スマホが登場し、スケジュール管理はアプリで行えるようになりました。アプリもまた種類が多く、カスタマイズもある程度できます。これだけアプリが豊富なら、紙の手帳は売上が落ちてきていると思っていませんか?
しかし、「手帳は高橋」のキャッチコピーで知られる高橋書店によると、スマホ時代に入っても手帳の売上は前年度越えを続けているそうです。つまり、手帳は根強い人気があるツールであるということ。
今回はスマホ時代にあえて手帳を持つ理由や、スマホとの使い分けのコツについて考えてみたいと思います。
スマホにはない手帳ならではのメリットって?
スマホでのスケジュール管理はとっても便利ですが、手帳の売上が堅調であることを考えると、ユーザーの一定数はスケジュール管理において、スマホと併用、または手帳だけを使用していると言えます。
逆に言えば「スマホだけでは物足りない」と考えているユーザーが一定数いるということです。
何に対して物足りなさを感じていると思うか、試しに私のまわりで仕事をしている人に聞いてみたところ、
・セキュリティ面
・スマホが壊れたら/停電などでバッテリーが切れたら使えなくなる
・バックアップが面倒くさい
・人前でポチポチ扱うのが失礼になる気がする
・急ぐときにスマートに扱えず、おたおたしてしまう
などの不安があるのではないか、という声があがりました。
セキュリティに関しては、クラウドアプリだと情報流出や、乗っ取りでログインできなくなるなどの不安がつきまといます。
壊れたりバッテリーが切れたりして、デバイスが使い物にならなくなると大切なデータにアクセスできなくなるというのも、スマホならではのデメリットです。
その点、手帳だと手帳の管理さえしっかりできていれば情報流出は起こりませんし、停電やバッテリー切れの影響もありません。
人前でスマホをポチポチしづらいというのも、一理あります。特に上司や顧客の前では、遊んでいるわけではないのですが、ちょっとやりにくいですよね。
その点、手帳だとスマートにメモをしているように見えます。
また、急ぐときに限って操作ミスをやりがちというのも、スマホならではの「あるある」です。
手帳ではページを開くだけなので、操作ミスが起こりようもありません。スマホのほうが手帳より得意なことって?
もちろん、スマホのほうが手帳よりも優れている点もあります。これについても周囲に聞いてみたところ、
・リマインダー機能
・スケジュール共有
この2つはスマホ、というかデジタルならではのメリットだと、意見が一致しました。
手帳は扱いやすい一方で、アラームは鳴らしてくれませんし、職場内のスケジュールを自動で共有もしてくれません。そこは自分で気を付けるなり、手間をかけて共有を図るしかないのです。
以上のことから、スマホのスケジュール管理アプリと紙の手帳では得意とする分野が異なるため、ユーザーの一定数はこの2つを使い分けているのではないかと推測できます。
では、スマホと手帳はどのように使い分けるのがおすすめなのでしょう?スマホと手帳を使い分けるコツ
まず、手帳の最大のメリットについて考えてみましょう。それはもう「扱いが簡単」の一点ですよね。
電源もアプリを扱う知識も必要なく、手帳のほかはペンさえあればOK。気になることはさっとメモし、情報の更新も簡単にできて、履歴も一目瞭然です。
このことから「流動的なこと」に関しては手帳を使って管理するのがおすすめ。
例えばアイデア、はっきり決まっていないミーティング、いつ使うかは未定でもとりあえずメモしておきたい人の名前や連絡先など。
続いて、紙の手帳にはできなくて、スケジュール管理アプリが得意な点について考えてみましょう。「リマインダー機能」と「スケジュール共有」の2つがありましたね。
ということは、「決定したこと」に関してはスマホを使って管理するのがおすすめ。
例えば日時がはっきりしているミーティング、訪問や来客の予定、やるべきタスクなど。決定事項なら、他のメンバーとデータや予定を共有しておくと便利ですよね。
つまり、スマホは「スケジュール管理を可視化するツール」として使うのがおすすめ、ということが言えるでしょう。
高橋書店によると、若い人にはスケジュール管理以外の自由欄が充実している手帳が人気なのだそうです。対して、年配者にはスケジュール管理のみに特化しているものが人気だそう。
自由欄が大きいものが人気ということは、若い人にとって手帳は、気になるもの、アイデアなどを書き留めるツールでもあるということです。
スマホでメモしようとするなら、スマホを取り出し、アプリを起動し、アイデアをメモして登録する。一方で手帳なら取り出して筆記用具でアイデアを書きこむ。手書きのほうがスピード感はありますよね。
また、手で書くことで頭の中の情報が整理されるうえに、目で文字を見ることで強く印象に残ります。アイデアを忘れにくくなるという効果もあるのです。
では、最後に今回の記事をまとめておきましょう。
手帳はセキュリティ面や使いやすさ(気軽さ)でスマホより優れている リマインダー機能、スケジュールの共有などをしたいならスマホがおすすめ 流動的なものは手帳がおすすめ、決定事項についてはスマホがおすすめ
これらのポイントを押さえ、手帳とスマホを上手に使い分けしていきましょう。
次回は、手帳の基本レイアウトと手帳の選び方についてご紹介します。
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