表計算ソフトの魅力といえば、数式を活用した自動計算です。さらに、関数という特定の式を用いれば、時間や日付など様々な値をかえすこともできます。
Excelでは標準機能の関数ですが、もちろん、Googleスプレッドシートでも主な関数を使えます。
この連載「Googleスプレッドシート入門」では、Excelを使える方が、Googleスプレッドシートで「プロジェクト進捗チェック表」を作成し、部署内で共有することを最終目標としています。
第4回の今回は、プロジェクト進捗チェック表に実際に関数(SUM,IF,AVERAGE,TODAY,DAYS,COUNTなど)を設定してみましょう。
連載「Googleスプレッドシート入門」全7回
Googleスプレッドシートで関数はどのように使う?
Excel同様、Googleスプレッドシートでは「=SUM(B1:B10)」(B1からB10の合計をかえす)のように、セルに直接入力する方法もあります。
普段からよく使う関数であれば、このように直接入力する方が速いですが、あまり使わない関数を使う場合や、関数を使った表の作成に慣れていない場合は、少し心配な部分もあるでしょう。
直接入力する方法以外にも、以下の2つの方法で関数を呼び出せます。
1つめは、メニューの「挿入」から「関数」をクリックし、使用したい関数をクリックする方法です。
もう1つは、メニューすぐ下の関数のアイコンから呼び出す方法です。クリック回数を考えると、アイコンの方が使いやすそうですね。
メニューから関数を呼び出すと、下図のように関数の説明が表示されます。「F1」キーを押すことで、さらに関数の詳細な説明が見られます。最下部の、使用例がわかる詳細もクリックすれば表示できるので、関数初心者でも使いやすいです。
知っておきたい!Googleスプレッドシートで使える便利な関数
Googleスプレッドシートは、Excelと比較しても遜色ないくらい豊富な関数がそろっていますが、一般的な作業で活用する関数は限られています。
Googleスプレッドシートを便利に使いたいなら知っておきたい関数を、いくつかピックアップしてみました。
Googleスプレッドシートの主な関数 | |
---|---|
SUM | 指定した範囲の値の合計値を求める |
AVERAGE | 指定した範囲の値の平均値を求める |
COUNT | 指定した範囲の数値の個数を求める |
COUNTA | 文字列を含んだ指定した範囲の値の個数を求める |
ROUND | 数値を四捨五入する |
ROUNDUP | 数値を切り上げる |
ROUNDDOWN | 数値を切り捨てる |
MAX | 指定した範囲の最大値を求める |
MIN | 指定した範囲の最小値を求める |
IF | 倫理式。~だったら~を表示するなど命令を与え、特定の数値をかえす |
ほかにもGoogleスプレッドシートでは、以下の表のようなGoogleオリジナルの関数を使うことができます。
Googleのシステムを活用した関数なのですが、翻訳や特定の情報の取得など、場合によっては活躍しそうですね。
Googleスプレッドシート オリジナル関数 | |
---|---|
ARRAYFORMULA | 配列数式で得た値を、複数行(列)で表示する |
DETECTLANGUAGE | 範囲内の言語を識別する |
GOOGLEFINANCE | Googleファイナンスから情報を取得する |
GOOGLETRANSLATE | 言語を別の言語に翻訳する |
IMAGE | URLを用いてセルに画像を挿入する |
QUERY | クエリを実行する(Google visualization API使用) |
SPARKLINE | セル内にミニグラフを作成する |
ほかに知りたい関数があれば、メニューの「ヘルプ」から、簡単な説明入りの関数リストを確認できます。
プロジェクト進捗チェック表に関数を設定してみよう
Googleスプレッドシートで使う主な関数を紹介してきましたが、実際にどうやって使用するのでしょうか。
プロジェクト進捗チェック表作成の例から、いくつか紹介します。
期限までの日数を求めよう
本日から起算して期限までの日数を求める場合、2つの期間の日数を求める「DAYS」関数を使用します。
終了日は「期限」のセル(日付)を指定、開始日の“今日”は変動するため「TODAY」関数を使って求めます。
実際に値をかえしてみると、期限が過ぎたものはマイナスになってしまいました。
期限が過ぎることはあるため、このままでもいいのですが、達成率100%のものまで「期限までの日数」に反映されてしまうと、プロジェクトの工程が未完了に見えてしまいます。
「IF」関数を使って、達成率100%超えのときは「期限までの日数」を空欄にする設定にしました。
IF関数とは、論理式(はじめに判定する条件)、TRUE値(条件が合致するときに表示する値)、FALSE値(条件が合致しないときに表示する値)を記述することで、2通りの結果を自動表示させるものです。
IF関数を追加したことにより、期限までの日数がマイナスだったセルが、空欄で表示されるようになり、日数の表示が正常になりました。
実働日数を導こう
各工程の実働日数の計算は複雑なので、プロジェクトを実行した日については、色で塗るだけでなく下図のように数字の1を入れることで、計算しやすくしました。
これで、上図のとおり「COUNT」関数によって、指定した範囲の数値の個数を数え、日数を導くことができます。
プロジェクトの総実働日数を求めよう
連載第3回で追加作成した「全体の進捗チェック表」に、プロジェクトごとの実働日数の合計を関数で表示させましょう。
合計や総合計は、「SUM」関数で求めます。範囲は、プロジェクト1の実働日数部分をに指定しました。
表の合計も同様です。総日数をSUM文で記述することで、指定の範囲の数値が変わってもすぐ反映されるようになります。
プロジェクトの総達成率を求めよう
全体進捗チェック表の「達成率」欄には、上図のように、プロジェクトごとの達成率の平均値を関数で表示させましょう。
達成率の平均値は、「AVERAGE」関数を使って求めます。SUM関数同様、計算したい範囲を入力するだけなので簡単です。
表の全体達成率も、同じようにAVERAGE関数で求めてみました。
Googleスプレッドシートではどんな関数が使えるのか、実際どうやって使うのか実例を交えて紹介しました。
入力する数値が変われば、関数を使った部分は自動的に計算しなおしてくれるので、適度に使うと作業が効率よくなりますよ。
次回はGoogleスプレッドシートと条件付き書式についてお送りします。
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