集中力が欲しいとき、効果を発揮するのが「コーヒー」です。コーヒーの香りにはリラックス効果、カフェインには覚醒効果があります。コーヒーは疲れた脳をリラックスさせ、もうひと頑張りしてもらう時の強い味方ですよね。
せっかくなら、カフェインの効果が最大になるような飲み方をしたいものです。連載「集中力の高め方」、今回は、集中力を高める効果的なコーヒーの飲み方についてご紹介します。
カフェインが集中力をアップするしくみ
コーヒーを飲むと、頭がすっきりしてやる気や集中力がアップしますよね。「別にコーヒーでなくても、休憩を挟めば元気が回復するのでは?」と思うかもしれません。
しかし、コーヒーの効果は気のせいではなく、科学的に証明されているものなんです。その秘密は、コーヒーに多く含まれている「カフェイン」にあります。
カフェインは、認知機能キープに有効な成分。
ただの水を摂取した場合と、75mgのカフェインを摂取した場合とで認知機能をテストした結果、カフェインを摂取した場合のほうが明らかに良いスコアが出たという実験結果があるのです。このことから、カフェインには集中力をアップさせる効果があると言えます。
また、カフェインには覚醒効果もあります。
カフェインは、脳が疲れるとたまってくるアデノシンとよく似た構造を持っています。アデノシンがたまってくると脳は「休まなくちゃ」と判断して眠気を催すのですが、そこにカフェインを摂取するとアデノシンの受容体と結びつき、アデノシン本体の作用を妨げます。
カフェインを摂ると眠気が飛ぶというのは、こういう理屈なんですね。
カフェインの持つ様々な効果が合わさって、カフェインを摂取すると集中力がアップするというわけです。
カフェインを効果的に摂取する飲み方
カフェインには集中力をアップさせてくれる効果があることがわかりましたが、飲み方次第では効果が出ないこともあるのです。まずは、カフェイン効果が期待できる飲み方からご紹介しましょう。
カフェインの効果は摂取してから30分後に現れ始めます。また、カフェインの効果を期待するなら一度に75mg以上の摂取が必要になるので、「集中したい時間の30分前に、カフェインの量が多い飲み物を摂取するのが効果的」と言えます。
さて、カフェインの量が多い飲み物といえば、コーヒーだけではありませんよね。100mlあたりのカフェイン含有量が多い飲料をチェックしてみると、
- 玉露 120mg
- ドリップコーヒー 90mg
- 眠気覚まし用でない栄養ドリンク 50mg
- インスタントコーヒー 40mg
- 紅茶 20mg
となっており、玉露がダントツです。しかし、玉露に含まれるタンニンはカフェインの効果を抑制するので、集中力アップにはコーヒーのほうが効果は高めなんですね。
そのコーヒーもなんでもよいわけではなく、実は「浅煎りのドリップコーヒー」が最もカフェイン含有率が高くなっています。苦いほうが効果ありそうですが、苦みが特徴のエスプレッソは深煎りなんです。
このことから、集中力を引き出すには
・集中したい時間の30分前
・浅煎りのドリップコーヒー
を飲むのがおすすめ、ということに。
カフェインは万能じゃない!NGな飲み方
続いては、せっかくのカフェイン効果が半減してしまう飲み方についてもチェックしましょう。
カフェインの効果を引き出すためには、飲み物の中に余分な成分が入っていないものを選びましょう。コーヒーの場合なら、ブラックが最も効果的にカフェインを摂取できます。
また、カフェインの効果は疲れたと感じなくなるだけであり、本当に疲れを取ってくれるものではありません。徹夜明けにコーヒーをがぶ飲みしても、すでに疲れ切っている脳から集中力を引き出すことはできないのです。その点は解熱剤や鎮痛剤と一緒ですね(治った気になって無理はしないように、と何度医師から釘を刺されたことか)。
というわけで、カフェインは脳自体がまだ元気だけど、注意力が散漫になり始めているところに喝を入れるもの、と考えてください。
さらに、カフェインを常用すると耐性ができてしまい、カフェインが効きにくくなってきます。カフェイン効果を最大限に活かしたいのならカフェインの力だけに頼り切るのではなく、ほかの方法も組み合わせて集中力を引き出すようにし、「ここぞ」という時にカフェインを使うのがいいでしょう。
なおカフェインは摂取しすぎると中毒症状を起こします。欧州食品安全機関(EFSA)は、
- 1日当たり400mg未満
- 1回あたり200mg未満
を推奨しており、これを超えると中毒症状が現れる可能性があります。ドリップコーヒー1杯の含有量を90mgとすると、1日あたり約4杯になりますので、摂りすぎにはご注意を。
集中力を引き出すカフェインの効果的な摂取法についてご紹介しました。コーヒーでカフェインを摂取するなら、
集中したい30分前 浅煎りのドリップコーヒー ミルクや砂糖は入れない 浅煎りドリップコーヒーなら1日あたり4杯まで
を心がけると、カフェインの効果を最大限に引き出せます。
コーヒーで集中力アップしたいときの参考にしてくださいね。
参考:
https://studyhacker.net/columns/caffeine-3rules
https://www.nestle.co.jp/sites/g/files/pydnoa331/files/asset-library/documents/nhw/coffeecolumn14.pdf
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802.htm
https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/10730/1/Vol7-1_p5-17Kuribara.pdf
https://www.cocokarafine.co.jp/f/dsf_howto201901013156y
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