「毎日忙しくてなかなか勉強する時間が取れない…」
「勉強の中でも暗記が苦手…」
そうお悩みの方に、短時間で効率良く勉強できる「図解勉強術」をご案内します。
人間の脳の特性を上手く活かしたこの勉強法を身に付ければ、記憶できる情報の量や思い出しやすさが飛躍的に変わってくるはずです。
連載「図解勉強術(全5回)」、2回目。前回で説明した「キーワードの抽出」に続き、抽出したキーワードを繋げ、関連付ける方法についてご説明します。
図解勉強術(全5回)
- 基礎編1「キーワードを抽出する」
- 基礎編2「キーワードを繋げる」
- 基礎編3「図解のパターン10種」
- 実践編1「文章・表を図解化してみよう」
- 実践編2「文章から年表を作ってみよう」
図解勉強法2-1 キーワードを線で繋ぎ、関係性を「見える化」する
前回は、文章からキーワードを抜き出す方法についてご説明しました。
今回はいよいよ、キーワード同士を繋げて関連付ける方法をご紹介します。
下の図は、連載1回目で提示した例文「子供は成長すると大人になる」という文章からキーワードのみを抽出したものです。
このキーワード同士を繋げて文章にある関係性を示すと、下図のようになります。
例が示しているのは、「子供」が、「成長」という時間とともに生じる「変化」に伴い、「大人」になるという現象です。
2つのキーワードの関連性「変化」を子供から大人へと向かう矢印で示し、2者間の関係を直感的にわかるように「見える化」しています。
その上に「成長」という説明を添えて、よりわかりやすくしているというわけです。
では次から、繋げる線によって関係性を図示する方法を具体的にご紹介しましょう。
図解勉強法2-2 線を矢印にすることで変化や関係性を示す
図解勉強法では、キーワード同士を線で繋ぐことで、その2者間に何らかの関係があることを表します。
ここで線を矢印にすると、矢印の元から先へという流れが生まれますよね。これにより、AB間を「移動」する物質や情報の存在、AからBへ変わるという「変化」、Aが原因でBになったという「原因」を見える化します。
線の関係性「移動」
これは「書店」で「消費者」が書籍や雑誌を受け取る代わりに代金を支払うという、小売りの仕組みを示した図です。
2者間を金銭や商品が移動する現象を、お互いを行き来する矢印で表しました。
線の関係性「変化」
この図の矢印は、「氷」は暖かくなって溶けると「水」になり、「水」は氷点下で固まると「氷」になるという、状態の変化を表しています。
線の関係性「原因」
この図は試験勉強を示しています。
ほとんどの場合、試験で合格を勝ち取るためには勉強が必須です。
短期間で大幅な力の向上が望める「効率の良い勉強」を取り入れることで、試験に「合格」する確率がより高まるという原因と結果を示しています。
図解勉強法2-3 線を変化させることで関係の質を示す
次は、線のバリエーションについてご説明しましょう。
キーワード間の関係性にはさまざまな種類があるはずです。そんな関係の質や濃淡は、線そのものの変化で示しましょう。
線の関係性「対等」
例えば、キーワード間の関係が仲間・同士など対等な関係にある場合は、実線で繋ぎます。これが基本の線です。
鎌倉幕府をひらいた源頼朝と「尼将軍」の異名を持つ北条政子とは婚姻関係にあり、北条政子は源頼朝の正室です。夫婦は対等で深い関係にあるので、実線で繋いでみました。
線の関係性「対立」
キーワード同士が対立している場合は、線の両端を矢印にするとわかりやすくなります。
上の図は、異母兄弟の関係にある源頼朝と源義経の関係を示しています。兄弟でありながら殺し合うほど仲が悪かったので、線の両端を矢印にして反発する様子を表しました。
線の関係性「濃淡」
繋がりの濃さや強さを他の繋がりと区別したい時は、二重線や太線で強調するといいでしょう。逆に繋がりが弱い時は、点線など希薄なイメージの線を使います。
上の図は、源義経の婚姻関係を示しています。義経には多くの妻がいたそうですが、ここでは正室の郷御前と、側室の静御前をピックアップしました。
当時の婚姻事情は今とは大きく違い、現代の私たちが考えるような「正室が正妻で側室は妾のようなもの」というわけではなかったようですが、ここは覚えやすさを優先して、正室を実線、側室を点線で表しました。
また点線は、過去や未来など「今は実在しない」という意味を含ませたい場合にも向いています。
これは、ある電車の路線図です。現在は△駅が終点ですが、以前はその先にも◆◆線が続き、◆駅などがありました。しかし◆◆線はxx年に廃線、◆駅も廃駅になっています。△駅の先は現在では存在しない過去のものなので、点線で示しました。
図解勉強法2-4 1つのキーワードを複数に、複数のキーワードを1つにする
ときには1つのキーワードが複数に分散、または複数のキーワードが1つに集約することもあるでしょう。
これから紹介する図解は、組織図や家系図などの形で見たことがある人も多いと思います。化学反応や企業の規模拡大の様子なども、この図解を活用することでスッキリ整頓できるようになるでしょう。
上の図は、家系図の一般的なモデルです。時間は基本的に上から下へ流れていきます。早く生まれた人が上、子供世代はその下にどんどん繋げていきます。婚姻関係は繋がりを強調するために、二重線で示してみました。
そしてこの図は、ある会社の合併の歴史を示しています。
このように図解の矢印は、基本的には上から下、左から右へと向かいます。これは人間の目線の自然な流れなので、統一した方がわかりやすくなるでしょう。
今回は、図解勉強術 基礎編2「キーワードを繋げる」について解説しました。
図解勉強法は直感に訴えかける勉強法です。図解をパッと見ただけで感覚的に内容がわかるように、自分に合う表現を工夫するといいでしょう。
次回は図解勉強法 基礎編のラスト。図解のパターンについてご紹介します。
参考図書:
『すべての勉強は、「図」!でうまくいく』(永田豊志/三笠書房)
参考サイト:
「日本史探究スペシャル」(BS-TBS)
http://www.bs-tbs.co.jp/rival/bknm/46.html
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