専門性を身に付けたことを証明する資格の取得は、自己の技術や技能、知識をアピールする手段のひとつです。
今回は、「サービス接遇検定」を取得するメリットは何か、試験の基本的な知識と、級のレベルを踏まえてご紹介します。
サービス接遇検定とは?試験概要をまずはチェック
サービス接遇検定とは?
サービス接遇検定とは、実務技能検定協会が実施する「ビジネス系検定」の内の1つです。
正式名称を「文部科学省後援 サービス接遇実務検定試験」といい、接客やサービスの知識について理解力を審査し、その能力を認定する資格です。
高い能力を求めるものから順に1級、準1級、2級、3級の4段階があります。
受験資格に制限はなく、誰でもどの級からでも受験可能です(ただし、準1級の合格については2級の合格が必要です)。
試験形式
3級と2級は筆記試験(マークシート方式の選択問題と、記述問題)、準1級は面接試験、1級は筆記試験(記述式)と面接試験です。
試験形式 | 試験時間 |
---|---|
筆記試験(マークシート方式選択問題+記述問題) | 90分 |
試験形式 | 試験時間 |
---|---|
筆記試験(マークシート方式選択問題+記述問題) | 100分 |
試験形式 | 試験時間 |
---|---|
面接試験 | 約10分 |
試験形式 | 試験時間 |
---|---|
筆記試験(記述問題)+面接試験 | 筆記試験…120分 面接試験…約11分 |
出題範囲
筆記試験では、「理論」と「実技」の2つの領域に区分して出題されます。
合格するためには、それぞれ60%以上の得点を取らなければいけません。
1.サービススタッフの資質 | 得点60%以上 | 合格 |
2.専門知識 | ||
3.一般知識 |
4.対人技能 | 得点60%以上 | 合格 |
5.実務技能 |
面接試験では、級ごとに出題内容が異なります。準1級では基本言動、接客応答、接客対応が出題され、1級ではテレセールスとセールストークについて出題されます。面接は数人1組のロールプレイング形式となっています。
サービス接遇検定1級~3級それぞれの難易度サービス接遇検定は何級から履歴書に書ける?書くメリットとは?
サービス接遇検定は特定の職業に対する必須資格となっているわけではありませんが、サービス業界はもちろん、どの職業でも実践として活かせます。
なぜなら、言葉遣いや他者に対する振る舞い方などの、対人対応における知識は、接客業以外の仕事でも幅広い業界、職種で必要となるからです。
なかでも、サービス接遇検定の資格を履歴書に書くことで特にメリットとなる業界は、次のようなところです。
- スーパー・百貨店・専門店・コンビニ・ドラッグストアなどの小売業界
- 外食などの飲食業界
- ホテル・旅行・アミューズメントなどのレジャー業界
- 医療・福祉業界
履歴書にサービス接遇検定合格を記載することは、社会人としての基礎を身に付けている証となります。採用側に、すぐに実務への対応に取り組める人物だと期待してもらえるでしょう。よって、就活で自分のアピールポイントとして有効な資格と言えます。
履歴書へは、次の表のように書きましょう。
年 | 月 | 免許・資格 |
---|---|---|
2020 | 1 | 文部科学省後援 サービス接遇実務検定試験 2級試験合格 |
2020 | 8 | 文部科学省後援 サービス接遇実務検定試験 1級筆記試験合格 |
2020 | 8 | 文部科学省後援 サービス接遇実務検定試験 1級面接試験合格 |
資格欄に書くときのポイントは、次の6つです。
1.運転免許など免許を上に書き、その下に資格を書く
2.年は西暦か元号(令和など)か表記を統一する
3.正式名称を書く
4.業務に関連する資格を上に書く
5.取得を目的として勉強中のものも書いてよい
6.取得時とは名称が変わっている資格は、取得時の資格名を書く
資格欄には○年という記載もします。ですから、資格を取得するときは就活する時期になるべく近いほうが、知識や技能がまだ新しいと思ってもらえて、内定を勝ち取るのにより有利です。例えば大学生でしたら、2年生か3年生ぐらいで資格を取っておくとよいでしょう。
サービス接遇検定は3級、2級、準1級、1級と、だんだんレベルが上がっていきます。履歴書に書いても恥ずかしくないのは何級ぐらいだろうと、思ってしまう人もいそうですね。
明確に接客が主な仕事である職種である販売員や営業職でしたら、2級ぐらいは取りたいところです。時々接客もあるというような事務職の場合は、3級でも十分意欲をアピールできます。
ただし、最終的に2級を目指すという人でも、サービス接遇の基本である3級の勉強もしておきましょう。2級の試験問題は記述方式が増えますから、基本的な知識も必要になります。
2級と準1級を取得!履歴書に書くとアピールできること
サービス接遇検定準1級は、2級に合格すれば面接試験のみで合格できます。
このため、2級受験後に続けて準1級を目指すのがおすすめです。
2級合格のメリット・履歴書でアピールできること
2級の試験では、基本的な問題が出題される3級からさらに一歩踏み込んだ内容についての理解が問われます。
企業では、新入社員に対してビジネスマナーを学ぶ場として研修を用意したり、指導する先輩を付けたりするなど対策を取らなければいけない場合が少なくありません。しかし、すでに基本を理解している人を採用すれば指導期間を省けるため、企業にとってもプラスになります。
2級合格について履歴書に書くと、基本的なサービス接遇のマナーや知識をきちんと理解していることを証明できます。採用後の手間が省けるメリットがあることを、企業にアピールできるのです。
具体的に、2級では次のようなことを身に付けることができます。出題例から見ていきましょう。
- サービススタッフの資質:適切なお客様サービスとは
- 専門知識:忘れ物への対応
- 一般知識:地産地消とは
- 対人技能:留守番電話への対応
- 実務技能:料理の正しい置き方
カウンター業務なら、ただ事務的に接客するだけでなく、「暑いですね」、「雨が振りそうですね」など天候の話を添える。忘れ物にはお客様の状況に配慮して適切で親切な対応をする。飲食店のホール業務なら、お客様が気持ちよく食事できるよう料理の正しい置き方を知るといったことを学べます。
就活のときに、こういった高い技能と知識に裏付けられた接客ができるという具体的なアピールポイントにできますね。
準1級合格のメリット・履歴書でアピールできること
準1級の面接では審査の内容に、以下の6つの項目が挙げられています。
- 言動に親しみを感じさせる親近感
- 表情や振る舞いに好感を持たれる愛嬌
- 親しみや笑みが表れている表情
- もてなし方や応対に信頼感をおぼえる振る舞い
- 丁寧で謙虚な言葉を使った言い方
- 人に対する姿勢に柔らかさを思わせる物腰
準1級合格はこの6つの項目がクリアできていることの証明になります。履歴書に記載すると、対人対応能力が高く即戦力になる人物であるとアピールができます。
準1級を取得すると具体的に身に付けられることを、ロールプレイング例から見ていきましょう。準1級の面接試験では、「基本言動」、「接客応答」、「接客対応」の3つの項目で審査されます。
- 基本言動
「いらっしゃいませ」や「いかがでございますか」といった接遇の基本の言葉と態度を示す。 - 接客応答
「お客様、お忘れ物でございますが」という声掛けを愛想よく言う。 - 接客対応
審査員がお客様役となり、受験者は販売スタッフとして商品を販売するという場面で対応する。
お客様にはこういう言葉で接するということが頭でわかっていても、実際にその言葉を発するときには態度も大切ですよね。面接試験のロールプレイングでは、「言葉」と同じぐらい「態度」を見られます。
実際に声を出して振る舞う接遇を学ぶ経験は貴重なものです。接遇が主な仕事になる業界・職種に就職するとき、必ず役に立つメリットとなるでしょう。
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