こんにちは!不動産業界で働いているアラサー女、あずさです。
連載「私の宅建おすすめ勉強法」、前回は4つの試験科目のうち「宅建業法」の勉強法について紹介しました。
連載の最初で「法律初心者の方は宅建業法を最初に勉強することをおすすめします」とお伝えしましたね。
法律に馴染みのない方が「権利関係」を最初に勉強すると苦戦しやすいというのがその理由でした。
宅建業法も法律ですから、初心者の方も宅建業法を勉強していく中で特有の言い回しに少しずつ慣れていくと思います。
さて、次は「権利関係」の勉強法に触れていきます。
権利関係は範囲も広く理解しにくい科目ですが、論理的な思考ができれば必ず理解できます!
そもそも「権利関係」ってどんな科目?
「不動産の取引」と聞くと皆さんはどんなことを思い浮かべますか?
家を買う(土地・建物の売買)、アパートを借りるなどはイメージしやすいですよね。
不動産の取引では、当事者に権利・義務が発生、変動、消滅しています。「権利関係」科目は、このように不動産取引における当事者の「権利関係」を学ぶ科目といえます。
権利関係は、不動産取引に関する法律から出題されるのですが、例年の内訳は下記の通りです。
- 民法…10問
- 借地借家法…2問
- 不動産登記法…1問
- 建物区分所有法…1問
権利関係の中でも、民法が大部分を占めていることがわかります。
ただし、民法は範囲がものすごく広く、毎年重箱の隅をつつくような問題が数問出てきますので、満点を狙うのは非効率的です。
宅建に合格している人でも、権利関係の正答率は5~6割程であると言われています。
難解な問題は無理に覚える必要はないので、頻出分野は落とさないように繰り返し勉強して問題に慣れておきましょう。
権利関係ではどんな内容が出てくる?
先ほども申し上げましたが、「権利関係」で満点を取る必要はありません。
とはいえ、合格するためにはできるだけ点を稼ぐ必要があります。権利関係の中でも、よく出る分野について押さえておきましょう。頻出分野を下記にまとめてみました。
- 代理(「無権代理」「表見代理」「復代理」など)
- 抵当権(「物上代位」「法定地上権」「消滅請求」など)
- 意思表示(「詐欺・強迫」「虚偽表示」など)
- 連帯債務・保証債務・連帯保証
- 不法行為(「一般不法行為」など)
- 時効
- 物権変動
- 所有権・共有
- 契約解除
- 賃貸借契約
- 法定相続分・遺産分割
この羅列だけでも範囲の広さが伺えますね。一生懸命勉強しても、本試験でその項目は1問も出てこなかった、ということは重々考えられます。
この項目だけをやればバッチリ!というわけではないですが、時間のない方は上記の項目を中心に勉強するとよいでしょう。
権利関係に強くなるための考え方
権利関係の勉強法は、基本的には前回の「宅建業法の勉強法」と同様です。
テキストを読む(講義を視聴する)
↓
問題(過去問)を解く
↓
答えあわせ・解説(テキスト)を読む
↓
間違えた問題をチェックしておく
↓
後日、間違えた問題を再度解く
これの繰り返しです。
しかし宅建業法と違い、権利関係を制するには「繰り返し覚えるだけの丸暗記」では太刀打ちできません。
過去問を見ればわかりますが、「Aが死亡して、Aの妻のBと嫡出でない未成年の子C、Dが相続人となった場合に…」といったような具体的な事例が出題されています。
毎年過去問と似た問題が出てきますが、必ず違った角度・別の表現が使われています。
ですから、テキストを丸暗記して原則を覚えるだけではダメなのです!
権利関係のおすすめの勉強法!
そこで権利関係では、以下の勉強法をプラスするのがおすすめです!
①「目的・理由」が何かを考えながらテキストを読む
この事例では、なぜ禁止されているのか?なぜこの事例は、例外とされているのか?勉強中の今は、各選択肢に対して「目的・理由」は何かを考えるようにしましょう。
② 図を描いて整理する
具体的な事例で出題されるので、AさんBさんCさん…と登場人物が複数出てきます。
頭の中だけで考えるよりも、実際に関係図を描いて事実関係を整理しましょう。
宅建の試験は2時間と決まっています。簡単な問題でも図を描いておくと後から見直しもしやすいので、ぜひ普段から図を描いて整理して問題を解く練習をしてみてください。
宅建試験50問の内、宅建業法が20問、権利関係が14問です。この2つの科目で出題の約7割を占めています。
権利関係は範囲も広く内容も難しい科目ですが、理解できれば勉強していて楽しい科目だと思います。ぜひポイントを押さえた勉強をして、他の受験生と差をつけてください!
次回は、法令上の制限について解説します。
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