こんにちは。企業英語講師の上田怜奈です!
「難しくない!英語学習のすすめ」連載の6回目は単語の覚え方について触れていきます。
皆さんの中にも「単語がなかなか覚えられない…」と、苦労されている方は少なくないと思います。
今回は単語を覚えるとき、また知らない単語を推測するときに大きな力になる、接頭辞・接尾辞を活用する方法についてお話していきたいと思います。
英検1級などの難関な英語の試験の受験では、単語を覚えるのに多くの方が時間や労力を割き、頭を悩ませます。
しかしそういった単語というのは、英語圏の高級紙(タイムズやガーディアンといった)と言われるような、社会的影響力のある、しっかりとした情報を発信しているメディアを読み解くには不可欠なものであったりもします。
一方、こういった難しい単語こそ、この接尾辞・接頭辞の知識が役立つ場合も多いです。
そもそも接頭辞、接尾辞って何?
接頭辞、接尾辞とは、happy(幸福)の先頭にunがついてunhappy(不幸)になったり、wonder(驚き)の末尾にfulがついて、wonderful(素晴らしい)となるように、先頭や末尾につく語句により意味が加わったり、変わったりするものです。
広辞苑でどのように記載されているかを見てみましょう。
まずは接頭辞です。
接頭辞
せっとうじ
prefix
接辞のひとつ。語の前に付けて、文法上の変化をもたらしたり、意味を付け加えたりする。
単語の前について、意味や文法上の変化をもたらす、要素のようなものですね。
接尾辞についてはどうでしょう。
接尾辞
せつびじ
suffix
接辞のひとつ。語の末尾に付けて、意味を加えたり品詞を変化させたり、丁寧さや数など文法上の変化をもたらしたりする。
こちらは、単語の最後に来るのがポイントです。
例えば、接頭辞によってどのように語が作られるかというと、conscious(意識がある)という形容詞であれば、
unconscious
(一時的に)意識を失った
semiconscious
半ば意識が薄れた
subconscious
潜在意識の
のように、接頭辞によって別のニュアンスを加えることにより、新たな3つの形容詞を作ることができます。
名詞と合わせてよく使う接頭辞
ここでは、いくつか実際に使うことができる接頭辞の中でも、今回は名詞の前に付くものをご紹介します。
まず、否定の意味を表す、
in-, il-, ig-, im-, ir-
は、否定、反対、不足といったネガティブな印象の強い接頭辞です。非常によく使われます。
これを使った言葉は、
inaccuracy
不正確
irregularity
不規則性
などがあります。
また少し変わったもので、
mal
悪性の 不良の
というのもありますが、こういったものは単語で使用されたときに、すぐに意味に気づくことができます。
例えば、malignancyは悪性という意味ですが、malnutritionの単語の意味は皆さん、推測できるでしょうか。
mal(悪い)nutrition(栄養)
そう、栄養が悪い、ということで、栄養失調を意味します。
このように、知らない言葉を推測できたりします。
名詞と合わせてよく使う接尾辞
一方、接尾辞は単語の最後について、意味や品詞を変えたりと、ニュアンスをもたらします。
例えばよく使われるものでいうと、
less ~ない
など。これがつくと、名詞が形容詞になります。
painless
痛くない
meaningless
意味がない
等、よく使われますね。接尾辞と知らずに、使っている人も多いのではないでしょうか。
もうひとつ、よく使うものでいうと、
able され得る、~の特徴を持つ
という意味の接尾辞です。
available
利用可能な
profitable
利益のある、利益があがる
等いろいろ使えますね。
いかがでしたでしょうか?今回ご紹介したのは接頭辞、接尾辞のほんの一部ですが、有用性など感じていただけましたでしょうか。
難易度が高い単語を覚えていく際や初めてみた単語を推測するのに、接頭辞・接尾辞は非常に便利な知識です。漢字の部首のようなものだと思って、興味をもたれた方は積極的に覚えて、活用していってください。
次回は、英語の音読のコツをお伝えしていきます。お楽しみに。
参考文献
酒井玲子(2015)『接頭辞・接尾辞大全』国際語学社
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