皆さん、こんにちは。新米登録販売者の宮島です。
前回は登録販売者試験の「第2章 人体の働きと医薬品」について解説しました。
今回は、「第3章 主な医薬品とその作用」の勉強法についてお話しします。前回も出てきた交感神経と副交感神経の表は今回も大活躍しますので、ぜひとも覚えてくださいね。
突然ですが、皆さんはドラッグストアで薬を選ぶとき、パッケージやCMの印象で選んでいませんか?
もちろんそれも1つの選択基準ではありますが、登録販売者はおそらく違う薬の選び方をするはずです。試験勉強が進み知識を得ると、自分や家族のつらい症状に合ったベストな薬を選べるようになります。より安い薬でも効果が出ることもありますし、より症状にあった薬を選んで治りが少し良くなるかもしれません。
試験勉強を進めていけばわかることですが、登録販売者試験では商品名について聞かれることはありません。それは登録販売者になってから学んでいくことで、登録販売者試験では医薬品の仕組みや成分の特徴を覚えているかが問われます。「第3章 主な医薬品とその作用」で、医薬品についてより知識を深めていきましょう。
目次
これだけ押さえる!「第3章 主な医薬品とその作用」のポイントと有効な勉強法
「主な医薬品とその作用」の章では、医薬品の働くしくみと一般用医薬品に使われる成分の特徴を覚えていきます。
小児や妊婦など、人によって使用できない成分があることを学び、依存性や副作用についても知識を深めましょう。
また、漢方薬もよく出題されるので後回しにせずしっかりと覚えることが大切です。筆者が漢方薬について覚える際には、自分や知人に過去に起きた症状を当てはめるという勉強法を行っていました。例えば、「こむら返りが起きた時に芍薬甘草湯を飲めばよかったのか。つまり、芍薬甘草湯には痙攣を抑える効果があるんだな」などという覚え方です。
また、問題の形式として第3章に特徴的なものがあります。ある薬に含まれている成分表から、解答の正誤を答えるという問題です。出題数は多くないですが、過去問などを活用して問題の形式に慣れておく必要があります。
参考書等は、眼の薬・喉の薬・皮膚の薬というように体の器官別に説明がなされますが、それぞれの項目で同じ成分が登場することがあります。
例えば、ナファゾリン塩酸塩はアドレナリン作動成分として、鼻に用いる薬には鼻粘膜の充血を抑えるために、眼の薬には充血を抑えるために用いられます。
これと同様に、抗コリン性、抗ヒスタミン薬、アドレナリン作動成分、抗炎症作用という用語は各器官で頻出しますので、その特徴を必ず覚えましょう。
はじめに風邪薬の仕組みを知ろう!
風邪薬は総合感冒薬と言い、あらゆる症状に対応できるように様々な成分が配合されています。「第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識」で学んだように、一般用医薬品は一般の人が自分の判断等で購入する薬でしたよね。そのため、どんな症状にも適用しやすいように様々な成分を組み合わせて作られていることが多いのです。
しかし、存在しない症状に対する不要な成分が入っていると、無意味に副作用のリスクを高めることがあるので注意が必要です。症状がはっきりしているならなるべく単体で服用すると良いでしょう。
また、総合感冒薬に鼻水を止める成分が入っているのに、さらに鼻水を止める薬を飲むことがないように注意しなければなりません。
必ず覚える!小児用解熱鎮痛成分の注意点
小児の使用が禁止されている解熱鎮痛成分は試験ではよく出題されます。以下の表のように整理して覚えましょう 。
小児の年齢制限がある解熱鎮痛成分は上記の通りです。
その他の解熱鎮痛成分としてはアセトアミノフェン・イソプロピルアンチピリンがあります。イソプロピルアンチピリンは、ピリン疹等のアレルギー症状を発症したことがある人は使用できません。小児用の解熱鎮痛成分としてよく使用される成分はアセトアミノフェンということを覚えておきましょう。
また、これらの科学的に合成された解熱鎮痛成分のほかに、ジリュウやシャクヤク等をはじめとする生薬成分も解熱鎮痛作用が期待されます。これらの生薬を組み合わせた漢方として、葛根湯や麻黄湯などは風邪に、芍薬甘草湯などは鎮痛に用いられます。
ちょっとしたポイント!これを知っ得!
小児の解熱鎮痛成分として使用されることが多いのがアセトアミノフェンです。子供の風邪薬として販売されることや、「家族全員が使える」という宣伝がされることがよくあります。また、小学生や中学生の女子に向けた生理痛の痛み止めに使用されることもあります。
依存性のある成分はどんなものがある?
依存性のある成分も喉の薬や睡眠に関する薬の分野で度々見られます。一度依存状態になってしまうと自分の力で抜け出すことは難しいと言われています。
依存性のある成分として以下のようにカテゴリー化しましょう。
抗炎症作用ってなに?どのような症状に効果があるの?
抗炎症作用という用語は、登録販売者試験の勉強をしているとよく出てきますが、一体どういう意味なのでしょうか?簡単に言えば炎症を抑えるという意味ですよね。では、そもそも炎症とはどういう症状のことを言うのでしょうか。
炎症とは4つの症状のことを指します。それは「熱い・赤い・痛い・腫れ」という症状のことです。これらを体の器官に当てはめると、喉なら腫れ、皮膚なら赤みというようになります。つまり、抗炎症作用とは体の各器官に起きる「熱い・赤い・痛い・腫れ」といった炎症を抑える作用ということです。
痛みが起きる仕組みを知ろう!
痛みや発熱が起きる原因は、どちらもプロスタグランジンという成分の過剰産出によります。プロスタグランジンは体の痛みを増幅させ、体温を通常よりも高く維持するように働きかけます(体温が高くなると免疫機能が高まるためです)。プロスタグランジンが体内で過剰になると痛みや発熱の症状が強くなるのですが、これは病気や外傷があるときに体を休めるための防御機能といっても良いでしょう。
解熱鎮痛薬はこのプロスタグランジンの産出を抑える働きがあります。そのため、プロスタグランジンによって起きる痛みや発熱のどちらにも効果があるのです。
ちょっとしたポイント!これを知っ得!
① 抗ヒスタミン薬の副作用である、眠気を催すという副作用を逆手にとった一般用医薬品の睡眠改善薬があります。一時的な睡眠障害の緩和に用いられます。
② 睡眠改善薬…睡眠導入剤ではありません。
③ ステロイドは〇〇ゾン、〇〇ゾロン
④ アドレナリン作動成分は〇〇リン
ノートにまとめて持ち運ぶ。将来的にも使える勉強法
成分名やその成分の特徴、副作用などを手帳やノートにあ行〜わ行に分類しておくと、スキマ時間や気になった時にすぐに確認できるので便利ですよ。
新しい成分や商品が出てくるたびに追加していくので、バインダー式の小さい手帳を使用することをおすすめします。筆者は、登録販売者になった現在もこの勉強法を続けています。
今回は登録販売者試験の出題範囲のうち、「第3章 主な医薬品とその作用」の勉強法とポイントについてお話ししました。登録販売者の試験範囲のなかで最もボリュームの多い章がこれで終わりです。
これまで何度も述べていることですが、特に第3章はテキストをしっかりと読み解くことが重要です。成分の名前、その特徴、副作用、使用してはならない人、そして同じような作用を持つ成分などを関連させて覚えましょう。
そして、一般用医薬品でも効果がなければ、重大な病気かもしれないということを登録販売者としてしっかりと理解しましょう。
これから登録販売者試験の勉強を始めるという方には、「第3章 主な医薬品とその作用」を中心に勉強時間を割くことをおすすめします。
次回は、「第4章 薬事関係法規・制度」の勉強法や注意するべきポイントについてお話ししたいと思います。また一緒に頑張りましょう!
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