皆さん、こんにちは。新米登録販売者の宮島です。
前回は登録販売者試験の「第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識」の勉強法についてお話しいたしました。試験勉強を始めている方にとって少しでもお役に立てたでしょうか。また、試験勉強はこれからという方には少し登録販売者試験を身近に感じていただけましたか。
今回は、「第2章 人体の働きと医薬品」の勉強法と重要なポイントについて解説してまいります。
目次
登録販売者「第2章 人体の働きと医薬品」のポイントと有効な勉強法
「人体の働きと医薬品」の章では、体の構造と副作用の種類を覚えることがメインです。テキストをしっかりと読み込み、ときには図を書いて視覚的にも記憶に残すことを意識して試験勉強に臨みましょう。
また、重篤な副作用名は第2章以降も登場するので、いまのうちに理解しておくと、この後の勉強もスムーズになります。
また、副作用の種類は大変多くそれぞれ症状が異なります。どれくらいの期間で発症するのか、どのような症状が出るのか、細かいですが1つ1つ覚える必要があります。
しかし、これらさえできれば第2章は得点を稼ぎやすいところですよ。
「1. 人体の構造と働き」攻略勉強法と必勝ポイント
人体の構造について覚えておいた方がよい点や、よく出題されるポイントを押さえておきましょう。
必ず覚える!身体の器官の頻出ポイントとは?
(1) 消化管は口腔・咽頭・食道・胃・小腸・大腸・肛門までを指し、平均的な成人の消化管の長さは約9メートルと言われています。そのうち小腸は6〜7メートルであり、十二指腸、空腸、回腸に分けられます。
(2) 咽頭と喉頭は間違えやすいので、体のどの位置のことをいうのか必ず覚えましょう。咽頭は食道に通じるので呼吸器系だけでなく消化器系にも含まれますが、喉頭は呼吸器系にのみ含まれます。また試験時には漢字の読み間違いに注意が必要です。
(3)歯冠の表面はエナメル質で覆われており、体でもっとも硬い部分です。
(4)血液は血漿と血球でできています。さらに血球は赤血球・白血球・血小板に分けられます。血球のうち赤血球が40%の割合を占めており、白血球はさらに好中球・リンパ球・単球に分けられます。
必ず覚える!自律神経系の働きとは?
さて、それでは次に自律神経系の働きについて学んでいきましょう。自律神経系は交感神経・副交感神経に分けられます。
自律神経系の作用が体の器官に及ぼす作用を覚えましょう 。以下の表は、交感神経系と副交感神経系が各器官に与える影響についてまとめられた表です。
出典: 厚生労働省, 「試験問題作成の手引き(平成30年3月), (p37-38)」
今回の「第2章 人体の働きと医薬品」で自律神経が器官に及ぼす影響を覚えておくと、「第3章 主な医薬品とその作用」の内容が頭に入ってきやすくなりますよ。
例えば、交感神経を刺激するアドレナリン作用がある目薬を使用すると、瞳にどのような影響があるでしょうか。
上の表をもとに考えると、末梢血管に影響を与えることによって血管を収縮させ、目の充血を抑えてくれるのです。
この表を用いると、成分名だけである程度、効能を推測することができるんですよ。
「2. 薬が働く仕組み」攻略勉強法と必勝ポイント
医薬品の有効成分は主に小腸で吸収されます。医薬品の形状は様々ですが、特に注意が必要なものをご紹介します。
粉薬は散剤と顆粒剤の2種類に分けられますが、散剤のほうが粒が細かいと覚えておきましょう。
口腔内崩壊錠は唾液ですぐに溶けるので水なしで服用できます。お菓子のラムネのような溶け方と覚えるとよいでしょう。
また、チュアブル剤も水なしで服用できるため、よく子供用の薬や乗り物酔い止めなどに用いられます。主に噛んで服用します。
内服薬以外の医薬品を外用薬と呼びます。
外用薬の一種である湿布は貼付剤というジャンルに分類されます。貼付剤はテープ剤とパップ剤に分けられますが、この違いをご存知ですか?
ここまでは試験に出ませんが、登録販売者になったときのために少しお話ししておきましょう。パップ剤はプニプニしたジェル状の貼付剤です。吸水ポリマーが使われており、入浴時には向きません。温冷があるので、急性の痛みの時には冷感、慢性的な痛みには温感がオススメです。
テープ剤(プラスター剤とも言う)は、水分を含まない薬剤がフィルムに貼られており、薄くてしっかり貼れるので剥がれにくいという特徴があります。
余談ですが、人体に使用されない医薬品とは何かわかりますか?それは殺虫剤です。うっかり人体に使用されることのないように注意が必要です。
また、坐剤は直腸の粘膜に近い静脈から全身に有効成分が分布されるため、内服薬よりも早く作用が現れます。
「3. 症状からみた主な副作用」攻略勉強法と必勝ポイント
続いては医薬品を使用することで起こる副作用について学んでいきましょう。
「第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識」で、医薬品は十分に注意して使用しても副作用を生じることがある、ということを学びました。
様々な薬害の歴史を経て、副作用についての見識が深まってきたとはいえ、すべてが解明されているわけではありません。副作用の種類は多くあり、一般用医薬品にももちろんその危険性は潜んでいます。
登録販売者は購入者が副作用の被害に遭わないように留意する必要があります。
以下に挙げる重篤な副作用は試験でも頻出です。
皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群) |
中毒性表皮壊死融解症(TEN) |
肝機能障害 |
偽アルドステロン症 |
原因となる医薬品を使用したあと、どのくらいの期間を経て上記のような副作用が発現するか問われることがあります。
皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症は使用後2週間以内もしくは1ヵ月以上経ってから発症するので覚えておきましょう。
また、呼吸器系に現れる副作用である間質性肺炎は使用後1〜2週間程度で起きることが多いです。
暗記するだけでなく仕組みを理解して知識を身に付けよう
さてここまで「第2章 人体の働きと医薬品」についてお話ししました。第1章よりも暗記する用語が増えてきたと感じるのではないでしょうか。
次回はいよいよ、最も範囲が広く、問題数も多い第3章に入っていきます。量が多いので「暗記しきれるかな」と不安を感じている人も多いかもしれません。
しかし、実は同じ成分名が何度も出てくることが多く、主要な成分はある程度決まっているので、慣れてくれば「おっ、またこの成分だな」と思えるようになりますよ。
ちなみに驚くかもしれませんが、医薬品の成分名を暗記するのは登録販売者の勉強の最優先ではありません。
風邪薬にはどういう特徴があるか、痛み止めが効く仕組みはどうかということを理解することが何よりも重要です。
はじめから成分名だけを暗記しようとしても、その成分がどのように体に影響を与えるのかを知らなくては登録販売者になったときに使える知識は身につきません。逆に言うと、薬の作用する仕組みを理解していれば、自然と成分名は頭に入ってきます。
まずはテキストなどをしっかりと読み込み、薬の仕組みを理解していきましょう。
例えば、
「パッケージには頭痛薬と書いてあるけど熱を下げる効果もあるからこの薬を飲んでおこう」
「ジフェンヒドラミン塩酸塩入りのかゆみ止めを使ってかゆみを止めたい」
というように、成分の特徴を覚えてくれば、自分や自分の家族が薬を必要とするときに役立つ知識が手に入ります。しっかりと時間をかけて勉強を進めていきましょう。
登録販売者講座参考:
厚生労働省「試験問題作成の手引き(平成30年3月)」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/sikentebiki_4.pdf
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