皆さん、こんにちは。新米登録販売者の宮島です。
登録販売者試験合格のポイントと勉強法についての連載も、今回が最終回となりました。
「第5章 医薬品の適正使用・安全対策」は今まで学んできたことの振り返りとも言えるような内容となっています。他の章と比べても覚える量は少ないので、確実に高得点を目指したいですね。
それでは、さっそく「第5章 医薬品の適正使用・安全対策」のポイントや勉強法を確認していきましょう。
目次
これだけ押さえる!「第5章 医薬品の適正使用・安全対策」のポイントと有効な勉強法
「第5章 医薬品の適正使用・安全対策」は添付文書と副作用についての内容がメインで、今までの知識や一般教養でもある程度答えられるでしょう。
添付文書に記載することが決められている項目は、記載項目をただ暗記するだけではなく、使用者に対して何を伝えているのか理解することが必要です。そのためにも普段から添付文書を読むことを意識しましょう。多くの製造販売業者がホームページで添付文書の無料公開を行っています。
医薬品副作用救済制度と企業による報告義務については、内容・請求先または報告先・期限の3項目を覚えておきましょう。
医薬品の添付文書には何が書いてあるの?
医薬品には添付文書または容器もしくは梱包に、「用法、用量その他使用及び取り扱い上の必要な注意」等の記載が義務付けられています。一般用医薬品の添付文書には以下のような記載項目があります。
改定年月 |
添付文書の必読及び保管に関する事項 |
販売名、薬効名及びリスク区分 (薬効名とは薬効の簡単な表現。商品名に薬効名が含まれていれば薬効名の記載は省略可能。「〇〇胃腸薬」など) |
製品の特徴 |
使用上の注意 (1)してはいけないこと(2)相談すること(3)その他の注意 |
効能又は効果 |
用法及び用量 |
成分及び分量 |
病気の予防・症状の改善につながる事項 |
保管及び取扱上の注意 |
消費者相談窓口 |
製造販売業者の名称及び所在地 |
添付文書は外箱を開けなければ見ることができません。そのため、購入者が購入前にその薬が適当であるか判断するために用法、用量、注意事項、アルコールの含有量等を外箱に記載している場合があります。
医薬品の情報伝達とその方法について
医薬品の製造販売業者は、医薬品の安全性確保のために必要な情報収集を行う必要があります。例えば、医薬品を使用したことによる副作用が起きていないかなどといった情報収集を怠ってはなりません。
また、これによって新しく得られた情報を、医薬品を販売する人々に対して提供するように努める必要があります。その情報を伝達する手段として、インターネットでの公開、製造販売業者からの直接配布、ダイレクトメール、ファックス、電子メールなどがあります。
また、その伝達される内容は、その緊急度によって2種類に分けられます。以下の表をご覧ください。
ちょっとしたポイント!これを知っ得!
「医薬品・医療機器等安全性情報」は、厚生労働省から医療関係者向けに医薬品の副作用情報などが発信されるものです。一般向けには、総合機構ホームページで「医薬品・医療機器等安全性情報」や添付文書、その他安全性に関わる情報などが誰でも見ることができます。
医薬品の安全対策と副作用の報告制度
医薬品の販売や処方に関わる者は、医薬品の副作用等によると疑われる健康被害の発生を知った場合は厚生労働大臣に報告することが義務付けられています。また、製造販売業者は、一般用医薬品の承認後も調査を続けなければなりません。
ちょっとしたポイント!これを知っ得!
報告の期限や報告先は試験で度々出題されています。健康被害の報告は、厚生労働大臣です。都道府県知事ではないので注意しましょう。ただし、実務上は報告書を総合機構に提出することになっています。報告期限は基本的に15日以内ですので、例外のみ覚えるようにすると勉強時間が短縮できますよ。
救済制度について
医薬品を適正に使用したにもかかわらず医薬品の副作用が発生したときに、被害者の迅速な救済を図る公的制度があります。被害者本人又は家族の給付請求を受けて薬事・食品衛生審議会の諮問を経て厚生労働大臣が判定します。
また、生物由来製品を介した健康被害に対しては生物由来製品感染等被害救済制度というものがあります。
登録販売者として働く際に使用者から相談を受けた場合には、副作用被害を受けた際の救済制度があることをアドバイスできるように知識を持っておきましょう。
啓発活動について
医薬品や薬物依存症についての知識を世間に普及させるための啓発活動をご存知ですか。登録販売者試験に出てくる活動は以下の2つです。名称・期間・内容を覚えましょう。
薬と健康の習慣 | 10月17日〜10月23日 |
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医薬品を正しく使うことの重要性と薬剤師の役割を広めるための活動。 |
6.26国際麻薬乱用撲滅デー | 6月20日〜7月19日 |
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薬物依存症の防止を普及させる活動。「ダメ。ゼッタイ。」が標語。 |
6.26国際麻薬乱用撲滅デーでは、「ダメ。ゼッタイ。」を普及させる活動が行われています。
薬物依存症は麻薬や覚醒剤、大麻など以外にも一般用医薬品によっても起きることがあります。「第3章 主な医薬品とその作用」で依存性のある医薬品の成分について学んだことを覚えていますか?コデインリン酸塩などが配合された医薬品は、適正使用すれば辛い症状を抑えてくれる働きがあります。
その反面、医薬品の乱用による依存症状は一度陥ると自分の力では治すことが難しいと言われています。
しかし残念ながら、青少年が一般用医薬品を大量に摂取して一種の快楽を得る行為が社会問題となっています。
登録販売者試験にかかる費用と外部研修について
最後に、登録販売者試験の受験料と販売従事登録の費用についてお話ししておきたいと思います。
受験料は都道府県で異なりますが、14,000円〜18,000円程度かかります。試験を受けるからには、効率の良い勉強法で一発合格を狙いたい値段です。
さらに資格を取得した後にも、医師による診断書や販売従事登録にかかる手数料(約8,000円前後)が必要です。
ただし、一度働き始めれば資格所有者は時給アップや手当がつくなど、一般の従業員よりも優遇されることが多いので、ドラッグストアなどで働くならできるだけ早く資格を取得したいものです。
また、登録販売者として働き始めた後、登録販売者は外部研修を受講することが決められています。Eラーニングや専門の講師による勉強会などを設定している企業が多いでしょう。
そのため、「資格取得後に登録販売者として必要な知識をどうやって身につければいいのか」と不安を感じている方がもしもいたら、心配しないでくださいね。試験合格後も勉強をする機会はたくさんありますので、医薬品業界が未経験の方でも登録販売者としての必要な知識を身に付けていくことができます。
試験が終わったところからが登録販売者としての始まりでもありますので、資格取得後も日々の研鑽に努めたいですね。
今回の第5章「医薬品の適正使用・安全対策」の解説をもって、登録販売者試験の勉強法についての連載は終了となります。最後までご覧いただきありがとうございました。
皆様の合格をお祈りしています。
登録販売者講座参考:
厚生労働省「試験問題作成の手引き(平成30年3月)」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/sikentebiki_4.pdf
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