日本語が読み書きできれば誰でもできるはずの文章作成。
ですが、文章を作るのって意外に難しいですよね。長文になればなるほど、自分でも何を言っているのかわからなくなったりしませんか?私もたまにあります……。
文章を改善させるコツとして、まずどのような文章がNGなのか、「ダメな文章」の特徴を知るというものがあります。「ダメな文章」を反面教師にするということですね。
ということで連載「伝わる文章術」2回目の今回は、文章の改善ポイントを「ダメな文章」の特徴を紹介しながら解説していきたいと思います。
目次
文章改善ポイント① 一文を短くする
文が長すぎると情報量が増えて、何を伝えたいのかわかりにくくなります。以下はダメな文章の例です。
先週ご依頼し現在ご執筆いただいている2月分の「スキー場」に関する記事の原稿についてですが、「スキー場」に関する記事は3月分に移動となり、社内でミーティングを行った結果、1月分で提出していただき掲載見送りとなった「バレンタインデー」に関する記事を2月分の「スキー場」に関する記事の代替案として利用するということが、決定いたしましたので、「スキー場」に関する記事は一応このまま継続してご執筆いただき、3月分については「スキー場」に関する記事を除く他3記事の執筆をご依頼したいのですが問題はありませんでしょうか。
一文がこれだけ長いと、読んでいても疲れてしまいますし、意味が伝わりにくくなります。
連絡する情報が多いと、どうしても一度ですべてを伝えてしまおうと思ってしまいがちですが、その結果伝わりにくくなってしまっては意味がありません。
「一文に含める情報は1つまで」と心得ましょう。
以下は、上記文章の改善例です。
先週ご依頼し現在ご執筆いただいている2月分の「スキー場」に関する記事の原稿についてご報告です。
「スキー場」に関する記事は3月分に移動となりました。
社内でミーティングを行った結果、1月分で提出していただき掲載見送りとなった「バレンタインデー」に関する記事を2月分に回すことになりました(「スキー場」に関する記事の代替案として利用するということになります)。
「スキー場」に関する記事は一応このまま継続してご執筆いただきたいと思います。
3月分については「スキー場」に関する記事を除く他3記事の執筆をご依頼したいのですが問題はありませんでしょうか。
文章をわかりやすくする改善ポイントは「一文は適切な長さ(だいたい40文字~60文字程度、長くても120文字くらい)で、1つの文に含める情報は1つまで」です。
情報が多くなりそうな場合は、丸括弧(パーレン)で補足的に付け足すのものコツですよ。
文章改善ポイント② 主語と述語を対応させる
主語と述語が対応していないと、変な文章になります。
例えば、以下の文を見てください。
私の夢は、小さい頃に憧れていた宇宙飛行士の野口聡一さんのような、宇宙飛行士になりたいです。
どうでしょう?言いたいことはわかるのですが、なんだか変ですよね。
「私の夢」という主語に対して、述語が正しく対応していません。この場合は
私の夢は、小さい頃に憧れていた宇宙飛行士の野口聡一さんのような、宇宙飛行士になることです。
が正しいです。
主語と述語のねじれが起こる主な理由は「文が長すぎる」ことにあります。
上の例文の場合「小さい頃に憧れていた宇宙飛行士の野口聡一さんのような」という余計な情報が入ることで、一文が長くなっています。前項で紹介したように、情報は一文に1つまでがセオリー。
私の夢は宇宙飛行士になることです。小さい頃から野口聡一さんに憧れています。
とすれば、読みやすくなりますし、主語と述語がねじれてしまう可能性が低くなりますよ。
文章改善ポイント③ 修飾語と被修飾語を近づける
修飾語と被修飾語が遠いと、情報が伝わりにくくなります。
例えば、「大きな牛」について説明する文章を書くとしましょう。
大きなオーストラリアで育った牛
こう書いてしまうと「大きな」という修飾語が「オーストラリア」にかかっているのか「牛」にかかっているのか、はっきりしませんよね。
オーストラリアで育った大きな牛
と、修飾語と被修飾語を近づけるだけで、誤解されにくくなりますよ。
文章改善ポイント④ 指示語は少なめに
指示語とは、いわゆる「こそあど言葉」。「あれ」とか「これ」とか「それ」とかです。
あのときの話したあの件について社内で話し合いをいたしました。結果、あれはあのままで問題ないという流れになりました。
上記の例文のように指示語を多く使いすぎると「あれってどれ?」ということになりやすくなります。こそあど言葉で代用せずに、具体的な言葉を入れるようにしましょう。
先週お話しした、2月納品分原稿の修正の必要性について、社内で話し合いをいたしました。
結果、修正をしていただく必要はないという流れになりました。
こうすれば、誰が読んでもすぐに何の話かわかりますよね。
また長文になればなるほど、読者は前に読んだ情報が薄れてしまいます。誤解を避けるためにも、指示語はなるべく少なめにするのがポイント。
文章改善ポイント⑤ 接続語は極力カット
接続語とは「そして」「つまり」「だから」など、前の文章を受けるクッションのような言葉。接続語が多いと、まわりくどい印象になります。
文章の余韻を味わう文学作品などでは、適度に使用してもかまわないのですが、ビジネス文書では特に必要な言葉ではありません。逆説を示す「しかし」以外は取ってしまってもOK。
先日お話しした件について、弊社でミーティングを行いました。そして、例の件についてはこちらで継続して行うことに決まりました。つまり、契約についてもこのまま継続ということになります。
文法的には正しい日本語ですが、少し読みづらいですよね。この文章にある接続語は「そして」と「つまり」。この2つはカットしても、意味は通じます。
先日お話しした件について、弊社でミーティングを行いました。例の件についてはこちらで継続して行うことになりました。契約についてもこのまま継続ということになります。
私は複数のライター養成講座に関わってきましたが、どこでも「接続語は無くても通じるので、多用しないでください」と教えていました。つい使いがちな方は、注意してみてくださいね。
今回は、伝わりにくい「ダメな文章」の特徴と、改善ポイントをご紹介しました。
- 一文が長い
- 主語と述語が対応していない
- 修飾語と被修飾語が遠い
- 指示語が多い
- 接続後が多い
これらの「ダメな文章」を見直すだけで、文章はぐっと伝わりやすいものになりますよ。
次回は「文章の組み立て方」についてご紹介していきます!
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