連載「資格勉強にも使える!ChatGPT活用法」、第1回・第2回では、資格勉強におけるChatGPTの便利さについて紹介しました。
最終回である今回は、ChatGPTを資格勉強で活用するときの注意点について解説していきます。
ChatGPTは、なんでもできる万能ツールではありません。まだ開発中のものであるゆえ、ときに不自然な回答をしたり、ユーザーの意図とは全く違う答えを返したりということもたびたびあります。特に厄介なのは、あたかも本物のような、偽の回答を出力してしまう点です。
ChatGPTを上手に使うには、ツールの不完全さを理解することも欠かせません。
資格勉強の効率化にChatGPTをしっかり活かすために、本記事で注意点をしっかり知っていきましょう!
ChatGPTを資格勉強に使うときの注意点は?こんな使い方はNG
まず注意したいのは、ChatGPTが知っている情報には限りがあるという点です。
例えばファイナンシャルプランナーの資格勉強にChatGPTを活用しようと考えて、「ファイナンシャルプランナー3級の保険についての問題を出題して」という指示文を入力したとします。
問題はすぐに作成されました。しかしこのような形式の問題は、実際のファイナンシャルプランナー3級試験には出題されません。つまりこの問題を解いても、合格にはそんなに役立たたないかもしれないということです。
また資格勉強中にわからないことが出てきたら、ChatGPTに教えてもらいたいと思うこともあるでしょう。
しかし「自分が分からないことをChatGPTに聞く」のは、実はとても危険な使い方なのです。
次の画面は、ファイナンシャルプランナー試験に頻出の「自賠責保険」について補償対象を聞いた場合の回答例です。
ChatGPTは対物補償も可能であると答えましたが、自賠責保険の補償対象は「対人賠償」事故のみです。車両の修理代や物への損害は補償対象ではありません。
自賠責保険の補償対象はファイナンシャルプランナー試験における重要事項ですので、ChatGPTの回答を信じてしまうと大変なことになります。
これらの例のように、ChatGPTの回答は必ずしも正しいとはいえないのです。回答内容はどれももっともらしく見えますが、ChatGPTが作った回答を100%信用するのは危険です。
ChatGPTを使いこなすには指示文が重要!ポイントを見てみよう
ChatGPTをできるだけ効率的に使うには、指示文を工夫するのがポイントです。
前章の例でみたように、ChatGPTの回答にはあちこちに誤りが含まれていることがあります。回答のソースを与えずに曖昧な指示文を与えると、このような間違いが頻出します。
例えばChatGPTに小説を作ってもらったり、第1回の例のように母の日のプレゼントを提案してもらったりする場合、回答に明確な正解を求めることはありません。
小説内では「でたらめ」も世界観の1つとして解釈できますし、プレゼントの内容に正しいも正しくないもないからです。
一方、資格試験は知識を問うために行われ、問題には必ず正解・不正解があります。ChatGPTの回答が間違っていれば、学習者は不正確な知識を学ぶことになります。これでは学習を効率化するどころか、学習を阻害する原因となってしまうでしょう。
ChatGPTを資格勉強に活用するためには、できるだけ正確な回答を返してもらう必要があります。そのためには、ChatGPTが自分で自由に回答を作ってしまわないよう、指示文内で制御することが重要です。
連載第2回で紹介したChatGPT活用法「デジタル単語帳を作る」の章では、以下画像のように、ChatGPTにテキストのまとめ文や単語帳のデータセットといったソースを提供したうえで問題を作ってもらいましたね。
これはChatGPTが自分勝手に問題を作ってしまう余地を極力排除するためで、ユーザーの意図から逸脱した答えを出さないように、指示文の段階で問題の根拠を与えているわけです。
また、ChatGPTが読み取りやすいよう、指示文を工夫することも大事です。
例えば以下の例では、表示と出力の指示が上手く伝わらなかったようで、ChatGPTが1人で出題者と回答者の役割を演じてしまっています。
これに対して、以下の指示文は、うまく単語帳として機能する確率が高いです(ただし、同じ指示文に対して常に同じ動作をしてくれるとは保証できません)。
どのような指示文がうまく機能するかは、ユーザーが何度も試して開拓していく必要があります。
ChatGPTはインプットツールとして賢く活用しよう
ChatGPTはまだまだ不完全なツールで、様々な間違いを犯します。
資格勉強のアシスタントとして活用するためには、まず「自分が知らないことは聞かない」ように心がけてください。ユーザーが知識ゼロの状態だと、ChatGPTの回答が本当なのかどうかを判断できないからです。
初めの例に戻ると、自賠責保険の補償対象を全く知らない状態でChatGPTに質問するのはNGです。重要語の確認はChatGPTに頼り切らず、資格試験のテキストなどで確かめるようにしましょう。
一方、テキストや単語帳などの内容を頭にインプットしたいときは、ChatGPTが役立ちます。連載第1回目は「言い換え」、第2回では「まとめ」「ソースを提供したうえでの問題作成」の例を紹介しました。
これらは、最初に編集されたテキストや単語帳からしっかりと情報を拾っているのがポイントです。ChatGPTにテキストや問題をゼロから作成させることなく、正しいと確認されたソースを加工してもらっています。
ChatGPTは注意点をしっかり把握したうえでインプットプロセスに賢く活用すれば、資格勉強を効率化できます。ぜひ、使いこなす工夫をしてみてくださいね。
ChatGPTを資格勉強に活用する方法を、全3回の連載でお伝えしてきました。
ChatGPTは不正確な答えを返してしまったり、ユーザーの意図としない回答を出力してしまったりする欠点があります。
しかしデータの加工は大得意!難しい文章をやさしく言い換えたり、長い文章をまとめたりするのに向いています。またソース元があれば、正確性が高い問題を作成できます。
上手に使えば資格勉強を効率化できるので、注意点を踏まえて活用してみてください。
参考URL:
https://www.sonpo.or.jp/insurance/jibai/index.html
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