こんにちは。企業英語講師の上田怜奈です!
「難しくない!英語学習のすすめ」の連載では前回に引き続き、ふだん英語に馴染みがない人も、つい覚えて使いたくなっちゃうような英語の表現と、シチュエーションの解説をお届けします。
第2回の今回は「飲みニケーション」のシチュエーションです。早速、見ていきましょう。
外国の方と一緒に飲み会で乾杯!
飲み会に関して、英語でどう言うか、聞かれたことが多かった表現を集めてみました。 (念のためにお話しますと、飲み二ケーションの企業研修やセミナーがこれまでにあったわけではありません笑。通常の研修の中での、素朴な質問です。)
また、飲み会を楽しいものにするヒントも合わせてお伝えします。
『乾杯!』
これは皆さん聞いたことがあるかと思いますが、まず一番有名(?)なのは、
Cheers!
ですね。よく使います。簡単なお礼やカジュアルな別れの挨拶でも使うことがあります。
次に、
Bottoms up!
という表現もあります。これは、直訳すると、底を上に、飲み干す際にグラスの底を上にするところから来た言葉です。
『~に乾杯』と言いたいときは、
Here is to~
と言います。Here is to your happiness.(あなたの幸せに乾杯)や Here is to your health.(あなたの健康に乾杯)など。
ちなみに、映画カサブランカの「君の瞳に乾杯」というセリフは、
Here is looking at you, kid.
でした。
何を飲むか、お勘定はどうするか?
それから次に、注文についてです。
『何を飲みますか?』
日本のように、相手のグラスが空いたらすかさず次を注ぐ、相手のためにドリンクを注文する、という文化はありませんが、相手への気遣いとして、座敷タイプの居酒屋などでは、店に慣れた人がメニューを渡してあげたり、
What would you like to drink?
のように聞いてあげる、というのはいいでしょう。
『私がおごるよ』
ってなんで言うんだろう…と固まってしまう人もいるみたいですが、私が出しますという意味で、
It’s on me!
のように言います。
また、
It’s my treat.
の方が若干丁寧な言い方で、私がご馳走しますというニュアンスになります。
『ワリカンにしましょう!』
と言いたいときは、
Let’s split the bill.
と言うことができます。
このように、表現をご紹介しだすと本を一冊書けそうなくらい沢山あるのですが(笑)
英語でそういったことが言えるようにするのと同じくらい、いやそれ以上に、飲み会において大切なことがあります。
外国の方と過ごす際にもっとも大切なこと
それは、相手に対して興味を持って、適切な質問をしていくということです。
日本ではその場の雰囲気に合わせてなんとなく話す、というコミュニケーションが有力で、相手に対し具体的な質問をして、どんどん話を進め、積極的に信頼関係を構築していくという文化には馴染みがないかもしれません。
プレゼンテーションの後に、(例えそれが良いものであったとしても)なかなか質問が出ない、というのもその一例だとも言えます。
そういった文化的な違いが考慮されたとしても、英語圏では沈黙が続くことをやはり好ましく思われない傾向にあります。日本においても一定以上の沈黙はコミュニケーションがうまくいっていないサインになると思いますが、英語圏ではより意識されます。
相手からの意思表示がないことに、不安をおぼえるのです。
こういった事態を回避するため、自分のことについて英語で話すのがまだ語彙が少なくなかなか難しい、といった場合でも、中学校で学習したような、What、Howなどの簡単な疑問文、文型を使って、相手に質問をすることなどは心がけ次第ですぐにできるでしょう。
話が盛り上がりやすい質問としては、
目の前にある料理(お酒)や、その店について
日本についての感想
日本と母国の共通点、相違点
一緒に働いている場合など、会社について
週末の過ごし方
家族について
(ただ、こちらは相手の思考や宗教にもよるので、相手が話したことをベースに聞くのが無難)
などがあります。
また、コツとしては、相手が話している間に、相手の話をきちんと聞きながらも「どのように質問しよう」「どういう展開にもっていこう」というように、どうすれば相手がより話しやすいか、相手にとって楽しいことを話せるかを考えておくことです。
日本のことわざで習うより慣れよとも言いますが、こういったベースの情報を得た後で、やはり実践してみることが大切です。
英語で会話することは別に英語のスピーキングテストではありません。
ぜひ、一緒にお酒を飲む機会があったら、自分の語学力云々はひとまず置いておいて、相手がどのようにしたら心地よく話せるかというようなコミュニケーションに主眼を置いて、積極的にお話ししてみましょう。
Cheers!
第3回では、誤解を与えずにNOを伝える言い方をご紹介します。お楽しみに。
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