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「曇り一時雨」と「曇り時々雨」はどう違う?気象予報士が教える天気予報の見方

「曇り一時雨」と「曇り時々雨」はどう違う?気象予報士が教える天気予報の見方

皆さん、こんにちは!気象予報士である筆者が、実生活に役立つ天気予報の正しい見方を指南するこの連載。
第1回第2回では、天気予報や天気図の見方を紹介しました。この記事により、天気予報がいつもの数倍、楽しく見られていたら嬉しいです!

ただ、天気予報を見ていると、気象予報士から聞いたことがない言葉、もしくは聞いたことはあっても意味をちゃんと知らない言葉が出てくることがありませんか?

連載第3回の今回は、天気予報で気象予報士が話している、「時々」「のち」「所により」など、実はよく知られていない気象用語について、わかりやすく解説します!

天気用語をしっかり理解することで、天気予報の活用度がぐっと上がるはずですよ。

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「一時」「時々」「のち」の違いとは?

天気予報で「曇り、一時雨」や「曇り、時々雨」、「曇り、のち雨」というのを聞いたことがあると思います。この「一時」と「時々」と「のち」の違い、あなたはわかりますか?

3つの用語を使うときの気象の様子を図にしてみたので、まずはこちらをご覧ください。

天気予報を見るポイント

気象用語で見ると、「一時」と「時々」は以下のように定義されています。

“「一時」は、現象が連続して起こり、その期間が予報期間の4分の1未満であること
「時々」は、現象が断続して起こり、その合計時間が予報期間の2分の1未満であること”

出典:ウェザーニュース

簡単に言うと、「一時」短い時間に連続して起こること「時々」は降ったり止んだりでもトータルでは「一時」よりも長い時間続くということになります。

天気予報で「時々」と聞いたら、「一時」よりも雨が長く降るんだな、と思い出してみてください。

また、この「一時」と「時々」の他に、「のち」という言葉もよく聞かれます。
「のち」は、予想される天気の順番を示しています。「晴れのち曇り」と解説されるときもありますが、「晴れ 昼過ぎから曇り」など、より時間を詳しく言うこともありますよ。

他にも、「曇り、のち時々雨」というように、用語をミックスして解説することもあります。これは、「初めは曇り、その後も曇りが続くが、期間の1/2以内雨が降る」ということです。

「曇り、のち一時雨」だと、午後に短い時間雨が降ると考えておけばいいですね。この場合、「午後に一時雨なら傘は必要ないな」などというように解釈できるようになります。

このように、用語を理解するだけで、天気予報の見方や解釈がきっと変わるはずです。しっかり活用してみてくださいね。

「所により」ってどんな意味?

次に、気になる言葉が「所により」です。例えば「曇り、所により雨」などと使います。では、先ほどの一時と時々と何が違うのかを説明していきましょう。

「所により」とは、予報を対象にしている区域内でその現象が起こることです。
例えば、「曇り、所により雨」なら、「予報の対象になっている地域のどこか一部で雨が降る」ということになります。

「所により」を使う場合は、局地的な雨が予想されるときや、降る地域が狭い場合、雨の降り方が弱くてまばらなときなどに使うことが多い表現です。

そしてやっかいなことに、「所により」は天気予報の天気マークには現れません。「曇り、所により雨」のとき、画面上には曇りマークのみ表示されるのです。

気象予報士が「所により…」などという場合は、「場所によっては雨が降りますよ」ということになります。このようなときは、「所により雨」なんだなと思って、自分の関連する地域の話がでるかどうか、より注意して天気予報を聞いてみてください。

ここでもやはり、見方だけでなく、気象予報士の話をしっかり聞くことが大切だということがわかりましたね。ぜひ、覚えて活用してみましょう!

「未明」や「夕方」は、何時から何時まで?

天気予報では時間を、「未明」や「夕方」などという用語で表します。しかし、日常生活で「夕方」は使っても、「未明」はあまり使いませんよね。

ここでは、この2つが具体的に何時のことを示しているか、またその他時間の用語について説明します。

天気予報を見るポイント

実は、時間を指す用語は、上の図のように3時間ごとに決められており、0時〜3時は「未明」、3時〜6時は「明け方」、6時〜9時は「朝」などと定められています。

しかし、9時や10時を「昼前」、15時や16時を「夕方」と言われてもピンとこないですよね。そう、皆さんの時間の感覚と天気予報で使う時間は、少し違うこともあるんです。

また、「明け方や夕方は、季節によってタイミングが変わるじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、予報用語上ではこのような決まりがあるので、用語の使い方が季節で変わることはありません。
一度覚えると、すぐ理解できると思いますので、ぜひ覚えてみてください。

例を挙げると、「昼過ぎから夕方にかけて雨」という場合は12時から18時の間で雨が降るとなります。そして他にも、「昼ごろ」は11時から13時、「日中」は9時から18時なども気象用語として決まっています。

これら天気予報で使う時制を把握して、より天気予報の理解を深めてみてくださいね。

天気予報を見るポイント

今回は、知っているようで正しく知らなかったであろう、気象用語をご紹介しました。これを機会に天気予報の見方が変わり、気象予報士の話が、さらに正しく伝われば嬉しいです。

さて、連載最後の第4回は、きっと誰かに話したくなる天気の雑学を教えます。これを知っていれば、少しだけ人よりも天気を知っていると言えますよ。お楽しみに!

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