ちょっとしたミスであっても、怒鳴り散らすことの多いB課長。 次第に部下は怒鳴られることに慣れてしまい、叱責を受けている間、ただ聞き流していることが多くなってしまいました。
このように、怒りに任せて感情を露わにしてしまうことは、仕事上のデメリットが大きいのではないでしょうか。
そこで、怒りという感情をコントロールするために身に付けたいのが、アンガーマネジメントです。
連載「アンガーマネジメント入門」、前回は、怒りの感情とは何か、アンガーマネジメントとは何かということについて説明しました。
第2回では、アンガーマネジメントを学ぶメリットや職場での効果について解説していきます。
メリット① 人間関係が円滑になる
激昂しやすい人の中には、些細なことでイライラしてしまうことに、ストレスを感じている人が少なくありません。
さらにイライラしていると、ちょっとしたことで感情を害しやすくなるという、負の連鎖が起こりがちです。
アンガーマネジメントを身に付けると、許容範囲が広がるため、些細なことでイライラしにくくなります。ストレスが減って、心穏やかに過ごせるようになることがメリットの1つです。
また、些細なことでイライラしていると、人間関係も悪くなってしまいがちです。怒りの感情をコントロールできず、感情に任せて怒鳴ってしまったり、イライラの原因とは直接関係ない人に八つ当たりをしたりするようでは、周囲と軋轢が生まれやすいですね。
アンガーマネジメントによって、理不尽に周囲に怒りをぶつけることがなくなり、不安な気持ちや淋しい感情を素直に表現できるようになります。すると、円滑な人間関係が築きやすくなります。これもメリットに挙げられます。
メリット②「真剣な怒り」が伝わりやすくなる
怒ること自体は悪いこととは限りません。アンガーマネジメントも怒りという感情をコントロールするものであり、怒らないことではありません。
しかし、些細なことで怒ってばかりいるようでは、怒られることに相手が慣れてしまい、怒りの感情が伝わりにくくなります。
また、小さなミスでも大きなトラブルにつながりかねない重大なミスでも、同じように怒っていたのでは、叱責を受ける側にとっては重要度が判断しにくいです。
アンガーマネジメントを身に付けることによって怒りをコントロールし、重要なシーンでだけ、怒りを表せるようになれば、真剣な想いが伝わりやすくなります。これもメリットです。
冒頭で紹介したB課長は、些細なことでも激昂しているせいで、重要な注意も部下が聞き流すようになってしまいました。
アンガーマネジメントを学んで、怒りに強弱をつけられるようになれば、部下もどの程度のミスを犯したのか重要度を認識しやすくなり、真摯に耳を傾けるようになるでしょう。
メリット③ 職場の生産性を向上させる
さらに、アンガーマネジメントを身に付けることは、職場の生産性を向上させる効果もあります。これには4つの理由があります。
まず、些細なことで怒りやすい人は、怒りの感情を持つことで仕事が手につきにくくなりやすいです。
怒りをコントロールできるようになることで、仕事がはかどるようになることが1つ目の理由。
一方、部下の側にとっても、上司に理不尽に叱られることがなくなり、モチベーションの低下が防げます。これが2つ目の理由です。
3つ目として挙げられるのは、叱れない上司の問題です。最近ではパワハラといわれることを懸念して、叱れない上司も少なくありません。
アンガーマネジメントを身に付けて、適切な叱り方で客観的にミスを指摘できるようになることも、業務を効率よく遂行していくために大切です。
また、4つ目の理由として、職場の雰囲気がよくなることで、意思の疎通が図りやすくなります。
アンガーマネジメントによって怒りをコントロールすることには、些細なことでイライラしにくくなり、人間関係を円滑に築きやすくするなどのメリットがあります。また、職場においては生産性の向上などの効果をもたらすのです。
次回は、アンガーマネジメントではどのような方法で怒りをコントロールするのか、その実践について解説します。
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