皆さん、こんにちは!
気象予報士試験の勉強、はかどっていますか?皆さんきっと「はかどっているのかどうか、よくわからなくて難しい」というのが正直なところではないでしょうか。
どれだけ勉強すれば気象予報士の試験に合格できるのかという明確な基準が無いのですから、当然の答えです。
とはいえ、どれくらいの勉強期間・勉強時間で合格できるのかは気になる部分ですよね。
連載「初学者向け気象予報士勉強法」、今回は私自身の経験を振りかえり、どれくらいの勉強時間だったのか、そして合格に向けた勉強スケジュール例をご紹介します。
気象予報士試験に合格するには何が必要?
勉強期間や勉強時間について考える前に、まずは何をどれだけ勉強すればよいのかについてお伝えします。
そもそも気象予報士試験に合格するためには、「知識を身に付ける」というプロセスと「問題を解く能力を身に付ける」という2つのプロセスが必要です。
必要なプロセス① 気象の基礎知識を身に付ける
気象予報士試験合格の大前提として、気象に関する基礎知識は十分に理解しておく必要があります。
その基準となるのが、これまでに紹介した書籍「一般気象学|小倉義光(著)」です。
トータル320ページに及ぶ本ですから、独学で目を通すだけでも難しいことが予測できます。
しかも、内容は大学生・院生が学ぶ講義レベルですから、気象学初心者にとっては高いハードルです。
いきなり一般気象学に挑戦しても挫折する可能性大です。特に独学ならば、より入門に近い本を読み込むことも求められるでしょう。
それとて簡単に理解できるものではありませんから、勉強時間をしっかり確保して、勉強法も工夫することが必要となります。
必要なプロセス② 問題を解く能力を身に付ける
気象予報士の実技試験は、予報文を書いたり前線を描いたりと、かなり特殊で難しい内容です。
そのため、気象の基礎知識を身に付けているというだけでは、試験に合格することはできません。
私の知り合いで、大学で気象学を専攻していたにも関わらず、気象予報士取得を諦めたという人がいます。
大学院まで出た彼女は、気象の知識は十分身に付けていたはずですが、気象予報士試験特有の対策に時間が取れなかったのでしょう。
問題を解く能力を身に付けるには、過去問題演習をしっかりとこなす必要があります。
私は直近19回分の過去問題を8~15回繰り返し勉強しました。これにもやはり、相応の勉強時間が必要です。
合格にはどれくらいの勉強期間が必要?
気象予報士試験に合格するためには基礎知識をしっかりと身に付け、その上さらに、問題を解く能力が必要となります。
まず、気象の基礎知識を身に付けるのにかかる勉強期間を考えてみましょう。文系なのか理系なのか、そしてどれくらいの基礎知識を持っているかによって違ってくるとは思いますが、理系の知識がなければ、1年間は必要です。
そして、実技試験の備えとして、問題を解く能力を獲得するのに半年は要します。ですから、合格までの勉強期間はトータル1年半と考えておくとよいでしょう。
私は高卒で理系の知識なし、独学で勉強をはじめました。もともと数学がさっぱりできず、九九も忘れていました。勉強期間は1年4ヵ月半(500日間)です。
気象予報士試験合格までの勉強時間は?
気象予報士試験合格までに必要な勉強時間は、平均約1,000時間と言われています。やっぱり気象予報士試験は難しいと思われますか?
けれども、1年半の間に1,000時間勉強すればいいのです。1日あたりでは1時間50分の勉強。適切な勉強法で日々コツコツと2時間弱の勉強を続ければ合格!というわけです。
さて勉強時間は、スタート時点での理系知識の程度により異なります。理系の知識がなければ約1,200時間、ほどほど理系の知識があると約1,000時間、大学で理系分野出身ならば約800時間が目安でしょう。
理系の知識がなかった私の勉強時間は、1,144時間でした。1日あたり2時間17分です。毎日タイマーを使って勉強時間を計りました。タイマーをかけて学習するのはと、集中して学習できるので、して効率的に学べる勉強法の1つだと思います。
私の失敗│丸暗記では合格できない
私は9月に試験勉強を開始。数学や算数が苦手で、九九も割り算もできなかったので、まずは小学生レベルの計算ができるよう、百マス計算ドリルを500日間毎日欠かさずやりました。
私が得意だったのは、読書と丸暗記。まず、気象の簡単なしくみは、小学生中学生向けの本を20冊ほど読み、次に「一般気象学│小倉義光(著)」を数回読みました。その後、過去問題を丸暗記しました。
翌年1月、「学科試験(一般)」と「学科試験(専門)」には合格しましたが、実技試験は不合格。同じ年の8月に受験しても、やはり実技試験は不合格でした。
気象予報士試験は、学科試験の一部または全部の科目に合格した場合には、合格した科目の試験が1年間免除されます。つまり私の場合、次の受験でふたたび実技試験が不合格ならば、その次の試験では、学科試験から受験をやり直さなくてはいけませんでした。
実技試験を2回も不合格になったのは、解答の丸暗記が原因です。特に「学科試験(一般)」を丸暗記で片付けてしまったのがよくなかったと思います。
例えば、わかりやすい一例として、「湿った空気は、乾いた空気よりも軽い」のですが、これをそのまま丸暗記しても、記述式である実技試験では通用しません。「湿った空気が軽い」というのも、常識で考えるとちょっと腑に落ちませんね。実際、濡れたタオルは乾いたタオルより重いです。
しかし、空気は気体です。すべての気体はアボガドロの法則により、同温・同圧のとき、同体積中に同数の分子を含んでいます。空気の分子量は約29ですが、水蒸気の分子量は18です。
仮に箱の中に10個の分子が入っているとします。乾いた空気ならば、その1つずつの重さが29で、全体では290という重さですね。
ところが、そのうち2個の分子が水蒸気だとすると、全体の重さは29×8+18×2=268、つまり290より軽くなります。
※図は筆者作成
単なる丸暗記ではなく、このように化学や物理の法則を根本から理解して、過去問題を演習すればよかったと深く後悔しています。そのためには、やはり学科試験対策に1年間かけるべきでした。
理系の知識がなければ約1,200時間かかると言われています。1日2時間の勉強ならば600日、合格まで約1年半というのは、かなり現実的で妥当な期間だと思われます。
ただし、大学で理系分野出身ならば約800時間とのこと。こういった方が1日2時間強の勉強時間を確保できるなら、1年間で合格できるでしょう。
また、1日8時間勉強できる環境の方なら、理系の知識がなくても、半年ほどで合格可能かもしれません。
気象予報士試験│勉強スケジュール例
では、理系の知識なしで始める勉強法をご紹介します。約1年半の勉強法です。
勉強開始から約半年
入門書を多数読みながら、高校物理・高校数学の復習をしましょう。物理・数学は気象で必要なところだけで結構です。
難しいですが「一般気象学│小倉義光(著)」も並行して学びます。
過去問題を十分演習して、まずは「学科試験(一般)」に合格しましょう。
次の約半年
もうすでに基礎知識が蓄えられてきています。
過去問題を中心に何度も繰り返し勉強しましょう。知識問題は正確に暗記し、復習を重ねて記憶を定着させます。
そして「学科試験(専門)」の合格を勝ち取りましょう。
その次の約半年
「実技試験」こそ、過去問題の演習が重要です。
問題を解く能力を身に付けるために、自分の解答と模範解答の違いを念入りに分析しましょう。
過去問題を十分にマスターできていれば、実技試験も合格可能です!
今回は気象予報士合格までの勉強期間・勉強時間、勉強スケジュール例についてご紹介しましたが、参考になりましたか?
理解すべきことはたくさんあります。特に独学の方は、しっかり予定を立てることが肝心です。
次回は「気象予報士試験の合格に必要な力と勉強法とは?」についてご紹介します。ぜひチェックしてください!
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