フリーアナウンサーの古橋拓真です。前回からスタートした「話し方」お悩み相談室の連載ですが、「声が小さく、“ぼそぼそしゃべっている”と言われる…」のお悩み解決は読んでいただけましたでしょうか?
今回も悩みを解決するために必要な「テクニック」と、悩みと向き合っていくための「心構え」の両面から話をしていきますね。
さて、第2回のお悩みは…
「自分の声は「聞き取りづらい」らしい。滑舌が悪いのかな?」
です。
解決法:テクニック編「口を縦に開けるのがポイント」
アナウンサーになってよく訊かれるのが、「滑舌をよくするにはどうすればいいか?」という質問です。ただ、相談された方の声をよく聞いてみると、本当に滑舌が悪いというケースはあまり無いんです。
どちらかというと、発声そのものに問題があって、声が小さかったり、声が前に上手く飛んでいなかったりするので、結果として滑舌が悪く聞こえてしまうことが多いのです。(詳しくは前回を見てくださいね!)
…とは言っても、滑舌そのものが悪い方も多くいらっしゃると思います。滑舌の悪さを克服するには、色々な練習法がありますが、その時には、「あごの筋肉」を意識してやってみてください。
滑舌をよくするには、「口を縦に開ける」必要があります。実はこれ、簡単なようで難しい…。ただ、口の中のスペースを大きくして、舌をうまく動かせるようにするには必要なことなんです。
口を縦に開けることを意識するには、「頬に手を当ててしゃべってみること」をしてみましょう。口を縦に開いている時には、頬が縦に伸びていることを感じられると思います。逆に横に開きすぎてしまっても、それを意識することができると思います。特に、「イ」や「エ」では、横に開きすぎて、「ゥイ」や「ゥエ」に近い音になってしまうので気を付けましょう。
練習をするための文は、何でもよいと思います。いわゆる滑舌練習の文を使ってもいいですし、新聞の記事を読むのもいいかもしれません。自分が習慣にできる方法でやってみてください。
解決法:心構え編「ある言葉から学んだこと」
私もアナウンサーになったばかりの頃は、滑舌の悪さに悩まされていました。色々相談したり、自分なりに試行錯誤したうえで、上記の方法にたどり着いたのですが、その中で、ある方から聞いた話がとても印象に残っています。
それは、「古橋、例えば織田信長とか豊臣秀吉が滑舌悪かったと思うか?」というものです。確かによく考えてみると、信長や秀吉のような多くの人を率いる人物、しかも命を懸けて戦っている人物の滑舌が悪かったら、指示がうまく伝わらず、歴史が変わっていたかもしれません。
私がこの言葉から学んだこと。それは、「言葉の大切さ、言葉の力が強いことをしっかりと実感しておくことが、滑舌が良くなる近道」ということです。皆さんも、言葉の大切さについて改めて考えてみてください。
次回は、多くの人が苦手とする「サ行」の発音を改善したい、というお悩みを解決していきます。お楽しみに。
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