手に職をつけたい…そんなときにおすすめなのが、資格の勉強を始めること。
なかでも宅地建物取引士(宅建士)は、社会的にも需要が高いため、受験者に人気の国家資格です。不動産取引のプロとして働けるようになるほか、社会人として必須の民法や金融の知識も身につきます。法律系の国家資格のなかでは比較的短期間で取得できるのも魅力です。司法試験や司法書士試験と違って、独学での合格も十分狙えます。忙しい社会人でもチャレンジしやすい資格ですよ。
目次
社会人が宅建を取得すると役に立つ?
取れば儲かる?コスパの良い資格
宅建を取得すると、新卒での就職にもメリットがある?
宅建は転職においても有利に働く
とりあえず挑戦してみよう
社会人が宅建を取得すると役に立つ?
宅建を取得すると、社会人として必要な知識が身につきます。たとえ不動産業界の人間でなかったとしても、不動産や民法と関わる機会はあるものです。不動産屋でアパートを借りたり、銀行で住宅ローンを組んだりといった経験を持っている方は多いのではないでしょうか。
こうしたときに直接的に役立つのが宅建で学ぶ科目です。
特に民法は、売買契約など市民生活を営む上で必要な事柄のルールを集めたものです。買い物や連帯保証人制度、相続などさまざまな場面で顔を出してきます。民法を知らないことによって、大損害を被ってしまう可能性さえあるのです。自分の身をトラブルから守るためにも民法を学ぶことは有用です。
また宅建受験で得た不動産の知識は仕事でも役立ちます。不動産は価格も高い、重要な資産です。その資産価値を見極めたり、正確な商品知識を持って取引ができたりということは、不動産業界はもちろん、金融機関の業務においても必須の能力になっています。また不動産会社以外の一般企業の中にも不動産事業を行っている会社も存在しています。こうした会社にとっても、不動産取引について深い知識を持つ宅建の有資格者は欠かせません。企業によっては資格手当がつくこともあるでしょう。
さらに民法を学ぶ宅建は、法律系資格の登竜門的な性格もあります。司法書士試験や行政書士試験、司法試験の受験を考えている方にとっての、最初の一歩としてもおすすめです。民法は要求される知識の量が多いため、宅建でひととおりの知識が身についているとその後の学習も楽になります。法律の専門家を目指すなら、宅建を受けておいて損はありません。
また金融系の資格であるファイナンシャルプランナー(FP)などとの相性もよいです。こうした隣接資格・上位資格と宅建を合わせて取得しておくと、就職や転職はもちろん、将来独立する際にも役立ちます。
取れば儲かる?コスパの良い資格
宅建には受験資格がありませんので、受験資格を得るために特定の学業を修めたり企業に勤めたりする必要がありません。また、独学での合格も可能ですので、資格を取るのにかかる費用も低コストで済みます。このように、資格取得にコストがあまりかからない割に企業からの需要が高く、ひとたび資格を取ればそれで働いていける可能性が高いです。
特に不動産の取引を行っている会社では、1つの事務所につき5人に1人以上の割合で宅建士を置かなければならないため、求人において有資格者は優遇されています。不動産会社に勤める宅建士の場合、平均年収は500万から700万円といわれています。もちろん本人の実力によっては、さらに上を目指せる可能性もあります。自分で不動産会社を興して、成功できれば年収数千万円も夢ではありません。宅建は経済的な安定性を得るのに役立つうえに、儲かる可能性もある資格といえるでしょう。
宅建を取得すると、新卒での就職にもメリットがある?
不動産取引と民法について学ぶことのできる宅建は、就職においてメリットがあります。
まず不動産会社に就職したい方にとって、宅建は必須の資格です。宅建は業務独占資格であり、宅建士でなければできない業務があります。不動産の売買や仲介を行うときは、宅建士が売買の当事者に対し必ず重要事項説明等を行わなければいけません。不動産取引においては宅建士の立ち合いが絶対に必要なのです。不動産会社の社員といえども、宅建を持っていなければ、1人でお客さんに家や土地を売ることなどができません。したがって宅建がないと業務に支障が出てしまいます。不動産業界を目指して就活を行う際、すでに宅建を持っているということは強力なアピールポイントになります。
また金融業界への就職を目指す際にも宅建は使える資格です。銀行がお金を貸すときには、お金の回収を確実に行うために担保を取ります。そのとき担保としてよく使われるのが、資産価値の高い不動産です。家のローン契約も、家や建物を担保にして、借主がお金を借りる契約です。もしお金の返済が滞ってしまった場合には、家や建物を売却して、借りたお金を借主から回収します。借りたお金をきちんと回収できなければ金融機関はつぶれてしまいます。そのため担保に取ったものから確実に回収できそうな金額を貸し付けることになるのです。したがって適切な金額を借主に貸すためには、担保に取った不動産の価値を正確に把握しておく必要があります。このときに役立つのが宅建なのです。
もちろん民法の専門家でもある宅建士は、銀行の主要な業務の1つである金銭の貸し借りに関わる法律知識も豊富です。したがって宅建を保有しておくと、これらの業務の円滑な遂行につながります。
そのほか不動産事業を行っている会社や住宅メーカー、店舗を出店する必要がある飲食・小売業界においても、不動産の知識は必要になってきます。宅建は、不動産業界や金融業界をはじめとしたさまざまな企業において、評価されやすい資格と言えるでしょう。
宅建は転職においても有利に働く
新卒での就職と同様に、宅建は転職においても有利に働く可能性があります。
特に不動産業界において、宅建士は必須の人材です。30代までの有資格者であれば、業界未経験者にも正社員待遇で求人がかかることがあります。まったくの経験ゼロの人でも不動産業界に転職できる可能性があるのです。もちろん業界の経験者であれば引く手あまたとなります。
さらに宅建を取得していると、不動産会社の営業所で管理職候補として扱われる可能性も高いです。不動産業界での転職、ステップアップを目指すのであればぜひ取っておくべき資格です。
また不動産業界以外であっても、宅建という資格が役立つ機会は意外に多いものです。宅建を持っているということは、国から「不動産と民法の知識がある」というお墨付きを受けているということ。金融業界や不動産の設備管理、新規テナントの開発、企業の資産管理など、宅建で得られる知識を活かせる場は無数に存在しています。自分の今いる業界にも、宅建の知識が必要とされる職種があることもあります。 転職を考えている職種と宅建の間に何らかの関連性を見つけられれば、業務に必要なスキルとして採用担当者に積極的にアピールすることができるでしょう。
加えて、他資格とのダブルライセンスであれば、専門性をより深めることができ、転職先でスペシャリストとして活躍することも可能になります。マンションのプロならマンション管理士や管理業務主任者、不動産投資会社や企業の財務部門で働きたいなら、簿記やFPといった具合です。宅建は、すでにこれらの資格を持っている人はもちろん、ゆくゆくはこれらの資格を取得したい人のスキルアップの手段にもなります。難関資格にはなりますが、不動産関連資格の最高峰である不動産鑑定士や司法書士を最終的に取得し、不動産取引のエキスパートを目指すのもよいでしょう。
上手に資格を活かすことができれば、転職の際の大きな武器になってくれるはずです。
とりあえず挑戦してみよう
不動産と民法の知識が身につく宅建は一生ものの資格です。日常生活で役立つのはもちろん、仕事をする上でのスキルアップにもつながります。宅建は大きな可能性を秘めた、魅力的な資格なのです。
自宅での学習で合格が可能ということも、時間的・経済的な制約のある社会人にとっては嬉しいですね。オンライン講座を利用すれば、隙間時間でも効率よく勉強ができます。ビジネスに役立つスキルを身につけたい人の、最初の資格としておすすめです。
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