今回より3回に渡ってお送りするテーマは「ウィズコロナ時代に必須の文章力とは」です。
コロナの流行で対面で話すことが減り、“非対面”でのコミュニケーションが一段と増えました。ですが、顔が見えないメール・チャットだからこその難しさもありますよね。筆者も在宅勤務をする中で何度も失敗し、改善策を模索してきた1人です。
連載第1回の今回は、メール・チャットで注意すべきポイントと、必要とされる文章力について考えていきましょう。
非対面だと何が問題?メール・チャットで注意すべきポイント
注意すべきポイント① 時差・温度差が発生しがち
対面で話すのと違いメール・チャットでは、送る側と受け取る側で時差が発生します。
送る側はできれば早く読んでほしいと考えていたとしても、受け取る側はすぐに読むとは限りませんし、読んだからといってすぐにアクションを起こすとも限りません。ここで小さなモヤモヤやトラブルが起きてしまうことも。
またメール・チャットでは、送る側と受け取る側で、用件に対する温度差が発生しがちです。
複数の相手とメール・チャットを何回もやりとりすると、1日のメッセージはかなりの量になりますが、優先度を確認するにしても内容を都度読まないといけません。結果としてスルーされやすくなったり見落とされたりしやすいからです。
注意すべきポイント② 真意が伝わりにくく誤解されがち
対面や電話でのやりとりなら、相手の表情や声色から、雰囲気を察することができますよね。これは「非言語コミュニケーション」と呼ばれる分野のやりとりで、誤解なく円滑にコミュニケーションを進めるうえで不可欠な要素です。
しかし文章だけで進めるメール・チャットでは、この“察する”ための材料が不足します。例えばあなたが、期限がタイトな仕事を依頼されて「承知しました。」とだけ返信したとします。あなたは単に了解したという意味で返信していたとしても、相手は“急な仕事を依頼されたから怒っているのかな。今後あまり関わりたくない人だな”と思うかもしれません。
メール・チャットで注意すべきポイントがわかりましたね。ではこの2つのポイントをカバーするためにはどのような文章力が必要なのか、例文を交えて詳しくみていきましょう。
「時差・温度差」を解決する文章力とは
メール・チャットでの「時差・温度差」を解決するには、受け取る側がパッと見ただけで趣旨を理解できる文章力が必要です。
まずは例文を見てみましょう。
例文(Before)
今回〇〇の案件で新たにライターが必要となり、△月△日までに記事を書ける方を募集しています。記事のテーマは□□で、報酬は1本@円。執筆いただける方は×月×日までに個別チャットください。よろしくお願いします。
ライター募集を複数人グループに呼びかける内容ですね。この文章でも、伝えたい内容は端的にまとまっています。これをさらに、「受け取る側がパッと見ただけで趣旨を理解できる」文章に直してみましょう。
例文(After)
【×月×日までに要返答!〇〇案件でライター募集!】
下記条件でライターを募集しております。
ご対応いただける場合、×月×日までに個別チャットでご連絡ください。
案件名:〇〇
執筆納期:△月△日
記事テーマ:□□
報酬:1本@円
メールの場合は件名に、チャットの場合は1行目に、パッと見て用件がわかる文章を入れましょう。
上記文章の場合、「ライター募集」という用件と、回答期限の2点を件名に入れ、細かい条件や数値はその下に箇条書きで記載しています。
受け取る側は、1行目だけを読めば趣旨を理解できるうえ、冒頭に期限を明記しているので後で見返した際に目に入りやすく、スルーしてしまう可能性を下げることができます。
対面や電話で話す際は相手の時間をもらって話をしますが、メール・チャットの場合でも、読むために相手の貴重な時間を割いてもらうことには変わりありません。
できるだけ相手に早く理解してもらえるよう、メール・チャットでは「大事なことを一番上に」「内容を簡潔に」を意識するとよいでしょう。
「真意が伝わりにくく誤解されがち」を解決する文章力とは
忙しく仕事をしていると、メール・チャットも、つい必要最低限の事務的な内容になってしまいがち。しかしメール・チャットでは対面のように“相手の雰囲気を察する”ことができないため、それでは相手を怒らせたり、モチベーションを下げてしまったりしかねません。
メール・チャットでの「真意が伝わりにくく誤解されがち」を解決するには、受け取る側への気遣いを伝えられる文章力が必要です。
こちらも例文を見てみましょう。
例文(Before)
お疲れ様です。
資料修正の件、承知しました。
期日までに修正して、再度提出いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
ディレクターからの資料修正依頼に対して、承知した旨を返信している内容ですね。この内容でもビジネス的には問題ありませんが、これをさらに「受け取る側への気遣いを伝える」文章に直してみましょう。
例文(After)
お疲れ様です。
資料修正の件、承知しました。的確なご意見をいただけたので、修正する側としては大変ありがたいです!期日までに修正して、再度提出いたします。
●●さん、最近△△の件でお忙しそうですが、体調を崩されたりしていませんか?
明日からの連休はゆっくり休んでくださいね!
相手との関係性によって内容は左右されるものの、してくれた仕事への感謝や、忙しく活躍されていることへの気遣いなどを添えると、温かみが感じられる文章になります。受け取る側はあなたに好感をいだき、その後の仕事のやりとりもスムーズになるでしょう。
ぜひ意識して取り入れてみてくださいね。
連載「ウィズコロナ時代に必須の文章力とは」、今回は、メール・チャットで注意すべきポイントと、それらをカバーする文章力について解説しました。
メール・チャットの文章作成時に、ちょっと意識するだけで、その後のやりとりがスムーズに感じられるようになるかもしれませんよ。
続く第2回では、特にチャットで必要とされる文章力について、具体例を出しつつより詳しく解説していきます。ぜひチェックしてみてくださいね。
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