はじめまして、ドローンスクールインストラクター天宮です。
3年前に初めてドローンに触れ、ドローンの未来を確信しました。そこから、ドローンの世界に飛び込み、失敗と経験を重ね、今は空撮や国家資格講習の仕事に携わるようになりました。
今回は初心者の方へ向けて、ドローンの資格や魅力について、5回に分けてお伝えしていきます。
「ドローンって免許(資格)がないと飛ばせないの?」
ドローンに興味はあるけど、やってみようか悩まれている方からよく聞かれる質問です。
実は、免許(資格)がなくとも飛ばせます。しかし、初心者からしたら本当?と思ってしまいますよね。
連載第1回ではドローン初心者に向けて、- なぜ資格(民間資格・国家資格)があるのか?
- 資格は必要なのか?
- ドローンの国家資格とは何か?
また、資格取得のメリットをわかりやすく説明し、ドローンの世界への一歩を踏み出す原動力となる情報をお届けします。
ドローン業界の目覚ましい進化と未来
まず、ドローン業界の今の状況をお話ししましょう。
ドローン業界は目覚ましい進化を続けていて、その市場規模は2027年には約8,000億円に到達すると予測されています。
だれでも手軽に飛行ができるドローン。筆者がドローンの魅力を感じたのは空撮でした。何気なく参加した初心者講習で空撮体験をし、上空から映し出された風景が見慣れた場所のはずなのに別世界の風景に映り、衝撃を受けました。
このようにドローンと言えば、真っ先に空撮を思い浮かべる人が多いでしょう。実際は農業及び点検分野の市場が大きく伸びています。つまり、ドローン業界は勢いがあり、多くのビジネスチャンスが見込めます。
さらに、2022年12月航空法の改正により、新たな制度が施行されました。その中の1つに国家資格制度があり、ドローンの利活用拡大の後押しをしています。
とはいえ、ドローンの国家資格とは何なのか漠然としていて、具体的なメリットや必要性がわからないという方が多いのではないでしょうか。
今まさに成長市場であるドローン業界は、必然的にドローンパイロットの需要が高まると予想されます。経験や実績が重要ですが、それらがない初心者にとってはドローン資格を取得することで参入しやすくなり、キャリアや副業のチャンスが広がるでしょう。
ドローンの国家資格制度が新設された理由
2022年12月5日の航空法改正により施行された新制度の1つが、ドローンの国家資格制度です。
この国家資格制度は正式には「無人航空機操縦者技能証明制度」といい、「一等無人航空機操縦士」「二等無人航空機操縦士」、この二種類の資格が新設されました。
新設された理由は、法改正前に禁止されていたレベル4飛行(有人地帯での補助者なし目視外飛行)を実現するためで、これにより格段にドローンの活用範囲が拡大します。
レベル4飛行により実現できる未来の活用方法には、- スタジアムでのスポーツ中継や、写真、映像撮影のための空撮
- 市街地や山間部、離島などへの医薬品や食料品などの配送
- 災害時の救助活動や救援物資輸送、被害状況の確認
つまり新設された国家資格制度は、今まで禁止されていたドローンの飛行を可能とし、新たなドローンの未来を切り開くための制度といえます。
思い描いていたドローンの飛行が、現実味を帯びてきたといえるでしょう。
ドローンの飛行と資格の関係
冒頭で説明したように、ドローンの免許や資格がなくてもドローンを飛ばすことは可能です。しかし、ドローン業界の至る所で免許や資格といった言葉が使われ、飛び交っています。なぜだと思いますか?
ドローンは飛行制御技術やセンサー技術の進化により、安定した飛行が可能となり、初心者でも簡単に飛行できるようになりました。
しかし、安全かつ確実に飛行させる力がパイロットには求められます。そのため、幅広い知識と高い技術の証明として、民間のドローンスクールが発行している民間資格・免許が判断の基準として用いられています。これが、免許や資格という言葉をドローン業界で耳にする理由の1つです。
新設された国家資格は、国が一定の基準を定めドローンを飛行させるための知識や技術を有する証明となり、民間のスクールが発行していた資格に成り代わる資格です。
国家資格を有することで、一部高難度の飛行や申請の省略ができるようになります。
また、それとは別に、依頼主や第三者から見たドローンパイロットの信頼度を高める効果も期待できます。
筆者は民間資格も国家資格も取得していますが、空撮を始めた当時は資格もなく知識も乏しく、飛行をしている時にドローンに関して尋ねられ、説明に苦しむ局面もありました。
資格があることは信用に繋がりますが、経験や実力があってこその資格です。独学でもドローンは学べますが、しっかりと基礎知識と技術を学べる資格講習を受講することが、初心者の成長に一番効果的な方法です。
連載「初心者でも狙える!ドローン国家資格とは?」今回は、免許がなくても飛ばすことはできるドローンについて、なぜ国家資格が新設されたのか、その背景とあわせて初心者向けに情報をお届けしました。
初心者でも実績を積み上げることで、プロのドローンパイロットとして活躍の可能性があります。
そのため国家資格の取得は、安全な飛行と法律の遵守の保障、そして信頼に繋がることを考えると重要な意味を持つといえるでしょう。
次回はドローンの国家資格について詳細を掘り下げ、民間資格との差や関係性をお届けします。
参考URL:
https://research.impress.co.jp/topics/list/drone/643
https://www.mlit.go.jp/koku/level4/
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