Excel標準グラフの種類と作り方をご説明する連載「説得力UP!Excelグラフ活用術」、今回は「等高線グラフ」「ドーナツグラフ」についてご紹介します。
どちらのグラフも、今まで作成したことが無いという方が多いかもしれません。ですが、ぜひ使ってみてほしいグラフの1つです。
このグラフをレポートなどで使ったら、周りの人から尊敬の目で見られるかもしれませんよ。
今回の記事をきっかけに使い方を覚えて実際に使ってみてください!
地形図だけじゃない!「等高線」グラフ
等高線グラフは、各数値の大きさを表現するときに使います。Excelで標準搭載されている等高線グラフは4種類ありますが、今回は最も使われるグラフについてご紹介します。
等高線グラフの特徴
● 量が多いデータにおいて、どのような特徴があるかを見極めるときに有効なグラフです。
● 地形図によく用いられますが、地形だけではなく、データの特徴も表現できます。3Dの等高線グラフは地形のように表現され、データが大きいと高くなり、データが小さいものは低くなります。
等高線グラフの使用例
● ある商品の売上のピーク時期を表す(横軸:月、縦軸:年、高さ:売上額)
● 年間の世代別入場者数の推移を表す(横軸:月、縦軸:世代、高さ:入場者数)
等高線グラフの作成例
例えば以下の表は、商品Aの毎月の売上額を年別に並べたものです。
一見して突出した数字が無く、売上の推移がわかりづらいですね。
では、上の表から3-D等高線グラフを作成する場合の手順を簡単にご紹介します。
(以下、Excel2010で作成。フォントはMeiryo UIを使用)
① A2セルからM12セルまでを選択する
② ツールバー上の「挿入」メニューを選択し、「その他のグラフ」から「3-D等高線」を選択する
これで完成です。
あとは、グラフを選択するとツールバーに表示される「グラフツール」メニューで見映えを調整※しましょう。
※下図では以下の調整を行っています。
・「ページレイアウト」タブ「配色」で「ウエーブ」を指定
・グラフツール「デザイン」タブで「スタイル2」を指定し、「グラフのレイアウト」で「レイアウト5」を指定
・「レイアウト」タブで「グラフタイトル」を「グラフの上」に指定しタイトルを入力
・「ホーム」タブでフォント「Meiryo UI」を指定
・グラフの枠の大きさをドラッグして調整
↓作成後の等高線グラフ
上記のグラフを見れば、ある商品の売上ピークが何年の何月頃であったのか、ひとめでわかりますね。
調査結果を表すのに最適!「ドーナツ」グラフ
ドーナツグラフの特徴
● 文字通りドーナツの形をした、円グラフの真ん中が空洞になっているグラフです。
● グラフの真ん中に補足情報を表示することにより、何の数値を100%としているのかわかりやすくできます。
● 2重ドーナツグラフでは、外側ドーナツグラフの中に内側ドーナツグラフを表示することで、さらに値の割合を表すことができます。
ドーナツグラフの使用例
● アンケート結果における賛成割合(合計が100人ではない場合、中心に合計人数を書き、各項目にそれぞれの人数をラベルで表示)
● 地区ごとの社員配置割合(外側:関東・関西の合計割合、内側:各都道府県の割合)
ドーナツグラフの作成例
以下のグラフは、アンケートの回答数が135人である回答結果をドーナツグラフで表したものです。
円の真ん中に、何の数値が100%となるかを書いているので、個々の回答人数の合計が100人とならなくても無用な誤解を招かない、親切なグラフといえますね。
では、上のドーナツグラフの作成手順を簡単にご紹介します。
(以下、Excel2010で作成。フォントはMeiryo UIを使用)
①上の表の A1セルからB5セルまでを選択する
② ツールバー上の「挿入」メニューを選択し、「その他のグラフ」から「ドーナツ」を選択する
これで完成です。
あとは、グラフを選択するとツールバーに表示される「グラフツール」メニューで見映えを調整※しましょう。
※上図では以下の調整を行っています。
・「ページレイアウト」タブ「配色」で「ウエーブ」を指定
・グラフツール「デザイン」タブで「スタイル11」を指定
・「レイアウト」タブで「凡例」を「なし」に指定、「データラベル」の「その他のデータラベルオプション」の「ラベルの内容」で分類名・値にチェック、区切り文字に「改行」を指定
・グラフタイトルを入力し、タイトル枠を円の真ん中へ移動、フォントサイズ調整
・「ホーム」タブでフォント「Meiryo UI」を指定、フォントの色を調整
・グラフの枠の大きさをドラッグして正方形へ調整
2重ドーナツグラフの作成例
円グラフが1系列の値の割合を表現するのに対し、ドーナツグラフは2重円にすることで、2系列の割合を表すことができます。
例えば以下の2重ドーナツグラフでは、外側のグラフが世代別の回答割合を、内側のグラフが男女別の回答割合を表しています。
では、上のドーナツグラフの作成手順を簡単にご紹介します。
(以下、Excel2010で作成。フォントはMeiryo UIを使用)
①上の表(C列が外側ドーナツグラフ、B列が内側ドーナツグラフとなるよう作成)の A1セルからC13セルまでを選択する
② ツールバー上の「挿入」メニューを選択し、「その他のグラフ」から「ドーナツ」を選択する
これで完成です。
あとは、グラフを選択するとツールバーに表示される「グラフツール」メニューで見映えを調整※しましょう。
※上図では以下の調整を行っています。
・「ページレイアウト」タブ「配色」で「ウエーブ」を指定
・グラフツール「デザイン」タブで「スタイル11」を指定
・「レイアウト」タブで「凡例」を「なし」に指定、「データラベル」※の「その他のデータラベルオプション」の「ラベルの内容」で分類名・値にチェック、区切り文字に「改行」を指定
※系列“世代別合計”、系列“男女”、いずれにも設定
・グラフタイトルを入力し、タイトル枠を円の真ん中へ移動、フォントサイズ調整
・「ホーム」タブでフォント「Meiryo UI」を指定、フォントの色を調整
・グラフの枠の大きさをドラッグして正方形へ調整
2重ドーナツグラフの作成のポイントは、最初の表作りにあります。
上の表のように、内側ドーナツグラフとなる列と、外側ドーナツグラフとなる列に分けることが重要です。
これさえクリアすれば、2重ドーナツグラフはごく簡単に作成できますよ。
3重ドーナツグラフの作成例
Excelでは以下のような3重ドーナツグラフも作成可能です。
では、上のドーナツグラフの作成手順を簡単にご紹介します。
(以下、Excel2010で作成。フォントはMeiryo UIを使用)
①上の表(A・F列が外側ドーナツグラフ、B・E列が外側から2番目のドーナツグラフ、C・D列が内側ドーナツグラフとなるよう作成。また、黄色セルの箇所はセル結合しておく)の A1セルからF10セルまでを選択する
② ツールバー上の「挿入」メニューを選択し、「その他のグラフ」から「ドーナツ」を選択する
これで完成です。
あとは、グラフを選択するとツールバーに表示される「グラフツール」メニューで見映えを調整※しましょう。
※上図では以下の調整を行っています。
・「ページレイアウト」タブ「配色」で「スリップストリーム」を指定
・グラフツール「デザイン」タブで「スタイル10」を指定
・「レイアウト」タブで「凡例」を「なし」に指定、「データラベル」の「その他のデータラベルオプション」の「ラベルの内容」で分類名・値にチェック、区切り文字に「改行」を指定
・グラフタイトルを入力し、タイトル枠を円の真ん中へ移動、フォントサイズ調整
・「ホーム」タブでフォント「Meiryo UI」を指定、フォントの色を調整
・グラフの枠の大きさをドラッグして正方形へ調整
3重ドーナツグラフの作成ポイントは、2重ドーナツグラフと同じく、最初の表作りにあります。
上の表のように、外側ドーナツグラフとなる列、その内側のドーナツグラフとなる列、最も内側のドーナツグラフとなる列、3種類で列を分けることが重要です。
さらに、作成後のグラフの要素名は、3種類の名称が表示されます(例えば「仙台」の箇所に「東日本,東北,仙台」と表示される)。
ここは手間ですが、各名称を直接編集する必要があります。
ちょっと手のかかる作業はありますが、3重ドーナツグラフもご紹介したとおり、意外に簡単に作成できる種類のグラフです。ドーナツグラフに慣れたらぜひ試してみてください。
今回はExcel標準グラフの中でも、作ったことが無いという方も多いであろう「等高線」と、見る機会は多いけれど作る方は少ない「ドーナツグラフ」についてご紹介しました。
どちらのグラフも、元となる表を作る際に注意が必要なので、特徴をよく理解して使ってみてくださいね!
次回は最終回。残るExcel標準グラフ「バブル」「レーダーチャート」をマスターしてExcelのプロになりましょう!
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