ
- 「すごく言いづらいんです…(ラ行編)」滑舌の悩み解消するならまずラ行!
- 「すごく言いづらいんです…(サ行編)」滑舌が悪くなる原因と解決方法
- 「声が聞き取りづらいのは滑舌が悪いから?」○○を意識すると改善する!
- 「声が小さくてボソボソ聞こえる…」そう思われる原因と克服テクニック