2020年のWindows7サポート終了に伴い、会社のPCが新しくなったという方は多いでしょう。それにあわせて、Excelのバージョンが2013からExcel2019に変わったものの、従来の機能ばかり使ってしまう…という方はいませんか?
実はExcel2019には、Excel2013になかった便利な機能がたくさんあります。業務の効率化を目指すなら、これら新機能を使わない手はありません!
この連載「Excel2013ユーザー必見!業務効率がUPするExcel2019活用術」では、全13回にわたって、Excel2013とExcel2019の違いや、Excel2019を活用する方法について紹介していきます。
第1回の今回は、Excel2019の新しい機能(関数、グラフ、データベース機能)を中心に、従来のExcel2013からの違いをわかりやすく説明します。
今、Excel2013を実際に使っている方や、Excel2019の新しい機能を使いこなせていない方が、新たな発見をしてもらうことで、業務効率化のヒントになれば幸いです。
業務効率UP!Excel2019で注目の関数
Excel2019で追加された、主な関数をご紹介します。
IFS関数、SWITCH関数
どちらの関数も、一言でいえば「IF関数の進化版」です。
今までは、複数の条件がある場合、IF関数をネスト(入れ子)状態にして計算式を作っていましたが、Excel2019では、この関数1つだけで数式が完結します。
以下はIF関数とIFS関数を実際に比較した図です。こちらでも違いを確認してみてください。式がシンプルになっていることが一目瞭然ですね。
IF関数よりもIFS関数の式の方がシンプルになっている
IFS関数・SWITCH関数は、連載第2回で詳しく解説します。
MAXIFS関数
Excel2019では、MAX関数とIFS関数が合体し、より便利になりました。
MAX関数は、範囲の中で最大値を求めるだけでしたが、Excel2019では、複数の条件の中で最大値を求めることができます。
MINIFS関数
MAXIFS関数と同じ使い方になりますが、MINIFS関数は、複数の条件の中で最小値を求めることができます。
CONCAT関数
範囲内にある文字列の連結を行う関数です。
例えば今まで、=A1&B1&C1&・・・&Z1と入力していたものが、=CONCAT(A1:Z1)だけで式が完成します。
旧バージョンのExcel2013では、複数の関数を使う計算式を作る場合、かなり慣れた人しか作れない…なんてことがよくありました。
しかしExcel2019では、今回追加された関数により、経験の浅い人でも比較的簡単に扱えるようになったことが、大きな違いと言えるでしょう。
MAXIFS関数・MINIFS関数・CONCAT関数については、連載第3回で詳しく解説します。ぜひ楽しみにしていてください。
簡単なのにインパクト大!Excel2019の新グラフ
Excel2019には、関数による計算機能のほかに、様々な形式のグラフを作成する機能が追加されました。
プレゼンテーションの時には、数値だけが並んだ表を見てもらうよりも、グラフのほうがビジュアル的で、よりいっそうわかってもらいやすいですよね。
Excel2019がExcel2013と比べて進化した点は、以下のようなインパクトのあるグラフが簡単に作れるようになったことです。
マップグラフ
Excel2019 マップグラフ
Excel2019では、日本国内や世界のデータを利用して、地図上に塗りわけしたグラフが簡単に作成できるようになりました。国名や都道府県名を円グラフなどにするより、視覚的にわかりやすくなることが増えるのではないかと思います。
じょうごグラフ
Excel2019 じょうごグラフ
横棒グラフを中央に揃えて比較するじょうごグラフも追加されました。こちらも、データを視覚的によりわかりやすくするために使えそうです。
このように、Excel2013からExcel2019へ進化し、グラフ機能が充実したことで、プレゼンテーション資料を作成する上での表現力の幅が広がったことが、大きな違いと言えるでしょう。
Excel2019ではこれらマップグラフ・じょうごグラフ以外にも、ビジュアルに強いグラフを簡単に作成できる機能が追加されました。詳しくは連載第4回以降で解説しますので、こちらもぜひ楽しみにしていてください。
データ加工作業が多い人必見!Excel2019の新機能Power Query
Excel2019 データベース機能 PowerQuery
最後に、Excel2019で強化されたデータベース機能について紹介します。
データベースといえば、同じMicrosoft社のAccessが有名です。Accessの「クエリ」という機能では、複数条件の並べ替えや抽出といった、かなり複雑な処理が高速でできます。
Excel2013でも、並べ替えや抽出、データの取り込みなど、最低限のデータベース機能は装備されていますが、Accessと比較すると物足りないところがありました。
もっとAccessのように便利に「クエリ」を使いたいという人におすすめしたいのが、Excel2019に新たに搭載された「Power Query(パワークエリ)」です。
Excel2019にPower Queryが搭載されたことで、データベース機能がよりいっそうAccessに近いものとなりました。このPower Queryがあるかないかで、データベース機能に大きな違いが出るのです。
Excel2019のPower Queryの代表的な機能は以下の通りです。
●接続
例えば、共有フォルダに置いてある顧客リストや商品台帳などを、自分のブックに取り込むことが可能になります。
●変換
接続により取り込んだ顧客リストや商品台帳などのデータを、並べ替えや抽出などを利用して、自由自在に加工ができます。
●結合
複数の表を結合して、1つの表を作ることができます。
●共有
一度接続や変換、結合を設定しておけば、更新することによりその都度新しい表になります。
このPower Queryについては、連載の第10回~第13回で詳しく解説します。この機能が使えるようになれば、データの取り込みから分析資料を作成するまでの業務効率化が可能となります。ぜひ最後まで読んでいただき、役立ててもらえればと思います。
今回は、Excel2013ではできなかった機能や、Excel2019になり進化したことで簡単にできるようになった機能などを、ざっくりと紹介しました。
複雑な関数やグラフがより簡単に、そしてより視覚的に作れるようになり、機能が増えて便利になったExcel2019。
Excel2019に興味があるけど導入に迷っている方、Excel2019が導入されたけれど持っている知識はExcel2013のままという方は、ぜひ参考にしてください。あなたの業務がより効率アップすると思いますよ。
さて次回は、Excel2019になって追加された関数について、どんな時に使うのか、またどうやって作るのかについて、実際のExcelの図を見ながら、わかりやすく解説していきます。
ぜひこの機会に、Excel2019で新たな発見をしてもらい、仕事に役立ててもらえたらと思います。次回もお楽しみに!
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