新入社員のケアレスミスに対して、「なんでこんな基本的なことができないんだ!」と怒鳴り散らしたAさん。慣れた社員なら当たり前にできることとはいえ、イライラして怒鳴ることは果たして、新入社員にとってプラスに働くのでしょうか?
あなたはこのように、怒りに任せて怒鳴ってしまい、後悔した経験はありませんか?
感情のまま怒鳴ったりせずに冷静に話をした方が良いとわかってはいても、実践するのは難しいと感じている人は多いのではないでしょうか。
そこで怒りの感情をコントロールする方法として注目されているのが、アンガーマネジメントです。
これから5回に渡り、アンガーマネジメントの方法について説明していきます。第1回は「アンガーマネジメントとは何か」です。
「アンガーマネジメント」とは何か
アンガーマネジメントとは、「怒り」の感情をコントロールするための心理トレーニングです。
勘違いされやすい点ではありますが、アンガーマネジメントとは怒らないようにすることではありません。
怒りがもとでトラブルになるケースは、「怒り」の感情を持ったことが問題なのではなく、「怒り」をコントロールできず、怒りの感情とうまく付き合えないことが問題なのです。
怒りの感情に突き動かされるまま行動してしまうと、怒鳴ってしまったり、物を壊してしまったりすることで、他者を精神的に傷つけたり、後悔の念に駆られたりします。
アンガーマネジメントという方法論は、1970年代にアメリカで生まれ、もともとは犯罪者を矯正するために用いられていました。
今では、大企業の管理職を対象とした企業研修でも導入されたり、アスリートのトレーニングとしても取り入れられたりしています。
そもそも「怒り」とは何か
では、なぜそもそも人間には怒りの感情があるのでしょうか。
怒りは人間や動物が生存するために、敵から身を守る防衛本能によって起こる防衛感情です。
狩猟社会では、敵から攻撃を受けたときに、「縄張りをとられるのは嫌だから、敵を攻撃する」、あるいは、「強そうで不安だから逃げる」という二者択一をする必要があります。
穏やかな感情でこうした防御の姿勢をとるのは難しく、脳内でアドレナリンが放出されることで、怒りの感情によって防衛をするのです。
現代社会においては、生命を守るために怒りの感情を持つことは、日常的には起こりません。
しかし、自分の価値観や仕事においては、ポジションなど、大切にしているものを守るために怒りの感情を持つことがあります。
また、怒りという感情は二次感情とされ、いきなり起こるものではありません。
もととなる不安や辛さ、悲しみ、嫌悪感といった一次感情が起こり、極限に達すると二次感情の怒りに変わります。
人によって一次感情の許容度が違うため、怒りという感情を持つ度合いにも個人差があるのです。
アンガーマネジメントがおすすめな理由
怒りの感情は生きていくうえでは必要な感情ではありますが、現代社会で仕事を円滑に進めるためには、ときには感情をコントロールして抑えることが不可欠です。
例えば、顔を合わせたくない相手とも打合せをしなければならなかったり、多少クライアントの言うことが気にいらなくても、笑顔で対応しなければならなかったりすることがあります。
ビジネスのうえでは、怒りの感情を理性で抑えることが求められるのです。
しかし、現実的には怒りを抑えて冷静に対処することが苦手な人もいます。
そこで、ちょっとしたことが許せず、怒りっぽくて後悔することが多い自分を変えたいと考えている人は、アンガーマネジメントを身に付けることで、怒りの感情をコントロールしやすくなります。
あるいは、上司がすぐに激高することに悩まされている人は、アンガーマネジメントを学ぶことで、対処方法を見つけやすくなることが期待できるのです。
アンガーマネジメントとは、怒りの感情をコントロールしてうまく付き合うこと。
アンガーマネジメントを身に付ければ、感情のまま怒ってしまって後悔することを避けられるようになります。
冒頭で紹介したAさんも、アンガーマネジメントを学べば、冷静に対応できることが期待されますね。
次回は、アンガーマネジメントにはどのような効果やメリットがあるのか、また、実際に職場でどのように役立つのか紹介します。
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