来客応対はその会社のイメージに大きく影響します。受付業務の方以外でも、社外の方との打合せを自社で行うため来客応対することはよくあります。
また、完全な内勤の方でも、会社のいたるところで来客に会う可能性があるので、ひとりひとりがしっかりビジネスマナーを知り、礼儀正しく対応する必要があるのです。
必要なマナーはたくさんありますが、今回は来客応対の場面別に、正しいビジネスマナーをご紹介します。
目次
廊下・階段で来客とすれ違うときのビジネスマナー
廊下や階段は会社関係者だけでなく来客も通る道になります。そのため、受付やエントランス以外の場所での来客応対のマナーも、知っておく必要があります。
ここで必要なのが、来客がスムーズに目的地につけるよう「譲る」ということです。
まず廊下で来客とすれ違うときは、来客が中央を歩けるように端を歩くか、立ち止まって通路を譲るようにしましょう。 またバタバタと大きな足音や業務に関係ないおしゃべりは印象が悪くなるので、なるべく控えることも大切です。
階段ですれ違う際には、最短距離で移動することができる内側を来客に譲り、階段の外側を歩くようにしましょう。 廊下や階段いずれの場合も、すれ違ったら無視をせずに軽くお辞儀(会釈)をするか挨拶をするとより印象がよくなります。
参考:お辞儀の角度(「会釈」は同僚・先輩への挨拶時、「敬礼」は社外の方向けの挨拶時、「最敬礼」は深い感謝・謝罪時に主に使用されます)
エレベーターで来客を迎えるときのビジネスマナー
来客応対中の場合、エレベーターの中でも、乗り降りする順番や上座下座について注意が必要です。
来客と一緒にエレベーターに乗る場合は、自分が先にエレベーターに乗って操作ボタンの前に立ち、開くボタンまたはドアを押さえて来客が乗るのを待ちます。エレベーターの上座は左奥なので、左奥に誘導します。
もしエレベーターの中にすでに人が乗っていたら、廊下側のボタンを押して来客を先に乗せてから自分が乗るようにしましょう。
エレベーターを降りるときは、乗るときと逆で先に来客を降ろすのがマナーです。目的階に着いたら、開くボタンを押すかドアを押さえて、来客に「どうぞ」と一声かけて先に降りてもらってから、自分も降りるようにしましょう。
参考:「社会人の基礎マナー 席次(乗り物編)┃オンスタ!暗記動画」
応接室で来客を迎え入れるときのビジネスマナー
応接室まで案内する場合は、入室時の来客応対マナーを押さえることも大切です。
押して開ける内開きタイプのドアの場合は、自分が先に入室してから来客を通します。
引いて開ける外開きタイプのドアの場合は、ドアを開けて押さえ、先に来客を通してから入室します。
応接室で注意が必要なのは「席次」をしっかり把握することです。
一般的に下座は入口に一番近い席で、上座はその部屋で入り口から最も遠い席です。このほかにも上座は、掛け軸が飾ってある部屋は掛け軸がよく見える席だったり、ソファーがある場合は複数人が座れる席が最も格上だったりなど、部屋のタイプや椅子の種類によっても異なります。
来客がスムーズに座れるよう、来客が入室したら上座を指して「こちらの席にお掛けください」と伝えるとスマートです。
参考:「社会人の基礎マナー 席次(オフィス編)┃オンスタ!暗記動画」
来客への気配り抜群なお茶出しのビジネスマナー
来客を案内した後は、タイミングを見計らってお茶を出します。
担当者が来るまで来客を待たせる場合は先にお茶を出しますが、担当者がすぐに来た場合は、担当者が入室して挨拶を終えたころに出すのがベストなタイミングです。
入室する際はノックをするか「失礼します」と言ってドアを開け、お辞儀(会釈)をしてから入ります。
お茶を出すときはサイドテーブルなどにお盆を置いて、席次順に来客の右側からお茶を出します。もしスペースがなく右側から出せない場合は「こちらから失礼します」と断ってから出しましょう。また湯呑に絵柄がある場合は、来客が見えるよう向きに注意して出すようにします。
退室するときも気を抜かず、来客の方を向いてお辞儀(会釈)してから部屋を出ましょう。
もし打ち合わせが長い場合は、新しい飲み物を用意するといいでしょう。1杯目がお茶だった場合、2杯目はコーヒーにするなど種類を変えると心配りが感じられます。
最後まで気を抜かない、お見送りのビジネスマナー
どれだけマナーに気を付けても、見送りをないがしろにすれば最後の最後に印象が悪くなってしまうものです。来客応対が済んでも気を抜いてはいけません。
来客が退室するときは、自分がドアを開けて廊下に先導しましょう。入室と同様、退室時もドアのタイプによって廊下に出る順番は違います。押して開けるドアの場合は自分が先に廊下に出てドアを開けて待ちます。引いて開けるドアの場合は、ドアを押さえて先に来客に廊下へ出てもらいます。
見送る場所は、主に「エレベーター前まで」「エレベーターで玄関口まで」「玄関先まで」の3パターンがあります。これは会社の構造や相手との親しさによって異なるので臨機応変に対応しましょう。いずれの場合も、来客の姿が見えなくなるまでお辞儀(敬礼)をするといい印象を与えられますよ。
ビジネスマナーは覚えることがたくさんあり、慣れるまでは大変かもしれません。しかし気持ちのこもった対応をすることで会社のイメージが180度変わることもありますし、その後の会社経営に影響も与えかねないので気を抜いてはいけないとても大切な部分です。
基本のビジネスマナーについては秘書検定の学習などで体系的に学ぶことができます。オンライン学習でビジネスマナーを押さえて、スマートな社会人を目指しましょう。
関連する記事が他にもあります