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初心者でも狙えるドローン国家資格。その取得方法と実地試験のコツを解説!

初心者でも狙えるドローン国家資格。その取得方法と実地試験のコツを解説!

こんにちは、ドローンスクールインストラクターの天宮です。
私がインストラクターとして所属している登録講習機関では、ドローン国家資格に興味のある方や受講を検討している方に向けて、説明会を開催しています。

説明会ではたびたび、「登録講習機関で講習を受ければ、すぐに資格が取得できるのですか?」と質問されるのですが、答えは「NO」です。

講習を受ければすぐに資格取得ができるという誤解をされないよう、連載「初心者でも狙える!ドローン国家資格とは?」第4回となる今回は、初心者からドローン国家資格を取得するまでの流れ資格取得方法を詳しく解説します。

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ドローン初心者は「登録講習機関の講習を受ける流れ」がおすすめ

前回の記事でドローン国家資格取得方法には、登録講習機関を経由する流れと、登録講習機関を経由せず指定試験機関で受験する流れの2つがあることを説明しました。

指定試験機関での実地試験は、ドローンの経験が豊富でないと合格は難しいため、初心者の方には登録講習機関での受講をおすすめします。

下図は、ドローンの国家資格取得までを表した図です。
緑色が初心者向けの「登録講習機関を経由するコース」、オレンジ色は経験者向けの「登録講習機関を経由せず指定試験機関で受験するコース」です。

出典:手続きの案内>無人航空機操縦士試験全体の流れ
出典:手続きの案内>無人航空機操縦士試験全体の流れ ※吹き出し・白抜き数字・英字記号はオンスク運営事務局による

上図の①~⑤の流れについて説明します。

① 技能証明申請者番号を取得する

国土交通省が提供するサイト、ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)を使用しアカウントを作成後、技能証明申請者番号の申請を行い取得します。取得までに約1週間かかるので余裕を持って申請しましょう。

また、上図の初心者向けコース(登録講習機関を経由する緑色のコース)で資格取得をするなら、受講予定の登録講習機関の事務所コード(7桁)も入力必要。わからない場合は受講希望の登録講習機関に問い合わせてみましょう。

② 登録講習機関で講習を受ける(初心者向けコースの場合)

登録講習機関の講習内容は、学科講習、実地講習、修了審査の3つです。
修了審査に合格すると、指定試験機関(一般社団法人 日本海事協会)での実施試験が免除されます。
ここまでで登録講習機関の講習は終了となり、以降は指定試験機関の試験申込システムを使用して試験が進みます。

③ 指定試験機関での受験(初心者向けコースの場合)

【a】試験申込システムの利用者登録(アカウント登録)をする

日本海事協会の無人航空機操縦士試験申込システムへアクセスし、利用登録(アカウント登録)をします。

国家資格には一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の2つの種類があり、3つの試験(学科試験・実地試験・身体検査)を受ける必要があります。

【b】学科試験を受ける

試験運営サービス プロメトリックのWebサイトから申込みます。各都道府県に数ヵ所ある試験会場で、コンピューターベースのテスト(CBT)方式で行われます。

一等無人航空機操縦士は75問70分間、正答率90%以上で合格です。
二等無人航空機操縦士は50問30分間、正答率80%以上で合格です。

【c】実地試験を受ける(経験者向けコースの場合)

実地試験では、5つの試験科目がありますが、これらの科目については後で詳しく説明します。なお、登録講習機関で実施される修了審査と試験内容や審査基準は同じです。

【d】身体検査を受ける

身体検査は有効な公的証明書(自動車運転免許証等)か医療機関の診断書の提出、指定試験機関の身体検査受験、いずれかの方法で受験が可能です。

④ 試験合格証明書を発行する

学科試験・実地試験・身体検査のすべてに合格したら、試験申込システムを通じて試験合格証明書の発行を申請します。

⑤ 技能証明書の交付申請をする

試験合格証明書が発行されたら、ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)から発行手続きを行い、手数料を支払うことで国家資格(無人航空機操縦士技能証明)が交付されます。

気になる実地試験(修了審査)の詳細

気になる実地試験(修了審査)の詳細

初心者の方が最も気になるのは、実地試験(修了審査)の内容でしょう。
実地試験(修了審査)5つの試験科目の内、実際にドローンを飛行させるのは一部にすぎません。

実地試験(1)机上試験

5分間でドローン飛行に関する資料を読み、4つの問題(4択)に答えます。
制限時間が短く情報が多いため、問題文をよく読み答えを導き出すよう心掛けましょう。

実地試験(2)口述試験(飛行前点検)

日常点検表へ記入をしていきます。
実際にドローンや送信機を手に取り、ねじのゆるみや傷の有無など、飛行前の点検が適切に行えるかを確認します。

実地試験(3)実技試験

審査の指示や採点を行う試験官(修了審査員)の指示に従って、実際にドローンを飛行させる試験です。
試験コース上に飛行範囲と減点区画、失格区画が設定されています。
ドローンが飛行範囲外に半分以上侵入すると減点となり、さらにコースを外れていくと失格です。

二等の実技試験では3つの課題が用意されていますが、3つすべて合わせても、実際に飛行させる時間は約15分です。

実地試験(4)口述試験(飛行後の点検と記録)

飛行後に、飛行前に行った点検を再度行い、最後に飛行日誌へ飛行した日時、場所、飛行時間などの情報を記載します。

実地試験(5)口述試験(事故、重大インシデント報告)

事故や重大インシデント(重大事故につながる事象)に対する適切な対応について、口頭で試験官(修了審査員)に回答します。
事故や重大インシデントの定義や発生時の対応を問われる内容です。

実地試験(修了審査)は、実際にドローンを飛行させる実技試験が注目されがちですが、それ以外の科目も重要で、十分な試験準備が必要です。
登録講習機関の講習では、試験対策の講習が行われるので、初心者の方は講習にて十分に学び、対応できるようにしておきましょう。

実地試験(修了審査)の試験対策のヒント

実地試験(修了審査)は100点からの減点方式で、一等は80点以上、二等70点以上で合格となります。

減点方式の試験は、どのように減点を避けるかが重要です。点検項目が多岐にわたり、1つでも点検を忘れると5点減点となるため、絶対に点検忘れをしないよう細心の注意が必要です。
登録講習機関の講習では点検に関して詳細の説明を受けられるので、講習中に確実にこれらを覚えてしまいましょう。

もう1つ重要なポイントは、試験官(修了審査員)と意思の疎通をしっかり行うことです。

口述試験の点検項目、周囲の安全確認、ドローンを指示に従い移動させる時に「移動します」や「到着しました」と試験官(修了審査員)にしっかり伝えることが重要です。
試験官(修了審査員)に声に出して伝わっていないと、指示に従っていないと判断される可能性があります。
飛行操作しながら同時に声に出して伝えることは意外と難しく、練習時から心掛ける必要があります。

「基本」「限定変更」とは

国家資格の試験項目を調べていると「基本」や「限定変更」といった言葉を目にし、何を意味するのか疑問に思う人が多いことでしょう。

ドローンの国家資格は、まず「基本」を取得する段階から試験が始まります。
基本を取得すると、昼間、目視内、25kg未満のドローンの飛行が可能です。また、人口集中地区の上空、人または第三者物件から30m以内で国土交通省への許可・承認申請が不要となります。

一方「限定変更」とは、基本では飛行ができない夜間、目視外、25kgを超える大型ドローンの飛行を行えるようになることです。それぞれ、限定変更の試験を受けて合格する必要があります。
なお、限定変更の試験は、基本を取得した後でなければ受けられません。

「基本」「限定変更」とは

連載「初心者でも狙える!ドローン国家資格とは?」今回は、ドローンの国家資格取得方法について詳しく解説しました。

ドローン国家資格取得準備には、初心者にとっては馴染みのないDIPS2.0の利用が必要です。このWebサイトはドローンを活用する人は使いこなす必要がありますので、操作に慣れておくとよいでしょう。

また、実地試験(修了審査)の説明と試験対策も解説しました。実地試験(修了審査)を受ける際は、ぜひ参考にしてください。

次回はドローンの活用事例などをお伝えし、国家資格取得後の実務のイメージを持っていただこうと思います。

ドローンを仕事に!ドローン国家資格対策TEPPAN講座

参考URL:
https://ua-remote-pilot-exam.com/procedure/
https://www.mlit.go.jp/koku/license.html

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