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マーケティングとは?超初心者でもわかるマーケティングのきほん①

マーケティングとは?超初心者でもわかるマーケティングのきほん①

中小製造業A社で営業職5年目のさとるは、新設のマーケティング部の販促営業担当への異動辞令をもらいました。

A社は長年の技術対応力と社長の強力なトップ営業が強み。将来の成長へ向けて新規開発商品のマーケティングを任された、さとるへの期待は大きいです。

ただ新設部署のため、社内に頼れる人がいません。そこでさとるは、中小企業診断士として独立し活躍している姉のミキに、マーケティングの講義をしてもらうことにしました。
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いきなり「明日から君はマーケターだ」って言われても、なにからどうはじめたらいいのかさっぱりわからないよ。姉さん、頼むからイチからマーケティングの基本について教えくれない?

しょうがないなぁ。でもちょうど私も、クライアントから若手社員へのマーケティングセミナーを頼まれていたところなの。ちょうどいい機会だから、私もセミナーの練習がてら、さとるにマーケティングの基本を教えてあげるね。

やったー!よろしくお願いします!

では、さっそくはじめましょう。最初に質問はある?

質問っていわれてもなぁ。まず、マーケティングとは?からお願いします。

じゃ、まずはマーケティングの定義からね。
アメリカのマーケティング協会が2017年に発表した定義を見てみましょう。

マーケティングとは、顧客、クライアント、パートナー、そして社会全体にとって価値のある提供物を創造し、伝達し、配達し、交換するための一連の制度、そしてプロセスである。

参考:https://www.ama.org/the-definition-of-marketing-what-is-marketing/

難しい言葉が並んで、すごく壮大な印象が…

たしかに少し難しい表現かもしれないけれど、結論から言うとマーケティングとは、企業が顧客や社会のニーズに沿った価値をもたらすために、組織全体のコーディネーターでないといけない、ということなの。

マーケティングってコーディネーターなの?なんだか、思っていたのと少し違うかも…。

では、重要なキーワードを説明するね!
まずは、組織全体のコーディネーターのところ。これを理解するには、経営学の父ともいわれているピーター・ドラッカー先生の話を聞くのがおすすめだよ。

『企業の目的は顧客の創造であり、そのために企業が持たなくてはならない基本機能はイノベーションとマーケティングの2つである』

引用:ピーター・ドラッカー「現代の経営」

ちなみにイノベーションとは、技術や経営の革新によって新しい市場を創造することね。

つまり企業は、イノベーションとマーケティングだけをしていなさいってこと?

ドラッカー先生はちょっといいすぎかもしれないね。でも、マーケティングの重要性をよく表しているよ。先ほどの定義にある“創造から交換まで”というのはポイントの1つよ。これの意味はどういうことかわかる?

創造っていうのはゼロから生み出すってことでしょ。交換は顧客への販売だろうから、結局、商品を生み出して顧客に販売するまでのすべてのことじゃないのかな?

その通り!でもこれは、マーケティングが製品開発から販売のすべてに責任があるということではないの。さっきも伝えたように、マーケティングは企業活動の全体のコーディネーターとしての役割があるっていうことなんだよ。

そうなんだ!マーケティングはもっと営業に近い役割だけだと思っていたけど、製品開発にまで関与する必要があるんだね。でも、技術系でもないのにどうやって関わればいいんだろう?

それを理解するにはもう1つのキーワード、ニーズについて理解する必要があるよ。マーケティングの大家と言われているフィリップ・コトラー先生はこう言っています。

『マーケティングとは、人間や社会のニーズを見極めてそれに応えることである』

引用:フィリップ・コトラー&ケビン・ケラー「マーケティング・マネジメント 第12版」

ニーズ(needs)とは、人が「欠乏を感じている状態」のこと。そしてそのニーズが特定のものに向けられると、ウォンツ(wants)に代わるの。

ちょっとわかりにくいな。もう少し具体的に教えてよ。

OK!じゃあ、自動車を例に考えてみようか。自動車はなぜ必要なのかわかる?

通勤とか買い物とかの移動手段としてだよね。

では、高級車のベンツの場合はどう?ベンツが欲しいというのは、ただ乗れればいい車というわけではなく、特定のものにむけられてのウォンツだよね。では、なぜベンツが欲しいのか?

お金持ちをアピールしたいからじゃない?

ハハハ(笑)。そうだね、実はそれもニーズの1つなの。
ある人は「頑丈で安全な車に乗って家族を守りたい」と思っているかもしれないよね。またさとるが言ったように、他の人は「社長としてのステータスを顕示したい」と思っているかもしれない。こういう想いからくる願望のことをニーズっていうよ。
マーケティングは、顧客の行動から真のニーズを見極めることがとても大切なの。

それに例に挙げたベンツの顧客ニーズはわかりやすいけど、顧客自身がはっきりと認識できていなかったり、うまく言葉で表現できかったりするケースもあるの。

例えば今は多くの人が持っているiPhoneも、発売されるまでは音楽プレーヤーと携帯電話が一緒になったらいい…なんていう発想の消費者はいなかった。そんな顧客も気づいていないようなニーズを見極めて、企業の全組織にインプットすることがマーケティングの役割なの。実際にiPhoneは、どこにも真似できないほどの爆発的ヒットをしているよね。

なるほど!マーケティングが目先の売上だけじゃなくて、会社の将来の成長に関わる重要な仕事っていうのがだんだんわかってきたよ。でも、何からはじめたらいいのかな?

マーケティング活動には体系化されたプロセスと、フレームワークがあるの。下の図のことを指すのだけれど、この解説は1つずつ分けて話したほうがいから、また次にしましょうか。

マーケティングプロセス

筆者作成

うん。わかった!
マーケティングは、人や社会のニーズを見極めてそれに応えることが目的で、その目的を達成するためには、製品開発だけでなく企業全体の様々な活動をしていく必要があるってことだね。なんだか将来を任された気がして、やる気が出てきたよ!
次も、よろしくお願いします!

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