皆さん、こんにちは。新米登録販売者の宮島です。
登録販売者試験合格のための勉強法についての解説もいよいよ残り2回となりました。
それではさっそく登録販売者試験「第4章 薬事関係法規・制度」の出題ポイントや、その勉強法を確認していきましょう。
登録販売者「第4章 薬事関係法規・制度」のポイントと有効な勉強法
「薬事関係法規・制度」の章では、一般用医薬品を安全に使用するうえで必要な法律が覚えられているかが問われます。
一般用医薬品の販売に関する法令や制度を理解できるように学習に臨みましょう。じっくりと文章を読み解いて、ポイントだと思うところをまとめる勉強法をおすすめします。長い文章でも表にまとめると見やすくなりますよ。
薬機法について知ろう!
一般用医薬品に関連する法令のうち、最も重要な法令は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。この法令のことを「医薬品医療機器等法」と呼びます。それ以前は「薬事法」というものがありましたが、平成26年に「医薬品医療機器等法」に変わってからは「薬機法」と呼ばれています。
医薬品医療機器等法は、「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする」と定められています。
簡単に言い換えると、医薬品医療機器等法は、医薬品の使用者が安心して医薬品を使用できるような規制を行うことと、医薬品の発展のための措置を講ずることを目的として定められた法律ということになります。
医薬品の分類・取扱い等
そもそも医薬品とはどのようなものを指すのでしょうか。以下の定義をご覧ください。
日本薬局方に収められている物 |
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人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。) |
人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。) |
機械器具等とは、機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(※)及びこれを記録した記録媒体のことを言います。
※上記のプログラムとは、電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものを言います。
医薬品の定義の1つ目にあたる日本薬局方(日局)とは、厚生労働大臣が医薬品の性状及び品質の適正を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、必要な規格・基準及び標準的試験法等を定めたものです。簡単にいうと「医薬品の辞書」のようなものですね。
日局に収載されている医薬品の中には、一般用医薬品として販売されているものがあります。そのひとつとして「ワセリン」を覚えておくと良いでしょう。
一般用医薬品のリスク区分とは?
一般用医薬品は保健衛生上のリスクに応じて分類されます。ドラッグストアで薬を買った際、薬の外箱に第3類医薬品などと書かれているのを見たことがありませんか?この表示は副作用のリスクを使用者に伝えるために必要な情報です。
では、以下の表で確認しておきましょう。
主にこのように分けられます。第2類医薬品のなかで特別な注意が必要なものは指定第2類医薬品に区分されます。
ちょっとしたポイント!これを知っ得!
リスク区分は、新しい知見や副作用の発生状況をもとに変わることがあります。よくあるひっかけとして、「リスク区分は一度決められたら変更されることはない」という選択肢が出題されることがあります。
毒薬と劇薬とは?
毒薬と劇薬とは、それぞれ毒性・劇性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品をいいます。
毒薬と劇薬は、薬効が期待される薬用量と中毒の恐れがある中毒量が近く、安全域が狭いため注意が必要です。毒薬も劇薬もどちらも人体に悪影響を及ぼす危険性が高いということを意味します。
ちょっとしたポイント!これを知っ得!
① 劇薬よりも毒薬のほうが作用が強い!
② 毒薬、劇薬ともに「厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定」します。「厚生労働大臣」の部分が「都道府県知事」になっている問題があったら迷わず「誤」を選びましょう。
③ 毒薬は黒地に白枠・白字で「毒」の文字、劇薬は白地に赤枠・赤字で「劇」の文字で記載することが定められています。よくあるひっかけとして、「毒薬は白地に黒枠・黒字で毒の文字」という選択肢が出題されることがあります。
懲役と罰金について知ろう!
さて、続いては医薬品を製造したり販売したりする際に決められた法律を守らないとどうなるかということを学んでいきましょう。
記事の冒頭で、「医薬品医療機器等法」について述べました。この薬機法では医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律が定められているわけですが、これに違反すれば当然罰則が課せられるわけです。
登録販売者試験の範囲では、違反した際の懲役と罰金が問われます。
医薬品の販売業の許可
医薬品の販売業は店舗販売業、配置販売業、卸売販売業に分けられます。また薬局も医薬品を販売することが認められています。販売業の許可と薬局開設の許可について以下の表をご覧ください。
ちょっとしたポイント!これを知っ得!
薬局開設の許可・医薬品販売業の許可を与えるのは各都道府県知事です。厚生労働大臣ではないので注意しましょうね。
医薬品販売に関する法令遵守
適正な販売広告について、「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」と定められています。簡単にいうと、医薬品の効果について事実と異なる誤った認識を与えてはならないということです。
例えば、「絶対に治ります」というような表現をしてはなりません。また、そのような効果はないのにさもあるかのように受け取れる暗示的な表現をすることも禁止されています。
今回は登録販売者試験の出題範囲のうち「第4章 薬事関係法規・制度」の勉強法とポイントについてお話ししました。
この章もこれまで述べてきたことと同様に、文章を表にまとめると覚えやすくなります。また、筆者は医薬部外品と化粧品について覚える際に、「この歯磨き粉は虫歯を防ぐ効果があるから医薬部外品なんだな」というように自宅にある商品を見て日常的に試験問題を意識するようにしていました。
「第4章 薬事関係法規・制度」は文章が長く複雑であり、加えて医薬部外品・化粧品の定義や薬機法を覚えなければならず、登録販売者試験のなかでも苦手意識を持つ人も多い分野といえるでしょう。各章バランスよく配点を得るためにもしっかりと勉強時間を取ることをおすすめします。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。登録販売者試験の勉強法についての連載記事も、次回でついに最終回です。「第5章 医薬品の適正使用・安全対策」は、主に今までの振り返りと言ってもよいでしょう。
次回もぜひご覧ください。
登録販売者講座参考:
厚生労働省「試験問題作成の手引き(平成30年3月)」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/sikentebiki_4.pdf
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